64話 決着
俺の手足の緑色の炎を見てレオーネとリオンは少し警戒しながら見ていた。
「何だ?その炎は?」
「属性付与を重ねた?そんな事が出来るのか?」
リオンが言うことは最もだ。
魔法を併用するのは属性付与なら出来なくもないが重ねるのは難しい。
だが俺が今着けている【ジェミニグローブ】ならそれが可能だ。
グローブに溜めていた魔力と俺の魔力を使えば属性付与なら無理矢理重ねる事が出来る。
だがこの魔法の能力はそれだけではない。
「そんじゃあ行くぞ!歯ぁ食いしばれよ!」
俺はそう言って足を一歩踏み出した瞬間、
「ぐぁ!!」
レオーネが後ろへ吹っ飛んでいった。
リオンは何が起こったか分からず咄嗟にレオーネのいた所を向くと、そこには俺が拳を振り抜いた状態でいた。
俺の姿が捉えられなかった事にリオンは唖然としていた。
この複合属性付与は謂わば魔力の足し算だ。
グローブの魔力と俺の魔力が合わさった事でその能力は二倍になる。
つまり俺は今火と風の属性付与をした時の能力の二倍の力を手に入れているということだ。
「さあ、次はてめぇだ」
「!!?ルビー!!」
俺がそう言うとリオンは弓を出し火の精霊を呼び出した。
「焔の豪矢!」
リオンの弓から放たれた巨大な炎の矢は真っ直ぐ俺へと向かってきた。
「無駄だ」
俺はそう言って巨大な炎の矢を拳で殴り赤い粒子となって消えていった。
俺はそのままリオンに突っ込んだ。
俺はリオンに蹴りを入れようとしたとき土の精霊であるマリアが咄嗟に出てきて俺の前に土の壁を出現させた。
「今の俺には関係ねぇ」
「ごふ!!」
だが土の壁も軽く粉々にされ、俺の蹴りは土の壁ごとリオンを蹴り飛ばした。
リオンは岩の壁に激突し崩れた岩下敷きとなった。
「ガルルァァァ!!」
俺がリオンを吹き飛ばすとレオーネが吠えながら下敷きになった岩から出てきた。
「やりやがったなこの野郎!!【獣気 琥獣のオーラ】!!」
レオーネは緑色の髪とオーラを纏うと俺に突っ込んできた。
さっきは見えなかったが今なら見える、あいつの動きが。
「獣王の鉤爪!!」
「どらぁぁ!!」
レオーネの手からオーラで作った爪を出し俺に斬りかかってくるのと同時に俺の拳がレオーネの爪とぶつかった。
俺の拳とレオーネの爪から金属音が鳴りお互いの手が弾かれる。だが俺とレオーネは直ぐにもう片方の手で殴り掛かった。
俺の拳とレオーネの爪が何度もぶつかり合いその度に金属音が鳴り響いている。
レオーネは段々辛そうな表情をするが俺はまだ余裕の笑みを浮かべている。
まだだ、まだ行ける!!
「遅ぇ!!」
「ぐほぉ!!」
俺はレオーネの顔の横に回し蹴りを喰らわせるとレオーネは体をねじ曲げ地面に倒れた。
「ぐ、くそがぁ........」
レオーネは立ち上がろうとするが既に虫の息だ。
「まだだ、まだ終わらない.........」
するとリオンも岩から這い出て来た。
二人は近くに並びフラフラな状態で俺の前に出た。
俺はこの二人のタフさと精神に素直に関心すると
「止めと行くか」
止めを刺すべく俺は目の前に巨大なファイアーボールをだした。
腰を落とし、拳を構えた。
「大爆風弾!!」
複合属性付与させた拳で打ち出したファイアーボールは緑炎弾と同じ緑色の炎になりながらも、その大きさは先程より格段に大きくなり二人に向かっていった。
「僕は....このままでは終わらない。アリス」
「俺は....ぜってぇ負けねぇ。【獣気 雅獣のオーラ】」
リオンは水の精霊をレオーネは赤い髪にオーラを纏った。
リオンは弓を引き、レオーネは息を大きく吸い込み大爆風弾に構えた。
「水星矢!!」
「獣王の咆哮!!」
リオンの弓から放たれた水を纏った矢とレオーネの口から放たれた赤い光線は真っ直ぐ大爆風弾へと向かい、ぶつかり合った。
緑色の巨大な炎は水の矢と赤い光線とせめぎあい、拮抗している。
「ぬぉぉぉ!!」
「まだだぁぁぁ!!」
まだ諦めまいと二人は声を大きくして叫ぶ。
「無駄だ」
俺は冷静に言うと、大爆風弾は徐々に水の矢と赤い光線を呑み込みながら進んでいく。
徐々に呑み込みリオンとレオーネとの距離が段々近づいていく。
「くっそ.......」
「まだ........」
大爆風弾が近づくにつれ二人の声は段々消えていき、大爆風弾が直撃した。
二人のいたところでとたつもない爆発が起こり、衝突により地面が揺れ辺りが砂煙で覆われる。
煙が晴れるとそこには意識が飛びかけながらも仁王立ちしている二人の姿があった。
「だー.....くそ........俺が........負けるなんて........」
「僕も.......まだ...まだ...か........」
掠れた声で二人はそう言うとばたりと地面に倒れた。
「お前らは強ぇよ。只俺が規格外なだけだ」
俺はそれだけ言うとゴールである山の頂上を目指した。
“レオーネ選手、リオン選手戦闘不能。ケンヤ選手の勝利。残り人数1人”
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