表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界行っても喧嘩上等  作者: サザンテラス
61/73

61話 後は任せたよ

 凍った湖の上に雪が降り積もる。

 二人の吐く息は白くなり少し体を震わせている。

 流石にこのままじゃ不味いと思ったのかパシオンは強化された足を使って私に突っ込んできた。


「どりゃあ!」


 強化されただけあってそのスピードは速く私は回避する前には既にパシオンは蹴りは私に直撃していた。


「ぐっ!!」


 呻き声を挙げそうになるが私は我慢しながら後ろへと吹っ飛んでった。

 このまま吹っ飛ばされる訳にはいかないので痛みに耐えながら私は後ろに吹雪を噴射させ衝撃を抑えた。  

 衝撃が止まり私は地面に膝を着きながらお腹を抑えた。


 いった、何て蹴り.........。


 心の中で悪態をついているとナティアは私に向かって操っていた水と氷を私に投げつけてきた。

 

「安心するのは早いですわよ」


 私は咄嗟に氷の壁を造り氷と水を防いだ。  

 私はひと安心と思い一息つくと私が造った氷の壁が突如として壊れパシオン迫ってきた。


「これで終いだ!!」


 強化されたパシオンの腕が私に迫り、私は絶体絶命に思えたが、私はチャンスとばかりににやっと笑った。

 

 言ったよね?ここは私の絶対領域だって。


「なっ!!」


 突如として私に降り下ろしてきたパシオンの拳が凍りついた。

 パシオンは突然の事に驚きながらも私から距離を置いた。

  

 私はゆっくり立ち上がると自分の手が凍って驚いているパシオンを見た。


「驚いたでしょ?この氷雪の陣で造られた雪に触れるとそこから凍らせる事ができるんだ。こんな風にね」


 そう言って私は指をパチンッと鳴らすと


「きゃあ!」


 ナティアが悲鳴を上げた。見るとナティアの肩が突如凍りだした。

 ナティアは地面に膝を着き肩を抑えた。


「なんちゅう魔法だよ.....」


 パシオンはそれを見て唖然としていた。

 だがそれでもこれにも欠点がある。

 氷雪の陣は私の魔力で造った雪を長い時間ずっと降らせる必要がある。

 だから必然的に魔力の消費量が高く長い時間使い続けることはできない。


 だから私は内心焦っていた。

 時間がない。早く倒せねばと。


 急がなきゃな..........。


私はそう思っているとパシオンはあることに気づいたかのように顔をにやつかせた。


「だがそれを保つためには大量の魔力を使い続けなればならねぇ筈だ。つまりこれが解けるのも時間の問題だ」


「そういうことですわね」


 そう言ってパシオンは右手の氷をナティアは肩の氷を破壊すると私に向かってそう言った。

 私はばれて少し焦り早く決着を着けようと、二人を凍らせに掛かった。


「だったら何だっていうのさ!」


 私は二人を肩や腕を凍らせると二人はまた凍らせた部分を砕いて、パシオンは足元の氷を持ち上げ、ナティアは氷を操作し自分の上に持ち上げた。


「お前が俺たちを凍らせられるのはこの雪が当たってるからだ」


「ならその雪を当たらないようにすれば良いだけですわよ」


 確かに二人の言う通り雪を当たらなきゃ凍らせる事はできない。

 だがこの氷雪の陣はそれだけではない。


「来て!氷雪人(スノーマン)!」


 すると下に落ちていた雪がみるみると集まりだし、やがて10体の雪の生物が出来上がった。 

 この氷雪人は私の魔力を素に造られた謂わばゴーレムの様な物だ。

 これを発動させると氷雪人の方に集中が必要な為雪で凍らせる事が出来なくなるがそれを差し引いてもこれは強力な魔法だ。


「皆、その二人をやっちゃって!」


「「「「「「「「「「ブゴォォォォォ!!」」」」」」」」」」


 私の指示に氷雪人は雄叫びを上げながら了承した。

 氷雪人は二手に別れパシオンとナティアに襲いかかった。


「ちっ!【部分強化 両腕】!」


「【操作 氷】!」


 パシオンは持っていた氷を、ナティアは持ち上げていた氷を投げつけ氷雪人に攻撃した。

 氷雪(スノーマン)人の何体かが砕かれたが、砕かれた氷雪人は直ぐに元に戻った。


「無駄だよ。この氷雪人に下手な攻撃は通じないよ」


 私がそう言うと二人は納得したのか攻撃するのを止め逃げる事に徹した。  

 二人は氷雪人5体に逃げ惑うが数が数な為やがて逃げるのも限界が来だろう。


 もう時間がないな.......。


 迫り来るタイムリミットに私は焦りながらも二人が氷雪人に捕まるのを待つ。





ーーーーーーーーーーーーーーー




 リーズが氷雪人を使いパシオンとナティアを追い詰めているとき、エフルの男子生徒がその現場に居合わせた。


「あれは......会長に、人族と獣人族!!大変だ!早く会長を助けないと!」


 男子生徒はそう言うと持っていた弓矢を構えた。 


「狙いは.......会長を追い詰めているのは人族の方か、なら人族の方を!」


 男子生徒が弓の弦を放そうとしたとき、何処からか声が聞こえた。


「おいおい邪魔をするなよ」


「ぐぁ!」


 声が聞こえた途端上からケンヤが男子生徒の頭に向かって拳を放ち、男子生徒の顔が地面に埋まった。

 

「今先輩は大事な所なんだ。余計な茶々をいれんじゃねぇよ」


 顔が地面に埋まり聞こえていないだろうエフルの男子生徒に俺は言った。

 やがてその男子生徒は気絶し回収されていった。


“ノリア選手戦闘不能。ケンヤ選手の勝利。残り人数8人”


「さあ、こっからだぜ。リーズ先輩」


 俺は視線の向こうで戦っているリーズにそう言った。





ーーーーーーーーーーーーーー






 氷雪人(スノーマン)を使って二人を追い回している時にアナウンスが聞こえた。

 どうやらケンヤ君がまた敵を倒したみたいだ。

 全く君は流石だよ。私も頑張らなきゃね!


 私はそう思い更に細かく氷雪人を操るとやがて二人は氷雪人に捕まった。


「しまった!」


「きゃ!」


 氷雪人は二人を捕まえると掴まえた所から徐々に凍りだし氷雪人の足も地面の氷と繋がり固まった。

 やがて5体全員の氷雪人がパシオンとリーズを捕らえ、同様に動けなくした。

  

「さあ、これで逃げ場はないよ」

 

 私は二人にそう言うと上空に巨大な氷の礫を出現させた。

 巨大な氷の礫は悠然と浮かび二人の顔は焦っていた。


「くそ!【部分強化 両腕】!」  


「【操作 氷】!」


 二人は何とか氷雪人を砕こうとするが、この氷雪人は私の魔力で固めた為非常に頑丈になっている。

 そのお陰で二人は砕こうとするがびくともしない。


「くそ!何で壊れねぇ!」


「これでは不味いですわ!」


 氷雪人が砕けない事に二人は焦っていたが私はそんなこと知らんとばかりに容赦なく止めをさした。


「これで終わりだよ!」


ズゴォォォォン!!


 私は巨大な氷の礫を二人の所に落とした。

 氷の礫は勢いよく落下し凍った地面を砕き湖に落ちていった。

 落ちた衝撃がこちらにまで届きこちらの地面の氷にヒビが入ったが実害はなかった。

 

 衝撃が収まり氷の礫が落ちた所を見ると、地面の氷が砕け元の湖と化していた。

 湖の上には小さな氷や巨大な氷がぷかぷかと浮かんでいて二人の姿がなかった。


「私の勝ちだね」


 私はそう言って二人の居たところを見詰めた。 いつの間にか氷雪の陣を解けていて魔力も殆どない状態だった。

 ギリギリだったなと私は一息つきながら後ろを振り向こうとすると。

 突然湖が揺れ始めた。

 

 私は異変に気付き再び湖の方を向くと、氷の礫で開いた湖の穴からナティアが出てきた。


「流石に今のはヤバかったですわ」


「危うく死ぬ所だったぜ」


 ナティアがそう言うとパシオンは湖の上に浮かんでいる氷の礫によじ登りながら言った。

 二人が生きている事に私は驚いていた。


「二人とも、どうして............」


「氷の礫が落ちてくるのと同時に、私は氷雪人がくっついていた氷の地面ごと浮かばせてそれを盾にさせて貰いました」

 

「俺も似たようなもんだ」


 そう言う二人に私は絶句していた。

 やばい、もう魔力は殆どない。

 このままじゃやられる。


「といっても、流石に無傷ではありませんけど」


「体中がいてぇよ」

   

 見ると二人とも既に満身創痍だった。 

 これならあと一撃でいけるだろうか。  

 正直後一撃分の魔力しか残っていない。

 私はどうしたものかと考えていると、パシオンが提案しだした。


「正直俺は限界だ。だから後は全力の一撃で終わらせる」


「それもいいですわね。正直私も限界です」

 

 パシオンの提案にナティアも乗り勝負を後一撃で決める流れになった。


「いいよ、私もそれに乗った」


 そう言って私は巨大な杭のような形の氷を出した。大きさ先程の氷の礫程ではないが大きさかなりある。

 

「【部分強化 両腕】【部分強化 両腕】【部分強化 両腕】!!」


 パシオンは自分の両腕に三回の部分強化を掛けると私と同じくらいの大きさの氷を持ち上げた。


「【操作 氷】」


 ナティアは巨大な氷を持ち上げてその氷に高速な横回転を加えてた。


「さあ!これで最後だよ!」


「恨みっこ無しだぞ!」


「これで決めますわ!」


 私達はそれぞれそう言うと同時に氷を放った。


「いけぇ!」  

 

「喰らえ!」

 

「沈みなさい!」

 

 三つの氷が互いにぶつかり合い先程までとは比べ物にならない位の衝撃波を生み出した。 

 氷は互いに削り合い破片となって私達に襲いかかる。

 私は飛んでくる破片に耐えながらも何とか倒れない様に足を踏ん張った。


 やがて衝撃波が止みそこらじゅうに氷の破片が飛び散っていた。 

 私達三人はその場で立ち尽くしていた。

 既に体が限界でもう互いに一歩も動けなかった。


「また......勝てなかった」


 先に倒れたのはナティアだった。

 ナティアはその場に倒れ気絶した。


「くそ.....ここまでかよ」

  

 それからパシオンも同じ様に倒れた。

 二人は気絶し暫くした後回収されていった。  


“ナティア選手、パシオン選手戦闘不能。リーズ選手の勝利。残り人数4人”


 アナウンスの言葉を聞いて私は緊張の糸が切れたのか間もなくして倒れた。


 勝った。やっとあの二人に勝てた。


 私の頭の中はそれで一杯だった。  

 暫く自分の勝利に喜びを感じていると、やがて冷静になり意識が途絶えそうになるなかあることを思った。


 後は任せたよ。ケンヤ君。


“リーズ選手戦闘不能。残り人数3人”

ブックマーク、評価よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ