6話 スティール
朝起きて俺は制服に着替え、食堂に行った。
今日のメニューはスクランブルエッグにソーセージにサラダにパンか。
パンもいいんだが、たまにご飯が食べたくなるな。
そう思いながら食べていると
「隣、いいか?」
赤い髪に笑顔が眩しい爽やかな男が話しかけてきた。
「あー、いいぞ」
俺がそういうと、男は俺の隣に座った。
「俺はアラン・フォスカー。一応お前と同じクラスだ。よろしくな」
「ケンヤ・コドウだ。こちらこそよろしくな」
俺とアランはそれぞれ挨拶を交わした。
「おい、あれアラン・フォスカーじゃないか!」
「本当だ。国の騎士団長の息子で剣の天才と言われていて実力では既に騎士団長を追い越しているって噂のあのアラン・フォスカーか」
他の奴等がアランを見てヒソヒソと話をしていた。
騎士団長の息子で天才剣士か。
「お前凄え奴なんだな」
「只の噂だ。実力じゃまだまだだよ」
そう言ってアランは俺に微笑を浮かべた。いや、騎士団長追い越している時点でまだまだって。
その後俺とアランは雑談をしながら、朝食を食べた。
これが友達というやつか!
「なあケンヤ、お前がダグリー先生に勝ったってのは本当なのか?」
教室に向かう途中アランが聞いてきた。
「勝ったには勝ったぞ」
「まじかよ!!すげえな!!」
俺の言葉にアランは驚いていた。
「そんなに凄いか?」
「当たり前だろ。ダグリー先生は昔は名の知れた冒険者だったんだぞ」
あの人冒険者だったのか。まああの見た目だと教師より冒険者の方がしっくりするな。
「てかまず生徒が教師に勝つこと自体が珍しいんだよな」
「そうなのか?」
「あー、うちの教師達は殆どが昔名の知れた人達なんだ。それを学園長自ら勧誘しているんだ」
そうだったのか。知らなかった。
「それにしても今日の模擬戦は楽しみだな」
「模擬戦?」
「そういえばケンヤは知らなかったな。学園の授業の一環で模擬戦があるんだ。魔法あり武器有りの模擬戦で勝てばそのまま成績に反映されるんだ」
そんなのがあるのか。しかも成績に反映されるって結構シビアだな。
そんな話をしているうちに教室に着いた。
「おはようございます、ケンヤ様」
「おはよう、フィー」
教室に入ったらフィーが挨拶をしてきた。
「寮の方はどうでしたか」
「結構快適だぞ」
「そうですか、それは良かったです。私も寮生活をしてみたいです」
「したいならすればいいんじゃないか?」
「一応私も王女という立場ですので、それにお兄様が許してくれないのですよ」
「そういえばレックスはあれからどうなんだ?」
「そういえばあれからお兄様は少し変わりました。私が異性と話しても何にもいわなくなったんです。何故でしょう」
どうやら精神魔法(物理)は効いているみたいだな。俺がレックスに対してしたのはフィーの男性と話すのを好きにさせてやることだ。だからこれからフィーの思うようにできるだろう。
「なあ、ケンヤ」
俺とフィーの会話を聞いて、アランが言い出した。
「お前とフィーリアさんって本当にただの友達か?普通王女にタメ口ってどうなんだ?」
「フィーが良いって言ったんだからいいんじゃないか」
俺とアランがそんなことを言っていると
「おい貴様」
後ろから、青色の髪に人を見下すような目をした男が話しかけてきた。
「フィーリア様に馴れ馴れしくするな。下民の分際で」
話しかけといていきなり何だこいつ。
「何だお前?てか誰だ」
「俺はストール・バックス伯爵の息子スティール・バックスだ。もう一度言うぞ、フィーリア様に馴れ馴れしくするな」
何かめんどくさいのがきたな。
「そんなのお前が決めることじゃないだろう」
「下民がフィーリア様と話そうなどとおこがましい。身分を弁えろ」
何こいつ、ラノベとかに居そうな典型的な駄目貴族だな。
「誰と話すかなんてお前が口出す事じゃないだろ。身分ばかり気にしている堅苦しい貴族さんには言われたくないな」
「何だと、言わせておけば!」
スティールが俺に突っかかろうとした時
「おーし、席座れ」
教室にダグリー先生が入ってきた。
「ちっ!!」
それを見たスティールは舌打ちをしながら、自分の席に戻った。
めんどくさいのに絡まれたな。