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異世界行っても喧嘩上等  作者: サザンテラス
52/73

52話 やっぱりエグいな

「えー、それでは只今から始業式を始めます」


 夏期休暇も終わり司会の先生の指示の下始業式が始まった。

 この夏は合宿にダンジョンにデート等い色々あったが、楽しい夏期休暇だったな。


 ミルシーの事は俺がアレックスに話をつけ編入試験を受けて貰う事になったが、見事合格して俺達と同じクラスになった。


 実力の方も申し分なく、担当の先生を瞬殺した。

 先生の両足の所だけを回収して動きを封じた後に頭に瓦礫を落とす戸惑いのなさには引いたが本人は加減した方だという。


 まあ、確かに落としたのが棘じゃなくて瓦礫なのはミルシーにとっての手加減なんだろう。


「それでは学園長の話に入ります。学園長お願いします」


 司会の先生の指示に従って学園長は杖を突きながら階段を上がり教壇に上がった。


「この夏期休暇で生徒諸君は更に魔法に磨きをかけてきただろう。いよいよ異種学園魔闘大会も来週に迫り代表の生徒達も気合いを入れてきているだろうがーーーーーーーーーーーー」


 この後も延々と話が続いた。

 ほんとこの人の話は長いな。

 




ーーーーーーーーーーーーーーーーー






 何とか学園長の話も終わり無事に始業式が終わって俺達は教室で待機していた。 

 学園長の話が長かったせいか皆少し顔が疲れていた。


「学園長の話相変わらず長いな」


 アランも疲れた様子で言った。


「確かに長かったですね。よくあんなに話せるものです」

  

 ミルシーもアランに同意するように言った。

 ミルシーは学園長の話は初めて聞くからか慣れてないせいでぐったりしていた。

 

「あれは慣れだな」  


「確かにな」 


 俺とシルバはそう言った。

 てか、そう言うしかない。


「にしても、もうすぐだな。異種学園魔闘大会」


「いよいよって感じですね」


 確かにもうすぐだな。

 アランの言葉に俺はそう思った。

 

「私は出れないのは残念ですけど、しっかりと応援しますね」


 ミルシーは今日編入したばっかだから当然参加は出来ない。

 中間試験の時にいたら結果は変わっていたかもしれないが、言った所でどうしようもない。  


 しかし大会までの一週間どうしようか。

 大会まで【ジェミニグローブ】の使い方の練習をするのもいいが少し実践的な練習もしたい。


「なあ、これから練習場に行って少し特訓しないか?」

  

 俺は皆に提案した。

 こういうのは一人やり皆の方が良いし、何より練習相手がいるのはこちらとしても嬉しい。


「特訓か、俺はいいぞ」


「俺もいいぞ」


「私もいいですよ」


「やる」


「私もいいんですか?」  


 皆が了解している中、ミルシーが自分だけ代表じゃないからか遠慮していた。


「勿論だ。寧ろミルシーのエグさには良い練習になりそうだ」


「エグくないですよ!!」


 俺の言葉にミルシーは声を挙げ周りの皆は笑っていた。

 いやはや、つい言ってしまった。





ーーーーーーーーーーーーーーーー





 放課後になり俺達は練習場に向かった。


「あれ?ケンヤ君?」


 練習場に入るとそこにはリーズがいた。

 他にもガルドやレイカ等代表メンバーが勢揃いしていた。


「先輩達も大会に向けて特訓ですか?」


「そうだよ。やっぱりいてもたってもいられなくなってね」


「全員考える事は一緒みてぇだな」


 リーズやガルドは苦笑しながら言った。

 他の皆も顔を見合わせて苦笑していた。

 皆気持ちは同じか。

 

「ところでケンヤ君。そのこ誰?」


 リーズはミルシーを見ながら言った。


「今日から編入してきたミルシーです」


「初めまして、ミルシーです」


「私は三年のリーズだよ。よろしくね」


 リーズとミルシーは互いに自己紹介を終えて握手を交わした。


「にしても編入って珍しいね」


「訳あって国王様に頼んで編入させて貰ったんですよ。因みに強さは折上つきです」


「ほう、お前がそこまで言うとは余程強いんだな」


 俺の言葉にガルドはいち早く反応した。 

 それに俺は暫し考え込みいいことを思い付いた。

 ガルドにミルシーのエグさを体験して貰おう。


「はい、何なら試してみますか?」


「ほう」


 俺の言葉にガルドは目を細めてミルシーを見た。

 目付きが完全に変わったな。


「え!?ちょっとケンヤさん!?」


 俺の言葉にミルシーは驚いていたが俺はミルシーの肩に手を置き


「安心しろ。何時も通りにやっていれば負けることはないぞ」


「そういうことじゃないですよ!」


「おもしれぇ。やってやるよ」


「よし、ミルシー頑張ってこい!」


「え、いやちょっと!!」


 ガルドは練習場の中央まで歩き、俺はミルシーの背中を押しながら中央まで移動させた。

 途中何か言っていたが聞こえなかった事にしよう。


「さあ、どっからでもかかってきな」


 大剣を手にしたガルドは今だ狼狽えているミルシーにそう言った。

 

「仕方ありません。こうなったらやけです!」


 やけになったのかミルシーは地面に手を置きガルドの足元に落とし穴を作った。


「うお!?」


 突然の事にガルドは反応出来ず無様に落ちていった。

 どこまで落としたのかガルドの声が「うぉぉぉぉぁぉ........」と穴からコダマして聞こえる。


「ごめんなさい!」



 そう言ってミルシーは無数の瓦礫を穴の中に落とした。

 そこは岩と落とさない辺り流石に抵抗があったんだろう。 


 穴からは「え!?ちょっ!!やめ!!」と聞こえてくるがミルシーの瓦礫落としは止まることはなかった。

 何か岩を落とさないで瓦礫を落とす辺りが返ってエグいな。


 等々穴から声がしなくなり流石に不味いと思った俺はミルシーに止めるように言った。


「ミルシー、流石にもう止めとけ。このままじゃガルド先輩が埋まる」


「..........それもそうですね」

 

 俺の言葉によりミルシーはやっと瓦礫を落とすのを止めてくれた。

 先輩達はミルシーのやり方に言葉が出なかったのか絶句していた。  


 にしてもやっぱりあれだな。


「やっぱりミルシーのやり方はエグいな」


「やらせたのはケンヤさんですよ!!」


 いや、まあそうなんだけどな。

 この後は無事にガルドは救出され穴も元に戻した。

 あの模擬戦以来ガルドがミルシーの事を避けるようになったが、まあそうなるよな。


 特訓も先輩達とローテーションしながら模擬戦をするという形になり、中々有意義な特訓になった。



ーーーーーーーそして、一週間後。等々大会当日になった。

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