5話 レクス魔法学園
レックスとの模擬戦から翌日俺は学園に来ていた。学園の名前はこの国の名前で【レクス魔法学園】というらしい。
安直だな。
「ここが学園か」
俺の目の前には5階ぐらいまであろう白い校舎が並んでいた。
人族領内に一つしかない学園で、実力主義の為入るのが難しい。謂わばエリート校なのだ。
見た目は何か高校とあまり変わらないな。
ただ違うのはここの広さが異常だということだ。地図をみたが広さがそこら辺の小さな街並みにある。
学園の中に本校舎や寮、実習用の校舎、果てには闘技場まであるのだからしょうがないのかもしれないが。
この学園にも制服がある。紺色のブレザーにズボンにネクタイとこれもまた元居たところの制服と変わらないな。
ここで先ず入学試験が先月で終わってしまった為、編入試験を受けるため、正門の前で担当の人が来るのを待っていると
「ケンヤ・コドウ君だね」
スーツ姿でメガネをかけた人が話しかけてきた。
この世界にもスーツってあるんだな。
「初めましてこの学園の教師のアルバロス・マッキーリーです」
「どうもケンヤです」
互いに挨拶を済ませ俺は学園を案内された。
「ではこの中で編入試験を受けてもらいます」
そう言って通された部屋は体育館並みに広い所で、中央にガッチリした体格の男が一人立っていた。
「今からお前の編入試験を担当するダグリー・マーリーだ。試験内容は今から俺とお前が模擬戦をする。そこからお前の合否を判断する」
そう言ってダグリー先生は剣や槍などが入った箱を持ってきた。
「好きなのを選べ」
ダグリー先生がそう言ってきた。
「いや、俺は素手でいいです。素手での方がしっくりくるんで」
「そうか、じゃあ来い」
そう言ってダグリー先生は剣を構えた。
流石ここの職員だけあって構えに隙がない。
「それじゃあ、遠慮なくボコらせて貰います」
俺は手足に魔力を纏わせダグリー先生へと迫った。
その速度は予想以上に速くあっという間にダグリー先生の前に辿り着いた。
ダグリー先生は俺が一瞬でここまで来たのに驚いているのか反応出来ていなかった。
俺はそのままダグリー先生の顔を殴った。
ドガァ!!
「ぐぅぅ!!」
おもいっきり顔面にパンチをくらいダグリー先生は部屋の隅まで吹っ飛んでいった。
部屋が広いお陰で衝突は免れたな。
「そ、それまで!!試験はこれで終了です」
部屋の隅で見ていたアルバロス先生が慌てて止めに入った。
しかし、今の威力は凄かったな。少し魔力を纏うだけで、こうも違うんだな。
「取り敢えずお疲れ様です。結果は合格です。君には1-Aクラスに入って貰います」
どうやら合格みたいだな。しかもAクラスか。
この学園にはA~Eまでありぞれぞれ30人ずついるらしい。クラスは実力順に分かれている。つまりAクラスは一番いいクラスということだ。
「お前中々やるな」
いつの間にか起き上がったのかダグリー先生が顔を腫らしながら言った。
タフだなこの人。
「大丈夫ですかダグリー先生?」
腫れた顔をみてアルバロス先生が心配そうに言った。
「問題ない。教室にいくぞ。1-Aは俺が担任だからな、ついてこい」
そう言われたので俺は先生についていった。
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「ここだ」
俺は教室の前で立ち止まった。
「今はもう授業は終わっているから今日は紹介だけだ。それにお前にはこの後に寮にも行って貰うからな、俺が合図したら入ってこい」
そう言って先生は教室の中に入った。
「全員席につけ」
先生の号令に教室の生徒は席に着いたのと同時にざわつき始めた。
「先生、その顔どうしたんですか?」
クラスの誰かが顔が腫れたままの先生に質問した。
そりゃあ気になるよな。
「気にするな、それより明日から来る転入生の紹介をする。入れ」
ダグリー先生に呼ばれ教室の中に入った。
「どうも、ケンヤ・コドウです。よろしくお願いします」
俺は当たり障りのない普通の自己紹介をした。クラスを見回すと、フィーの姿が会った。
フィーもAクラスだったのか。
「ケンヤ様ー!」
フィーは俺に元気よく俺に手を振ってきた。
やめろ、恥ずかしい。
「何だあいつ、フィーリア様と馴れ馴れしくしやがって」
「どんな関係なんだ?てか何で様付け?」
「いつか制裁を下してやる」
クラスの奴等がヒソヒソと話し出した。
何か恐いこと言ってる奴がいるな。
「ちなみに俺の顔をこんなんにしたのはこいつだ」
先生の言葉にクラスの連中は驚きながら俺を見た。
それ言っちゃうんだ。
「今日の授業はこれで終了とする。各自勉強しとけよ」
そう言って先生は教室から出た。
クラスの人達は先生がでていくなり俺に質問をしてきた。
正直受け答えに戸惑った。
今まで友達なんていなかったからな。
「みなさん、その位にしときましょう。ケンヤ様が困ってますよ」
俺が困っているのを見て、フィーが助け船を出してくれた。
助かった~。
フィーの言葉にクラスの人達は俺に申し訳なさそうにしながら散っていった。
「ありがとな、フィー助かった」
「いえ、気にしないでください」
フィーにお礼を言うと
「ねぇねぇ、フィーリアさんとケンヤ君ってどんな関係なの?」
気になったのかクラスの人が聞いてきた。
その質問にフィーは
「ケンヤ様は私の命の恩人で、私のかけがえのない人(友人)です」
えぇぇぇぇぇぇ!!!
その答えに俺もクラスの連中もびっくりした。
あれ、俺とフィーってそんな関係だっけ?
それとさっきフィーリア様とかいってた奴等の殺気の籠った視線が痛い。
「かけがえのない人ってど、どういうこと?」
たまらなく気になったのかまたクラスの人が聞いてきた。
「どうもこうも友人としてですよ」
その言葉にみんな何だという感じになった。ついでに俺も。
「どうしたんですか?皆さん」
「フィー、誤解を招く言い方をするなよ」
「誤解?何の事ですか?」
フィーは不思議そうに言った。
「さっきの言い方だと恋人みたいに聞こえるぞ」
俺の言葉にフィーは顔を赤くした。
「こ、恋人!?わ、私そんな風に言ったんですか!!」
「あー、だから気を付けな。それじゃ俺はこれから寮の方に行かないといけないから」
「あ、はい!ではケンヤ様、また明日」
「あー、また明日」
そう言って俺は寮に向かった。
荷物は既に部屋に入れてあるので後は鍵を受けとるだけだ。管理人さんに鍵を貰い、部屋に入った。
中は思ったより広く一人で過ごすには充分過ぎるくらいだった。
机の上には教科書と、学生証、手紙があった。
手紙の内容はこの学生証の使い方が書いてあった。
どうやらこの学生証は自分のステータスを表示できるらしい。これがあれば他人にステータスを見せることが出来る。
中々使えそうだな。
学生証を机の上に置いて俺は食堂の方に向かった。
味は中々うまかった。
俺は一息つきそのままベッドにダイブし眠りについた。