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異世界行っても喧嘩上等  作者: サザンテラス
46/73

46話 ブラックドラゴン

「まじかよ.........」


「これは...........」


「そんな...........」


 アラン達は黒いドラゴンを見て完全に萎縮していた。

 この雰囲気は不味いな。 

 

「おい、てめぇら!!」


 俺はそんな三人を見て声を挙げた。

 俺が突然声を挙げた事に三人はビクッとなりながらこちらを向いた。


「何そんなしけた面してんだ!そんなんしてる暇があったらとっととあいつをボコして地上に戻るぞ!!」


 俺の言葉を聞いた三人は一瞬はっとなり顔色を変えた。


「それもそうだな!」


「うむ」


「やりましょうか」


 三人とも決心したのか完全に萎縮しなくなっていた。

 俺はフッと笑いドラゴンを見た。


「アラン、あのドラゴンってどんな魔物だ」


「あれはブラックドラゴンでランクSの魔物だ。闇魔法に耐性があって鱗はかなり堅い。だから斬撃や打撃などの物理攻撃はあまり効かないんだ」


 やっぱ、見た目通りな感じだな。


「だが、お前ならそんなの関係ないけどな」


 アランが俺のスキルの能力を思い出したのかそう言った。

 確かに俺のスキルの能力ならブラックドラゴンの鱗何か関係ないだろうな。

 

「まあな」


 俺はそう言った瞬間ブラックドラゴンが動いた。

 翼をはためかせ空を飛びこちらに向かってきた。


「いいか、俺達はブラックドラゴンに攻撃して何とか隙を作る。そこにケンヤが決める。それで行くぞ!!」


「あぁ!!」


「うむ!!」


「はい!!」



 俺達はそれぞれ返事をし、ばらばらに散開した。

 ブラックドラゴンは口を開き息を大きく吸い込むように首を反らした。 

 すると喉の辺りが少し黒く光だした。 

 もしかしてブレスか!!

 

「やらせねぇよ!フレイムメテオ!!」


 それを見たアランは頭上に炎の隕石を出現させ、ブラックドラゴンの頭にぶつけた。


「ギョアァァ!!」


 フレイムメテオがブラックドラゴンの頭に激突した瞬間ブラックドラゴンの頭が爆発し、ブラックドラゴンはブレスを止めうねり声を挙げた。

 効いているように見えるがブラックドラゴンは傷一つ付いていなかった。

 まじで頑丈だな。


「先ずは落ちてこい!!」


 そう言ってアランはまたフレイムメテオを出現させ今度はブラックドラゴンの背中にぶつけた。

 ブラックドラゴンはそのまま地面へと落下していき地面に足を着けた。


「ミルシー!」


「はい!」 


 シルバはブラックドラゴンの頭上へと跳躍し、ミルシーはそこに地面の棘を出現させた。


「風雅一閃!!」


 シルバは刀を逆さに持ち目にも止まらぬ速さでミルシーの棘を叩き落とした。

 棘はブラックドラゴンの頭に激突し、ブラックドラゴンの頭は地面へと叩き落とされた。


「今だやれケンヤ!!」


「あぁ!!」


 俺は予め手に火の属性付与をしてブラックドラゴンの頭へと移動し拳を構えた。


「死ねやぁ!!」


 ドゴォォォン!!


 俺の拳はブラックドラゴンの頭に直撃し、ブラックドラゴンの頭は地面にめり込んだ。

 地面が崩れブラックドラゴンは微動だにしなくなった。


 しばらく沈黙が走り、俺達は顔を見合わせた。


「やった、やったぞ!!」


「やりましたね!!」


「やったな!!」


 アラン達はブラックドラゴンを倒した事に歓喜し、喜びあっていた。

 確かによくやったな。

 皆の連携が上手くいったお陰だな。


「やったぞケンヤ!!お前のお陰だ!!」


 アランが俺の肩を組みそう言った。

 お前らさっきからそればっかだな。  


「いや、ブラックドラゴンの隙を作ったお前らお陰だ」


 俺がそう言うと三人は少し照れ臭いのかはにかむように笑った。

 しかし案外簡単だったな。俺のスキルが異常なのかもしれないが。


「おい、何かおかしくないか?」


「何がだ?」


 訝しそうに言うアランに俺は不思議そうに聞いた。


「ブラックドラゴンを倒したっていうのに宝箱も階段も出てこないぞ」


 アランにそう言われ俺は辺りを見渡した。  

 確かに何処にも宝箱も階段もない。


「どう言うことなんでしょうか?」


 ミルシーも疑問に思ったのか首を傾げた。

 宝箱や階段はその階層に出てくるボスを倒すと自然に現れるものだ。


 それが出てこないって事は.........。

 俺は嫌な予感がし、ブラックドラゴンを見た。

 ブラックドラゴンは今だ顔が地面に埋まっている。


 しかしよく見るとブラックドラゴンの体がピクリと動いた。

 やっぱりまだ生きてやがる!!

 俺は直ぐに止めを刺そうとしたがブラックドラゴンの首が黒く光った。

 あれはやばい!!


「全員伏せろ!!」


 俺はそう叫び身を伏せた。

 アラン達も何が何だかよく分かっていなかったがしっかりと身を伏せた。


 その瞬間ブラックドラゴンの周りの地面が爆発し、地面が崩れた。

  

「ギャアォォォォ!!」


 崩れた地面からブラックドラゴンの首が這い出て高々と怒りの咆哮を挙げた。

 完全に怒ってるな。


「う、嘘だろ........」


「まさか............」


「そんな.............」


 信じられんと言わんばかりにアラン達はブラックドラゴンを見た。


 ブラックドラゴンは俺達を睨み付け尻尾を鞭のように回してきた。


 俺は咄嗟にしゃがんで尻尾を回避したが、アランとシルバとミルシーはさっきの事で反応が遅れたのか尻尾を諸に受け壁へと吹き飛んだ。


「アラン!!シルバ!!ミルシー!!」


 俺は三人の名前を呼んだが返事がなかった。

 見れば三人は気絶していて戦闘不能になっていた。 

 くそ!こいつよくもアラン達を!!


「やろう!!」


 俺は足に風の属性付与をしてブラックドラゴンの周りを高速で移動してブラックドラゴンを翻弄した。

 俺はブラックドラゴンの後ろへと移動し拳を構えた。

 

「どらぁ!!」  


 拳はブラックドラゴンの後頭部へと直撃しブラックドラゴンの顔は前のめりになった。

 だが前のめりになっただけでブラックドラゴンは少し顔を横に振りまた元に戻った。

 防御無視してもこれかよ!!


 俺はそんなブラックドラゴンに悪態つくと、今度はブラックドラゴンがブレスを吐こうと首が黒く光だした。

 

 俺は避けようと移動しようとしたが後ろにはアラン達がいた。

 やばい!!このまま避けたらアラン達に当たる!!


 俺は避けるのを止め迎え撃つ事にした。

 無効化することも出来るかもしれないが俺のスキルは魔法を無効化するものであり魔法でないものは無効化できない。


 だから魔法かも分からないブレスを迎え撃つのは危険だ。

 俺は左手で全力のファイアーボールを出して右手に火の属性付与をして拳を構えた。


「グギャァァ!!」


「大火炎弾!!」


 俺とブラックドラゴンは同時に打ち出した。

 黒色の炎と巨大な炎の玉が互いにぶつかり合い、黒と赤の炎が混ざり合うように絡み合い相殺した。


 衝撃波が熱気となって伝わり、俺は吹き飛ばされそうになるも何とか堪えた。

 ブラックドラゴンも熱気の籠った衝撃波に若干気圧されたが直ぐに体勢を立て直した。


「さて、どうにかしたが.......」


 一先ず危機が去り俺は一人小さくそう呟いた。

 スピードは風の属性付与を使えば俺の方が分がある。勝つには終炎の時間(バーニングタイム)を使えば確実に倒せるがあれを使うと逆に素早さがたりない。


 どうにか二つを一つに出来たらいいんだが。

 俺は一人そう考えているとブラックドラゴンがまたブレスを吐く体勢に入った。

 くそ!考えている暇はないな。

 どうする!各なる上は一か八かあれをやるしかないか。


 俺は今にもブレスを放とうとしているブラックドラゴンを見て覚悟を決めた。

 やらなきゃこっちがやられる。

 俺は全身に風の属性付与をしてブラックドラゴンの頭上へと跳躍した。


「こっちだ蜥蜴野郎!!殺れるもんなら殺ってみろ!!」


 俺は大声で叫ぶとブラックドラゴンは上を向いてブレスを放った。

 俺は風の属性付与を解いて


 今度は全身に全力(・・)で土の属性付与をした。


 普通なら土の属性付与は周りに土煙のような物が纏わりつくだけだが、これは全身に土が纏わりつきまるで岩のようだった。 


無敵の鉄壁パーフェクトプロテクト


 俺は手を顔の前でクロスし受け身の体勢を取り、俺はブレスの中へと飛び込んだ。


 熱!!くそ!こんだけしてもこんだけ熱いのかよ!!


 ブラックドラゴンのブレスの熱さに俺は悪態つくが俺はどうにか耐える。


 もう少し、もう少しだ。


 俺はブレスを浴びながら段々とブラックドラゴンへと近付いていった。

 

 すると俺の手に何やら固い物が当たる感触が伝わってきた。


 来た!!


「グガァ!?」


 俺はブレスを吐くブラックドラゴンの開いた口を手足で更にこじ開けた。

 あまりの事にブラックドラゴンは驚きブレスを止めた。

 俺はその事にチャンスとばかりににやつき右手をブラックドラゴンの口の中に向けた。


 外が駄目なら中だろ!!


「そんなに口を大きく開けて欲しけりゃくれてやる!!火炎弾!!」 


 俺はブラックドラゴンの口の中に火炎弾を思いっきりぶちこんだ。

   

「グギャアォォォォ!!」


 ブラックドラゴンは口から煙を出しながら地面に転がりのたうち回った。

 地面を転がるブラックドラゴンは次第に落ち着き俺を睨み付けた。だがまだ動けないのか首が垂れたままだった。


 俺はそれを見たまだ終わっていないと思い止めを刺すべく終炎の時間(バーニングタイム)を発動させた。


「いい加減くたばれや!!」


 俺は荒々しく燃える右手をブラックドラゴンの顔へと直撃させ、ブラックドラゴンの顔が潰れた。

 その瞬間宝箱と下の階へと続く階段が現れた。

 俺はそれを確認すると終炎の時間(バーニングタイム)を解除しその場に座り込んだ。


「はー、しんど」 


 俺は一人そう呟いてブラックドラゴンを見た。

 中々厄介だったな。まさかここまで苦戦するなんてな。

 まあ、俺の方も色々と欠点があったんだけどな。

 

「っと、今はそんなことより」 

 

 俺は立ち上がりアラン達の方へと向かった。

 勝利報告しないとな。

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