40話 ロックゴーレム
それからも俺達はダンジョンの攻略を続けた。
魔物や罠に出くわしながらも俺達は第七階層、八階層をクリアし、第九階層に辿り着いた。
途中宝箱も見つけたが中は売ったら金になりそうな宝石とか大量の普通の剣が入っていたりと色々と見つける事が出来たが、ここで俺達はある事に気付いた。
「物を持ち運ぶ袋を持ってくるの忘れた」
その事に気がつき俺達はしまった!!という感じになり、仕方ないので宝は置いていく事にした。
折角宝が目の前にあるのに!
流石に何も持っていかないのもあれなので、俺達は持てるだけ持って後は置いてきた。
「いやー、ダンジョンが楽しみで忘れてたな」
「俺もだ」
アランとシルバは若干明るくなりながら言った。
この二人も宝を置いていく事に抵抗があったようで無理して笑っているのがよく分かる
半ばやけくそだな。
そんなことがありながら俺達は更にダンジョンを進んでいき、第九階層を歩いていた。
魔物はオーガやゴブリンの上位種であるゴブリンデーモンが生息していた。
だか、それでも俺達の敵ではないのでまだ苦戦するほどでもないな。
「そういえば、第十階層にいるボスって何なんだ?」
俺はふと思いアランに聞いてみた。
「確か冒険者達によると三メートル位のゴーレム一体らしい」
ゴーレム?ゴーレムってあの石とかで出来た奴か?
「ゴーレムって石とかで出来た魔物か?」
「そうだ。ゴーレムと言っても種類が沢山あるが、まだ第十階層だから多分一番弱いロックゴーレムだろうな」
種類が沢山あるのか。
ロックってことはアイアンやミスリルとかもいるのかな?
「やっぱり防御力が高いのか?」
「あぁ。どんな種類のゴーレムも全員が防御力が高く、物理攻撃で倒すのはほぼ無理なんだ」
何か俺にとっては嫌な相手だな。
物理攻撃が効かないって事は魔法でやるしかないのか。
これまた面倒な相手だな。
そんな話をしている内に下へと続く階段を見つけた。
どうやら第九階層はここで終わりのようだ。
「いよいよ、第十階層だな」
アランが息を飲みながら言った。
第十階層はいよいよボスであるゴーレムが待ち構えている。
緊張もするだろう。
「第十階層にはさっきも言ったボスであるロックゴーレムがいる。絶対に勝とうぜ」
「あぁ」
「うむ」
アランの掛け声に俺達はそれぞれ頷き第十階層へと入った。
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第十階層は特に変わった事もなく俺達は奥へ奥へと進んでいった。
魔物の強さも変化はなく、罠に関しても特に変わった事はなかった。
意気込んだ割りに変わらなさすぎて何か拍子抜けだな。
俺達は更に奥へと進むと思わず見上げてしまうくらい大きな扉を見つけた。
見た目完全にボスの扉とじゃん。
「おい、アラン、あれって」
俺は大きな扉を指差してアランに聞いた。
「ボス部屋への扉だな」
やっぱりか、そうだろうと思ったよ。
俺達は扉の前まで行き、少し作戦会議をした。
「いいか、前にも言ったがゴーレムはとにかく防御力が高い。特に物理攻撃に対しては特にな。だからここは距離を取って魔法を主体で攻めよう」
「分かった」
「うむ」
アランの作戦に俺達は了解し、扉を開け中に入った。
中は体育館並みに広い部屋があり、真ん中に石で出来た高さ三メートルの魔物がいた。
あれがロックゴーレムか。
「ゴゴォォ!!」
ロックゴーレムは俺達を見て吠えた。
口もないのにどうやって吠えているんだろうか。
「それじゃあ、作戦通りに行くぞ!」
アランの言葉と同時に俺達は三方向に散らばりながら魔法を放った。
「フレイムメテオ!」
「火炎弾!」
「風斬波!」
俺達はゴーレムに一斉に攻撃し、全て直撃した。
アランのフレイムメテオでロックゴーレムは煙に包まれた。
煙が晴れると、そこには最初いた位置から一歩も動かず仁王立ちしたロックゴーレムがいた。
まさかのノーダメージか?
だがよく見るとロックゴーレムは若干呻きながら震えていた。
所々体にもヒビが入っている。
どうやら攻撃はちゃんと聞いているみたいだな。これならこのままいけば倒せるな。
「よし、効いてるぞ!このまま押しきるぞ!」
アランもこれならいけると確信しているようだ。アランの言葉に俺達は無言で頷いた。
俺は勝利の兆しが見え余裕が出来たのか冷静になり、不信に思った。
簡単すぎる。
仮にも第十階層とはいえボスだぞ。
こんな魔法だけで倒せるような相手なのか?
俺は不信に思いつつロックゴーレムの方を見ると、ロックゴーレムは震えながら俺達を見た。
するとロックゴーレムの石の体がどんどん赤くなっていった。
「ゴゴォォォ!!!」
「何だあれ!?あんなん聞いてないぞ!!」
この事はアランも予想外だったのか驚いていた。
ロックゴーレムはまるで熱を帯びているように身体中から煙を出しながらアランの方を向いて体勢を屈めた。
あれはやばい!!
「アラン、避けろ!!」
俺の言葉と同時にロックゴーレムは目にも止まらぬ速さで飛んでいった。
肩を突きだし完全なるタックルの体勢だった。
「がぁ!!」
予想外の動きにアランは対応出来なかったのかロックゴーレムの攻撃をもろにくらい、そのまま壁の方に激突し、壁が破壊され土煙を出した。
なんちゅう速さだよ!!
「アラン!!」
「大丈夫か!!」
俺とシルバはアランが吹っ飛ばされた方へと急いだ。
土煙が晴れそこにいたのはボロボロになっていたが何とか意識を保っていたアランとそれを見下ろすロックゴーレムがいた。
ロックゴーレムは拳を振り上げ止めを刺そうとしていた。
アランは思うように動けずそのままじっとしている。
このままじゃやばい!!
「シルバ!俺が時間を稼ぐからアランを頼む!」
「任せろ!!」
俺は足に風の属性付与をしアランの元へと急いだ。
物理攻撃は効かないだろうが何もしないよりましだ!!
「おい石屑野郎!!ボコしてやっからこっち向け!!」
俺の言葉が届いたのロックゴーレムの拳が止まりこちらを向いた。
俺は意識をこっちにそらす為ロックゴーレムの顔を殴った。
ドゴォォォォン!!
「......あれ?」
殴った瞬間ロックゴーレムの顔は粉々に砕け、そのまま倒れた。
あれ?倒した?
ロックゴーレムって物理攻撃で倒すのはほぼ不可能なんだよな。
いや、まずそれよりアランの方が先だ。
「アラン大丈夫か?」
俺はアランの体を起こしながら聞いた。
「あー、何とかな。咄嗟に魔力を体に全力で纏っておいて正解だったな」
アランの声は小さく体もろくに動かせない状態のようだ。
よくあの場面で咄嗟にできたな。
「取り敢えず治療するぞ」
俺はアランの体に手を置き、光の属性付与をアランに施した。
アランの体は光に包まれ、やがて傷が消えていった。
これ、結構魔力を持ってかれるな。
傷が完全に消え、自分の体が動くことにアランは驚いていた。
「い、今のはどうやったんだ?」
「光の属性付与だ。俺は魔力が多いから便利なんだよな」
「便利という言葉だけで済ましていいのかそれ」
他にいいようがないしな。
治ったんだから細かいことは気にするな。
「にしても、さっきのは何だったんだ?あんなん冒険者達に聞いたことないぞ」
さっきの攻撃にアランは顔を苦くして言った。
「多分あれはロックゴーレムの特性だ。ケンヤとアランの魔法でロックゴーレムの石が熱され一時的に強化されたんだろう」
シルバがそう言った。
そんな特性なんてあるのか。
確かに俺とアランは火魔法を使ったな。
それで体の石が焼かれて焼き石みたいになったのか。
単に運が悪かったな。
「それよりケンヤよ、さっきはどうやってロックゴーレムを倒したのだ?」
「そうそう!俺も気になってたんだよ!」
シルバの問いにアランも便乗するように言った。
そういえば何で倒せたんだ?
俺は暫く倒せた原因を考えた。
あ!そうか!
【喧嘩上等】スキルの防御力無視か!!
そうか、それで倒せたのか。
確かにそれがあればロックゴーレム何てただの石だな。
そりゃあ、砕けるわ。
「俺のスキルには防御力無視の効果もある。それのせいだろ」
俺の言葉に二人は暫く固まってアランが急に俺の肩を掴んだ。
「お、お前それ他の奴にも教えたのか!?」
「いや、言ってない」
俺がそう言うとアランの俺の肩を掴む力が緩んだ。
シルバもそれを聞いてホッとしていた。
「そうか、ならいい。ケンヤ、その力は他人には教えるなよ。何に使われるか分からないからな」
そういうことか。
俺は自分の力は他人言うもんじゃないから言ってないだけだったが、言わなくて正解だったな。
「何にせよ、これで第十階層はクリアだな」
「そうだな」
「うむ」
俺の言葉に二人は嬉しそうに頷いた。
周囲を見渡すとロックゴーレムが倒されたからか部屋の真ん中に宝箱と下へと続く階段が現れた。
俺達は真ん中に行き、先ず宝箱を開けた。
そこには茶色い小さな袋があった。
宝箱を開けた途端、それが何なのか俺の頭の中にその袋の情報が伝わった。
おいおいまじか!
「これ、無限収納袋だ」
「まじかよ!当たりだぞそれ!!」
「やったな!」
アランとシルバも無限収納袋が出てきたことに喜んでいた。
これで宝箱が出ても置いていく事になることはないな。
いい物を手に入れた。
今日はこれまでにして第十一階層で転移結晶に登録してから帰ろうという話になった。
それと無限収納袋は俺が持つことになった。
今回ロックゴーレムを倒したのは俺だから、俺が持つべきらしい。
俺は腰に無限収納袋をぶら下げ第十一階層へと降りた。
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