32話 裸の付き合い
長めです。
「ふあ~、疲れた~」
午後の特訓も終わり、俺は合宿所にある露天風呂に入っている。
午後は砂浜での走り込みや各々の魔法の強化、複数人で同時に模擬戦をしたりした。
意外とハードな特訓に、俺やアラン達男性陣は兎も角女性陣が辛そうだった。
今頃は風呂に入ってゆったりしているだろう。
「今日は疲れたな」
「だが中々有意義なものだったな」
俺の隣にいるアランとその隣にいるシルバが言ってきた。
「三人とも今日はお疲れっす」
「...........お疲れ」
シグマとクロークが俺達に労いの言葉を掛けてきた。
クロークはローブこそ被っていなかったが頭巾の様なものを顔に被せていた。
そこまでするんだ。
「先輩達もお疲れ様です」
「クローク先輩はどうして顔を隠したがるのだ?」
アランの言葉の後にシルバが直球な質問をクロークにした。
デリカシーってものがないのだろうか。
「............顔ばれ、嫌だ」
どうやらただ顔ばれするのが嫌なだけみたいだった。
「ははは、クロークは恥ずかしがりやっすね」
シグマはクロークに苦笑していた。
「にしてもケンヤ後輩は強いっすね。まさか、会長に勝つなんて思わなかったっす」
「それは俺も驚いたな」
シグマの言葉にケイトが賛同した。普段は眼鏡をしている彼だが、風呂に入ると眼鏡を外している為一瞬誰だと思ってしまった。
「ふん!まあ多少は使えそうだな」
「負けておいて何言ってんだよ」
またツンデレみたいになっているガルドにユリウスは呆れていた。
「あ、あれは手加減しただけだ!!負けじゃねぇ!!!」
「はいはい、そうだな」
叫んでいるガルドをユリウスは適当に流した。
俺達はそれを苦笑しながら見ていた。
「ケンヤも凄いがお前達も中々強かったな」
ケイトがアランとシルバを見てそう言った。
俺が目立って分からなかったかもしれないがアランやシルバも実力は相当ある。
模擬戦には負けていたが本気を出せばどうなるか分からないし、普通に上級生に勝てる実力は持っていると思う。
「確かにそうっすね。二人とも一年生にしては大した実力っすね」
「..............中々良かった」
シグマとクロークも二人を見てそう言った。
「いや、俺なんてまだまだですよ」
「まだケンヤには遠く及ばない」
アランとシルバは謙遜していた。
てか、何故そこで俺をだした。
「二人はケンヤを目標にしているのか?」
「はい!俺はあいつに絶対勝つって決めてるんです」
「ケンヤは俺が倒すべき目標だからな」
ケイトの問いにアランとシルバは俺を見てそう言った。
俺そんな風に見られてたのか。
「はっ!!その前に俺が倒すけどな!!」
アランとシルバの言葉を聞いてガルドがそう言った。
「それって負けを認めたってことか?」
「ばっ!ち、違ぇよ!!」
ユリウスの言葉にガルドは怒鳴りながら言った。
俺達はそれを笑いながら見ていた。
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「ふ~、気持ちいいですね」
午後の特訓で疲れきっていたフィーはお風呂に浸かって体を癒していた。
普段訓練はしていたが元々体力に自信がなかったフィーは午後の特訓では相当辛い思いをしていた。
「じー」
体を伸ばしているフィーにアイはフィーのある部分に注目していた。
「ど、何処見てるんですか!?」
「やっぱり大きい」
両手で胸を隠しているフィーにアイは自分の胸に手を当てながら羨ましそうに見ていた。
「確かに大きいわね」
「.......ずるいです」
レイカやリグレットも自分の胸を見て悲しそうにしていた。
「まあまあ、胸なんてなくてもレイカちゃん達は可愛いよ」
悲しそうに見ていたレイカ達をリーズが励ました。
「会長に言われても......」
「嫌味にしか聞こえないです」
だがそれはあまり効果がなく、逆に更に落ち込んでしまった。
リーズの体も少し小柄でも出るところが出ていてスタイルが良い。
流石のリーズもこれには何も答えられなかった。
「ケンヤも、大きい方が好きなのかな?」
自分の胸を見てアイが小さく呟いた。
「だ、大丈夫ですよ。ケンヤ様はそんなこと気にしませんよ!」
フィーはアイを慰めるように言った。
「あんた達って本当にケンヤが好きなのね。いったいどんな所が好きなの?」
「あ!それ私も気になる!」
「そういえば聞いた事がなかったわね」
「面白そうですね」
「聞かせて!!聞かせて!!」
そんな二人を見てレイカが二人に質問し、他の女子達も聞きたいとぞろぞろ集まってきた。
「え、何処を好きかっていわれても....」
フィーは顔を赤くして恥ずかしそうにしていた。
「多すぎて何処から言えばいいか分かりません」
その答えにレイカ達は苦笑しながらフィーを見ていた。
「そ、そうなんだ」
「まさか、そこまでだなんてね」
流石にそこまでケンヤにご執心だとはレイカ達は想像していなかったのか反応に困っていた。
「じゃ、じゃあアインちゃんは?」
いまだ恥ずかしそうに手で顔を隠しているフィーを置いて、今度はアイに聞いた。
「ケンヤは強くてカッコいい」
アイの答えにレイカ達は微妙な表情をしていた。
「う~ん、強いのは分かるけどあれってカッコいいのかしら?」
「逆に最初見たときは目付きが怖かったです」
強いのは認めるがケンヤがカッコいいというところに、レイカ達はあんまりピンと来ていなかった。
「ケンヤは目付きが悪いだけ」
「そうです!ケンヤ様は目付きが悪いだけです!!」
何時の間にか立ち直っていたフィーとアイがレイカ達に必死に抗議した。
(((((目付きが悪いのは認めるんだ)))))
フィー達の抗議にレイカ達は全員そう思った。
「ケンヤ様は只目付きが悪いだけでいいところは一杯あるんですよ!!」
「わ、分かった。分かったからそんなに顔を近づけないでよ」
どんどん顔を近付けてくるフィーにレイカは気圧されながらもフィーを宥めた。
「ま、まあ、カッコいいかは兎も角」
「ケンヤ君が二人に愛されているっていうのは分かったね」
結局ケンヤがカッコいいというのが認められなかったが、二人がいかにケンヤが好きかは伝わったレイカ達だった。
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「くっしゅん!!」
「どうした?」
「何か噂されている気がする」
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