13話 断れませんでした
急な少女の頼みに俺は戸惑った。
「えっと、その前にお前は?」
「.....Bクラス、アイン・メダル」
アインは無表情のままそう言った。
ん?ちょっと待てよ。
「メダルってことは...」
俺は今だ治療されているシルバを見た。
「......私の兄」
まさかの兄妹でしたか。
にしても余り似てないな。少し厳つい無愛想のシルバと違ってアインは無表情だが顔は間違いなく美人に入るだろう。クール美人って奴だろうか。
「じゃあ、アインは何でまた俺に勝負を?」
「うちのお兄倒した。ケンヤうちのお兄より強い。それだけじゃ駄目?」
何だろう。性格はシルバに少し似てるな。
「つまり俺がシルバより強いと分かって戦いたくなったってこと?」
俺がそう言うとアインはこくりと頷いた。
この子もかなりの戦闘好きだな。
「いやでも、今更決闘とか認められないだろう」
そう言って俺は先生の方を見た。
「こんな事例はないが問題はない」
あ、出来るんだ。
「ケンヤ、私と勝負する」
アインが迫ってきた。
「い、いやでもなぁ」
正直無意味な決闘はこれ以上避けたい。
また後でアラン達になんて言われるか......。
「勝負する」
「いや、あのなぁ」
「勝負する」
「これ以上無意味な決闘は」
「勝負する」
「いや、だからな」
「勝負する」
「...........はい」
俺が諦めて了承するとアインは若干頬を緩めて嬉しそうにしていた。
面倒な事になったなぁ。
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「.....で、決闘を受けたと」
「........はい」
「はあ、ケンヤ、お前馬鹿か?」
何んかさっきもこんなやりとりあったな。
「いや、断るに断れなくて、つい」
「ついじゃないだろう。お前、自分の今いる状況分かってるのか?クラス降格一歩手前だぞ。何自分で首を締めるような真似してるんだよ」
アランは呆れ果てていた。
正直自分でも呆れている。
「まさか、決闘を二回も受ける人が出てくるなんて」
「うむ、まさかこうなるとはな」
フィーは俺の二回連続で決闘を受けたことに驚いていた。
やっぱり二回も受ける奴なんて馬鹿な真似する奴なんていないよな。俺以外。
ていうか、
「シルバ、お前何時の間に」
「ついさっきな。ケンヤ、さっきの決闘は楽しかったぞ。またやろう」
そう言って、シルバは手を出してきた。
「俺も久しぶりに楽しかったぞ。それより悪かったな。大事な刀を折っちゃって」
「気にするな。予備はある。それにまた修理すればいい」
「そうか」
俺はシルバの手を取り握手を交わした。
何かこういうのいいな。男の友情みたいで。
「それよりも、あのアイが決闘を申し込むとはな」
シルバは以外そうに言った。
「そんな珍しいのか?」
「あぁ、アイは実力は確かだが自分から決闘なんてするような奴ではない。余程お前が気に入ったんだな」
あんま嬉しくない好かれ方だな。
「にしてもシルバの次はアインか....」
「また厄介な相手ですね....」
アランとフィーは考え込むように言った。
「そんな強いのか?」
「あぁ、アイは俺より強いぞ」
シルバは確かにそう言った。
まじかよ、シルバより強いのかよ。
「あいつはなケンヤ。お前と同じユニーク使いだ」
アランが言った。
「ユニーク使い!?」
俺以外にもユニーク使いがいたとは。別にユニークスキルを持っている奴は少なくないと聞いたが、初めて俺以外のユニーク使いがいて俺は驚いた。
「そうです。アインさんはシルバさんと同じ刀という武器を使い、ユニークスキルである【雷操作】を使えるんです」
雷操作か。なんか強そうだな。
「そのお陰でアイは我が家では負けなしだった。俺もよくアイに挑んだが戦い方の相性が悪いのか後少しのところで勝てないんだ」
そんなに強いのか。これは少し気を引き締める必要があるな。
俺がそう思っていたら、アランが審判である先生に呼ばれた。
「おっと、俺の出番みたいだな」
「頑張れよ、アラン」
「頑張ってください」
「油断しないようにな」
「おう!行ってくる」
俺達はアランの模擬戦を観戦した。相手はCクラスの槍使いの生徒だったが、終始アランが圧倒していた。
アランは剣術と火魔法を巧みに駆使してペースを握り勝利を納めた。
「勝者!アラン・フォスカー!!」
軽く勝利しアランは俺達の所に戻ってきた。
「お疲れ」
「やりましたね」
「中々やるな」
「まあ、ざっとこんなもんだ」
アランは嬉しいのかどや顔で言った。
次にフィーが呼ばれた。
「それでは、行ってきます!」
「気を付けてな」
「自信持って行きな」
「油断は禁物だぞ」
そう言って俺達はフィーを見送った。
フィーの相手は俺達と同じAクラスの生徒だった。
相手がフィーで若干相手は緊張していたが、動きは流石Aクラスといった感じだった。
フィーは基本魔法による遠距離攻撃が得意なので相手と距離を取りつつうまく立ち回りながら相手に攻撃し、見事勝利した。
「勝者!フィーリア・レクス!!」
勝利したフィーは嬉しそうにしながらこっちに向かってきた。
「やりました!勝ちました!」
「やるな、フィー」
「流石王女さんだな」
「中々な身のこなしだったな」
俺達はそれぞれフィーを称賛した。
これで生徒全員一回ずつ模擬戦は済んだかな。
因みにたまたまスティールの試合を見たら勝っていた。まあ、実力はあったらしいから当たり前か。
「次!ケンヤ・コドウ!アイン・シルバ!前に出ろ!!」
「おっと、呼ばれたな」
「気をつけて下さい、ケンヤ様」
「油断するなよ」
「アイの攻撃に注意しろよ」
三人に送られ、俺はアインが待つ模擬戦の試合場まで急いだ。
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