11話 決闘
「.....で、決闘を受けたと」
「.....はい」
「はあ、ケンヤ、お前馬鹿か?」
翌日、実技試験は会場である闘技場を何個かに分けて同時に戦うらしい。俺は観客席で呼ばれるまでアランとフィーに昨日の事を話た。
「ケンヤ様.....」
この事に流石に呆れたのかアランは溜め息をつき、フィーは何とも言えない表情をしていた。
「悪い、馬鹿だったな」
「馬鹿なのは認めるが後悔はしていない」
俺は開き直るように言った。
「あのなー、ただでさえお前は赤点確実でやばいのにあんな誰も受けないだろう決闘を受けるなんて何考えてんだよ」
ぐっ!そこを言われると痛いな。
「いや、相手があんなに必死に頼んできたら断れないだろ」
「だとしても、もっと先の事を考えて言えよ」
「しかもそのお相手があのシルバさんとは....」
フィーは困った顔をしながら言った。
「そんなに凄い奴なのか?」
「あー、あいつはBクラスではあるが実力は間違いなくAクラス並だろう」
「どういうことだ?」
「入学試験の内容が運悪く自分の実力がうまくだせずにBクラス以下になったって奴がたまにいるんだ。シルバもその一人だ」
「シルバさんは刀という武器を主体にした攻撃を得意にするらしいんですけど、入学試験は魔法適正を測ったり魔法による実技試験が主だったので本来の実力がだせなかったのです。」
この世界にも刀があるんだな。それじゃあ今のクラスはの本来の実力順になっていないのか。
ん?ちょっと待てよ。
「俺編入試験の時魔法適正なんて測らなかったぞ」
「あの編入試験は特別らしいですよ。何でもお父様が魔法適正があろうがなかろうがケンヤの実力なら申し分ないから魔法適正は測らないで、代わりに実技試験をしてもらうって言ってました」
あの王様そんなことしてたのか。しかも適正試験いらない程の実力か...。わかってるな王様。
「といってもあいつはユニーク使いだから測っても糞低いだけだから測っても意味ないとも言ってました」
前言撤回あの野郎後で覚えとけよ。
「まあ、なっちまったものはしゃあない。やれるだけやるさ」
「それもそうだな。ここで言ったってしょうがないしな」
「そうですね」
俺の言葉にアランとフィーは同意した。
「次、ケンヤ・コドウ!シルバ・メダル!前に出ろ!!」
するとフィールドの方で審判らしき先生の声が聞こえた。
「どうやら出番みたいだな」
「頑張れよ」
「頑張ってください!ケンヤ様!」
「あー」
二人に送り出され俺は呼ばれた方へと向かった。
そこには既にシルバが待ち構えていた。
ふと観客席の方に目を向けると昨日見た銀髪の少女がいた。こちらをずっと見ている。観戦だろうか。
「待っていたぞ、ケンヤ」
「待たせて悪いな」
「気にするな、俺はこの戦いが楽しみで堪らなかったぞ」
「奇遇だな、俺もだ」
軽い話を済ませ俺はシルバの装備をみた。
見た目は特に変わったところはないが腰には刀が差してあった。
本当にあるんだな。刀。
俺がシルバの刀をじっと見ていると、
「どうした?さっきからじろじろ見て」
「いや、随分と珍しい武器を持っているなと思ってな」
「ん?これか?これは我が家で作った刀だ。昔御先祖が知り合いに譲ってもらったらしく、以来真似て作ったのが始まりらしい」
譲ってもらった?てことはその知り合いは俺と同じ異世界人だったりするのか?...........まさかな。
「私語はそこまでにしろ。そろそろ試験を始める」
審判の先生の言葉に俺とシルバは私語をやめた。
「ルールは武器、魔法は有り。相手を先に気絶、または降参させた方の勝ちとする。わかってると思うが殺しはなしだ。尚、今回は決闘の申請もだされているのでもしこの決闘でシルバ・メダルが勝てばクラスは入れ替えとなる。両者問題はないな」
「あぁ」
「うむ」
先生の言葉に俺とシルバは頷いた。
「それでは両者、始め!!」
先生の合図で俺とシルバの決闘が始まった。
「行くぞ、ケンヤ!」
「来いよ。ボコボコにしてやっからよ」
シルバは刀を抜いて構えた。
するとシルバの周りから風が吹き出してきた。
「ジェットウィンド!」
風をシルバの後ろで噴射させ、俺に接近してきた。
一瞬にしてシルバは俺の目の前まで間を詰め、刀を振り下ろした
。
「!!!」
俺は咄嗟にしゃがんで紙一重で避わした。微かに俺の髪の毛が切れた。
そこから俺は後ろを振り向きながらシルバの脇腹に一撃をいれようとした。
だがそれに気付いたのかシルバは風を噴射させ俺と距離を取った。
「逃がさねえ!」
俺はそこからシルバに一瞬で追い付き、拳を振り下ろした。
「くっ!!」
距離を取って少し安心したのかシルバは驚いた表情をしたが、俺の拳を刀の腹で受けとめ衝撃を殺すように後ろに飛んだ。
俺は足を止めシルバの方を見た。
「中々やるじゃねぇか、シルバ。正直最初の攻撃は驚いたぞ」
「いや、俺も驚いた。まさか魔法も使わずにあんな動きが出来るとはな。噂は嘘ではなかったか」
「ステータスの高さには自信があるんでな」
「そうか」
その事が嬉しいのか、シルバは密かに笑みを浮かべていた。
「まだまだこっからだよなぁ、シルバ」
「当然だ。まだまだこれからだ」
「そうじゃねえとなぁ!!」
お互いの腹の探り合いも終わり、決闘も本格的に始まった。
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