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【一次選考通過!】異世界司令官〜【統帥】スキルで召喚されし無敵の帝国軍よ、誇り高き軍旗とともに前進せよ!〜  作者: あるてみす
第3章

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第102話 敵拠点を叩け!

 飛行場に燃料タンクや整備施設を作っていたために、当初よりも出撃の日が2日ほど遅れていた。

だがその御蔭で空軍戦力は大幅に強化され、機体の稼働率も100%を達成していた。

揃えた戦力はP-38Lが80機、AU-1が50機、Do-217が30機、百式司偵が2機の合計162機だ。


 俺は今部隊を引き連れて王都を出発し、飛行場で待機している。

待機していると、複数の機体が次々と格納庫からエンジン音を轟かせて出てきた。

基地に所属しているすべての機体は滑走路上に整列した。


 これらの機体はこれより全力出撃、ルクスタント側からヴェルデンブラントの軍を攻撃している別働隊の支援に向かう。

P-38LとAU-1は主翼下部にロケット弾を、Do-217は敵兵の拠点が置かれていることが確認されている石製の砦に攻撃するためにフリッツXが搭載されている。

エンジンをぶん回した彼らは今にも飛びたくてうずうずしているようだ。


 そうしていると先頭を行くP-38Lの部隊が滑走路をタキシング、徐々に加速し大空に飛び立った。

そしてそれに続いて次々と航空機は加速、離陸していく。

全ての機体が離陸を終えると、空には航空機の大編隊ができていた。

大編隊は敵を求めて高度を上げる。





 レシプロ機の大編隊は1時間ほど飛行、標的の上空付近に到達した。

Do-217以外の編隊は高度を下げ、敵機を警戒して飛行する。

Do-217は爆撃のために高度を6000mぐらいにとって飛行している。


 敵機に遭遇するよりも前にフリッツXの射程に到達、攻撃の準備が始まった。

照準手は爆撃照準器で目標をセット、30機のDo-217からそれぞれ一発ずつのフリッツXが放たれた。

フリッツXはフレアを焚きながらぐんぐん加速し、落下していく。


 照準手は必死でフリッツXを目標に向けて誘導した。

そして音速に近しくなったフリッツXは目標に投下したうちの半数が命中、目標の砦は粉々に吹き飛んだ。

だが残念なことにフリッツXの命中時に砦内に敵兵はおらず、人的損害自体は軽微であった。

その代わりに備蓄していた食材などが吹っ飛んだため、ヴェルデンブラント軍は補給に苦しむことになるだろう。


 その頃、地上では仮設飛行場から哨戒のために飛行していた翼竜に接敵、戦闘が始まっていた。

だが高度はP-38Lの方が優位、持ち前の高速性を生かして高空から敵に向かってダイブした。

敵は空から飛び込んでくるP-38Lに驚いたのか回避を始めようとする。


 だがP-38Lは既に機銃の発射体制に入っていた。

目標を捉えたP-38Lは発射スイッチを押し、搭載されている20mm機関砲が火を噴いた。

砲弾は吸い込まれるように翼竜に向かう。次々に翼竜の体に穴が開き、そして地上に向かって落下した。


 そして敵を排除したことを確認したAU-1は敵飛行場に向かって一直線に飛んでいく。

下であわてる敵兵を横目に、AU-1は多数のロケット弾を格納庫に向けて発射した。

ロケット弾は建物に命中し、格納庫とその中にいた翼竜はあっという間に破壊された。


 そして機体の胴体下部に搭載されていた1t爆弾を今度は飛行場に向けて投下する。

1tもの重さのある爆弾は滑走路に命中、滑走路には多数の大穴が開いた。

だがまだまだ打ち足りない彼らは次の獲物を求めてあたりを飛行する。


 彼らが次に目標に定めたのは、まだ寝起きのヴェルデンブラント陸軍であった。

彼らの野営地を発見したAU-1とP-38Lは残っているロケット弾を野営地に向けてはなった。

放たれたロケット弾は寝起きの敵兵に永遠の二度寝をプレゼントした。


 そしてロケット弾の斉射でも生き残ったしぶとい敵兵は、P-38Lの機銃掃射で次々と撃破されていった。

航空隊が同空域を飛び去る頃には、地上は血で赤く染まっていた。

それを好機と見た別動隊は一気に前進する。





 別動隊が本隊と分かれた後、どうしていたかを時系列順に簡単に要約する。


 別動隊は指示通りヴェルデンブラント軍がルクスタント王国に侵入するためのルートを塞ぐべく進軍していた。

少数精鋭のため進軍スピードは早く、3日目には既に目標地点に到達していた。

目標地点の峠道ではヴェルデンブラント軍が陣地をはっていた。


 敵の部隊を発見した部隊は奇襲攻撃をかけるべく準備をする。

兵の数では敵のほうが圧倒的に多いので、夜襲を行うことに決定した。

闇夜に紛れて歩兵は敵の陣地に忍び寄り、攻撃の機会を待つ。


 部隊長のベルントの指示が降りると、各員は攻撃に移った。

夜闇にまぎれて強襲されたヴェルデンブラント軍は総崩れになり、多くが殺害された。

だが別動隊が襲ったのは本体ではなく前線に出ていた偵察部隊であった。


 偵察隊が帰還しないことを不安視したヴェルデンブラント軍の指揮官は新たに援軍を派遣する。

彼らの拠点であった国境沿いの砦から5000人ほどの部隊が出発し、偵察部隊を捜索する。

だが彼らが見つけたのは別動隊であった。


 見知らぬ兵器を目撃した援軍は攻撃しようにもどのようなものか分からなかったため攻撃できずにいた。

一方の別動隊は時間を稼ぐだけでいいので、攻撃されない限り自分たちから攻撃を行おうとはしなかった。

完璧に陣地を整えた彼らはただ黙って敵を見つめる。


 そのまま戦線は膠着、どちらも自分たちから手を出すことはなかった。

そうしているうちに日数だけが過ぎていき、しびれを切らしたヴェルデンブラントの指揮官は自ら全軍を率いて砦を出発し、別動隊と睨み合った。


 一方で別動隊側には一向に敵が侵攻してこないことを不思議に思ったルクスタント守備隊が北上してき、別動隊と合流していた。

合流した守備隊の指揮官はルクスタント王国の小貴族で、戴冠式でイズンを見たことからルフレイに対して尊敬の念を抱いていた。

なので彼は別動隊を神の軍隊と呼び崇め、ベルントを大いに困らせた。


 ルクスタント軍は進撃を求めたが、ベルントたちは一歩も動こうとはしなかった。

時間を稼いで本体と合流するのを彼はただじっと待っていた。

そうしている間にも埒が明かないと思ったのか、ヴェルデンブラント側は行動を起こそうとしていた。


 そしていよいよ明日に攻撃開始、というところで悲劇が起きたのだ。

彼らの野営地は航空機の部隊に強襲され、ことごとく破壊し尽くされた。

一歩も動かなかった別動隊の勝利と言えるであろう。


 その後別動隊は峠を抜けて本体と合流せんと行動を始めた。

一連の攻撃によりルクスタント王国内の敵兵力は排除され、いよいよ攻勢も大局を迎えつつある。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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