表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神隠し  作者: デベ
8/9

赤紙青紙:後編

夏美と亜矢は明美が出てくるのを待っていた。

「ち、ちょっと遅いような気がしない・・・?」

「うん。確かに少し遅いかもしれない。」

「そ、そうだよね・・・。」

「ノックして確認したほうがいいかな?」

ノックしようと足を踏み出そうとした時、勢いよく扉が開かれた。

「二人とも逃げるわよ!」

そういうと二人の腕を掴んで走り出した。

二人は急に捕まれた為に、前のめりに転びそうになる。

「え、ええー!どうしたの?!」

「ちょっと明美!逃げるって何から!?」

明美は何も答えずに駆けだす。

亜矢は体勢を立て直しながら、明美が出てきたトイレを振り返る。

扉は開け放たれている。

中は薄暗くてよく見えなかったが、何故かあのトイレには近づかない方がいいと本能が告げていた。

トイレから飛び出すと男子に合流する。

「どうしたんだお前等?」

「血相変えて飛び出して来たね。」

女性陣は男性陣の前で立ち止まる。

短い距離だったにも関わらず息切れを起こしている。

「顔色悪いぜ?何かあったのか?」

卓海の言うように先頭に立っている明美の様子が明らかにおかしい。

「・・・急いで学校の敷地外へ逃げましょう。」

「明美?急にどうしたの?」

「いいから急いで!」

「え、あ、うん。わかった。」

達也は歯切れの悪い返事をしたが、明美の様子がおかしいことがすぐにわかったのだろう。

再び走り出した女性陣に黙って付いて行く。

他の二人も何も言わずに付いて来ている。

全員が移動を開始したところで明美は口を開いた。

「赤紙青紙に襲われたわ・・・。」

途切れ途切れだったが男性陣の耳にはっきりと届いた。

全員が驚愕の表情を作ったが、誰一人その台詞を疑う者はいなかった。

明美の性格からそういう冗談を言う人物ではないとわかっている。

「本当に、異界に入り混んじゃったみたいね・・・。」

明美は苦しそうに呟いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ