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ILAND WAR CRAFT  作者: よもぎ
4/4

花より団子

加筆、修正などありましたら、お知らせいたします。

2話修正入っています。

 軽くパニック状態のところに、声がする方に勢いよく振り向いてしまうゼンは、思わず見惚れてしまった。

 目の前に立つ女性は、金色の髪で長さは足首まであり顔はクリっとした童顔近い顔でゼンの身長よりも頭四つ分くらいでそこまで高くない身長、全体的にみると齢十四、五歳といった感じで幼さが残り、着ている服は茶色のマントを羽織その間から見える黒のワンピースを着ていた。


「あ……あ、えっと……」


「どこか打ったか? ケガしたのか? しっかりとフォローしたつもりなのだが」

 ゼンが見惚れて声を失い、ちゃんと返事をできないでいると彼女は心配になり目の前に駆け寄りしゃがみこんで小さな身体をまさぐり始めた。頭の先から足の先まで確認し、それでは終わらず着ている服まで脱がそうとするものだから思わず大きな声で「大丈夫!」、恥ずかしさに耐えかねて答えると、安堵したのか彼女はゼンの顔を両手でつつみ頬を軽く押して綺麗な顔が鼻先まで近づけてくる。ママ以外の女性に顔を近づけられて思わず赤面してしまうゼン。


「~~~~~~~っ」


 ゼンの心臓が高鳴りを打ち立てて、更に声がだせなくなりまとも彼女と目を合わせることもままならない。落ち着こうと大きく深呼吸をすると彼女からお日様の香りと、土の香りか匂い慣れた香りにママに似た匂いだなとホッと一息、正面にはじっと見つめる彼女の顔が目の前にあり、やっぱ無理ぃとドギマギしはじめる。

 純情な少年の心は今にも破裂しそうなのに対して、冷静にゼンの小さな顔を両手で挟み分析を始める彼女。


「うーむ」


 ただ一言唸ると、彼女の右手は頬を離れゼンの髪を軽くかきあげておでこを親指でこする。


「? 」


 何かを探っている彼女に警戒しゼンの足元にある影があわただしく、波打ち始める。やがて細いロープのように形取り、敵意を全開で現し禍々しくも鋭く鋭利な刃物状に形を変えていく。今にも彼女に襲い掛かろうとしていた。


 少年が自発的に行っているのか、無意識に行っているのかを真剣に考えては見るも少年の顔は真っ赤になってドギマギしているのが見て取れた。

 幼くても男の子、可愛すぎて思わず吹き出しそうなる。

 とりあえず向けられている敵意を平和的に進めたいものだと思案しゼンの視線を切り、足元に向けて優しく語り掛けた。


「安心しなさい。別にこの子を取って食べたりはしないさ」


 今も殺さんと敵意の向けてくる謎の現象を受け流し、優しく語りかける

 だが納得することはなく、刃先は彼女に向けて切り刻まんと襲い掛かろうとするも、その場で硬直してしまう。硬直しても尚、敵意の込められた刃は必死に抵抗しようとするが、抗うことままならず。

 この空間において彼女の支配は絶対である。その証拠に顔のない従者は主人の危険を察するも微動もせずに彼女とゼンの姿を静かに見守っていた。


「少年、名前は? 」

「……ゼ、ゼン」

「わたしは、シーヴァリアだ」


 ゼンの頭を撫でその場に立ち上がり手を差し伸べて彼女の家に招待しようと手を差し伸べた。


「ゼン、どうだい? せっかくここまで来たんだ一緒に食事でも」

「え……うん」


 緊張に手を震えながらも握ろうとしたたら、思わずかわいい音が鳴り、おなかを抑えてゼンは赤面してしまう。


「あっ!」

「ふふ、ではこちらだ」


 ゼンの手を優しく握り歩き出すシーヴァリアの手は柔らかく、そして安心を与えてくれた。ゼンの心を感じ取ったのか、足元の影は落ち着きをみせ、普通の影にゼンを追いかけるようについていく。彼女の左後ろには顔のない従者が静かに後を追いかけるのである。

 五分とかからず、緑の天井が終わりをつげゼンの視界には綺麗な青空があり、その下には広大な畑が敷き詰められて終わりが見えず地平線の彼方まで広がって見えた。

「うおおお」

 素直な表現で幼いゼンにはそれ以外の表現が見つからない。ゼンはキョロキョロと首を振り畑に植えられた野菜がどこまでも植えてあり、野菜たちは水巻された後で陽の光浴びてキラキラと宝石のように輝いていた。

 ゼンは人影を見つけ、大きく手を振り大きな声で手を振る。

「おーぃ」

 畑で働くシーヴァリアの従者は、ゼンの声に答えるように手を振り返す。ゼンのはしゃぐ様子を優しく見つめ畦道を歩く。

 やがて畦道を抜けるとそこには、囲いのない大きな庭があり、そこに小さな煙突の付いた瓦屋根の平屋が建てられていた。

 従者はシーヴァリアの横を素通りして、先ほど主人が食事していた場所に二人分の席を準備し始めた。

 その様子を横目に、ゼンの頭に触れ席へと促し優しく声をかける。


「さぁ、こっちに。わたしの従者が作る料理は格別だ」

「うん!」


 ワクワクしながら席につこうと椅子に手をかけると、従者はゼンを後ろから抱きかかえ座らせた。

このままだとテーブルとの高さが合わないことから従者は座の部分の調整をおこない、ゼンが食事しやすい高さに高度を合わせてくる。 

 座高が上がるときは、子供らしい反応で喜々としていて上がりきるとゼンの興味はテーブルの上に向けられ、今か今かと目を輝かせていた。

 扇状にひねられたパンと瑞々しさと彩り豊かな赤、青、黄、緑の野菜と暖かな白いスープがゼンの目の前に並べられて、更にお腹がなりそうでグッと我慢する。

 従者は、主人であるシーヴァリアにナプキンを渡して、その後はゼンの後ろにまわり服を汚さないようにエプロンをつけてあげるとゼンのお腹は手よりも先にお腹が主張した。


「あはは、さぁゼン、いっぱい食べてくれ」


ありがとうございました


よもぎ

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