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第二十二話 父と息子の嫁候補

「……ハロー、ムリョウ。レフィだよ」

『もしもし久し振りだねェ? レフィーティア……おっ、ミツキちゃんまでお揃いで、どうしたんだい!?』


 レフィのスマホから妙に明るい男性の声が響いた。

 ビデオ通話で相手からこちらの姿が見えている。


『あっ、しかもミャーちゃーんまで。元気にしてたかい? パパだよ! そして、これがパンダ!』

「むぅ……ムリョウ、ボイスオンリーになってる」

『おあぁーこれは失敬、失敬! こっちはちょっと映せない場所にいるからカメラをオフにしてたこと忘れてた! 渾身のギャグが不発だよー!』


 声の主、真宮無了──ムリョウ──はケラケラと笑ったがレフィたちは無表情だった。 


『で、何か用事かい?』

「あのう、おじ様……マオのことなんだけど」

『うん、倅は元気にしてるかい?』

「えぇーと、それなりに……」


 ミツキは神社の階段でぐったりしているマオを、スマホのカメラに映らないように方向を変える。

 

『そうか、それは良かった! で、誰が“合体”するんだい?』

「あのパパ……さも、皆様ご存じみたいに言わないで」


 ミヤビがツッコむ。


『ミャーちゃんオマセだねぇ。合体と言えば“合体”さぁ、それは男女の……』

「おじ様!!」


 何か下品なことでも言い出そうとするムリョウを止めるミツキ。


『おぅっと……じゃあ、真面目に話そう』

「ムリョウ、最初からそうして」

『ごほん……えぇと、君たちはマオの置かれている状況、セネス病については知ってるね?』

「えぇ。人に触ると動悸が激しくなったり異常な発汗が起きたり、最悪の場合は……」

「ミツキ、メチャクチャ触ってた」

「それは今いいでしょ!?」


 密室ロッカーでの超密着キス。

 スカートの中に潜り込ませて生抱き付き。


 これまでマオにした大胆すぎる行為を思い出して顔を真っ赤にするミツキ。

 

『苦労かけるね』

「いえ……好きでやってるところもありますから」

「それでパパ? このレフィって人は何でまーにぃと合体するとかなんとか言ってるの?」


 レフィをジロリと睨むミヤビ。


『それはだね……三人ともよく聞いて欲しい。セネス病の解決策がわかった……かもしれない』

「かもしれない?」

『確定とは言えないんだ。でもね、世界でセネス病の研究をしている人とコンタクトを取って色々と情報を得たんだ。その中からマオに似たケースのデータを元にやってみようと思い、そちらに向かわせたのがレフィーティアというわけだ』

「レフィ、マオ君を助けるために来た……頑張る!」


 自信に満ちた表情をしてレフィは言った。


「で、具体的にどうやってまーにぃを助けるの?」

挿絵(By みてみん)

『それはだねぇ……マオを死に追いやる』

「ちょっと待ってください!!」


 死、と言うワードにミツキが反応し、スマホ画面に向かって声を荒げた。


『ん? 何か変なこと言ったかい?』

「言いましたよ、言いましたっ! それどういうことですかおじ様っ!?」

『顔が近いよーミツキちゃん。ちょい画面から引いて』


 スマホを持つレフィが離れる。


『ギリギリまで追いやるってことさ。ずっとマオと接してきたミャーちゃんには悪いけど、リハビリ訓練レベルじゃセネス病は一生治らない。だからね……』

「そんなの納得いきません! それでもし、マオが死んじゃったらどうするんですか?!」

『その後ろで倒れてるマオを見ると説得力がないなぁ……』


 と、ムリョウが言う。

 スマホの画面外にマオが居ることがバレていた。


『そうやって、気絶している内はいい。そうしているのはマオに隠したいからだろうミツキちゃん』

「……だって、マオには何も思い出して欲しくないから……」

『段々、誤魔化しも効かなくなってくるだろう。簡単には気絶もしなくなる』


 ムリョウにそう言われてミツキは黙ってしまった。


『マオが限界突破したならば合体すればいいのさ。その為に、君たちの“ライトニング”と“ザエモン”って二つのマシンがあるんだろう?ユサ・コーポレーションも動いている。マオを狙って君達の前にも姿を現すだろう』

「……ムリョウ、もう来た」

『あれま。じゃあ尚更、急がないといけないね…………あぁ、今行くから……』


 スピーカーの向こうでボソボソとした誰かの小さな声にムリョウは返事をする。


『すまない、もう時間がないんでね。君たちがマオのセネス病を治すか、刺客に奪われるのが先か勝負さ』

「 ま、待ってください! 私はそんなの認めてませんよ?!」

『……最後に一つだけ言っておくよ。怪獣少女には気をつけろ……そんじゃ、またね』


 そう言ってムリョウから一方的に通話を切られてしまう。

 月に照らされながら残された四人は、しばし黙って立ち尽くすのだった。


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