表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

90/116

異世界召喚! 異世界ダンジョン出現!

異世界にダンジョンかもしれないなにかができちゃったらしい

 午後になって警備隊から人が来た。


「天狗が折ってしまった剣のかわりについて、隊長から丁重なお礼を、と。」


「スンマセンでした。とりあえず今必要だろうと思ってそこらの渡したんですよね、ちゃんとしたの打たせてお詫びに持ってきますから。」


「いえいえ、その、サトー様のおっしゃる〈そこらの〉を抜いてみましたところかなりの大業物(おおわざもの)。あれでも過分なので、隊長から、替えには及ばないと。」


「えっ?そうなの?俺、目利きじゃないからわかんない。」


「折られた隊員も同様です。まず、剣を折られたことで怒られ、次にあの剣の価値が分からなかったことに怒られ、散々絞られてました。」


「えー?うちはさあ、難民が色んなもん持ち込むから、変なもんはあるんだよ、じゃあ、兵隊さんにも隊長さんにもよろしくお伝えください。


 せっかくだから、飯を食っていってください。俺は領内の見回りがあるんでこれで。あ、帰りの列車は公用ですから無料にしておきます、係に言っておきます。」


 話が面倒だから逃げだして急ぎでもない水やり油やりに回る。

アブネー、物の価値わかんないから凄え物を渡しちゃったらしい。気をつけないと目をつけられそう。

 早めに警備に剣と槍セット上納しよう。


 どんな剣を献上したらいいかなあって妄想していたら、うちのモブ兵士が飛び込んできた。


「殿!モブ村人がダンジョンらしきものを発見しました。領軍がその者を連れて探索に出かけました。」


「スンマセン。ダンジョン?世の中にあるの?」


「はい。正確には魔物が大量に出てくる洞窟を見つけたそうです。魔物が住んでる単なる洞窟のなのか、魔物を生み出しているダンジョンなのか、まだわかりません。

第一報としてのおしらせです。調査隊が戻り次第また伝令が来ます。では失礼します!」


 続報を待っていたら代官さんが報せに来た。


 ダンジョンか洞窟か知らんが、とにかく横穴が開いている。


 騎兵や馬車が入れそうなサイズのように見える。奥行きは何班かいれて調査中。5人、10人とだんだん増やしていってる。


 ということは、直径3メートルくらいだろうか。日本でいうと小さいトンネルくらいだそうだ。


「へー、ダンジョンなんてあるんだあ。」


「いえ、領内どころか全く聞いたことが無かったです。大昔の伝説でしか。」


「スンマセン。大賀さん?どんな伝説ですか?」


「昔、鬼の里に化け物が攻めてきたんだそうです。何度も。鬼の家を焼いて宝物を奪っていったり、その頃の鬼たちはとにかく困り抜いていたんだそうです。


 で、その時の英雄が立ち上がり、と言いますか、逆襲に出たんだそうです。英雄は旅の途中で得た仲間たちとともに化け物の本拠地であるダンジョンに討ち入り、ラスボスのフルーツの化け物を倒したんだそうです。


 盗まれていた宝物を取り戻し、囚われていた鬼族を解放し、長く英雄としてあがめられたそうです。」


「スンマセン。違ってたらごめんだけど、そのヒーローの名はオニタロウ?あるいはラスボスはモモタロー?」


「よくご存じで。ヒーローはキタロウです。敵はその通り。殿は博識ですな。」


ああああ、立場によって話が違うんだなあ。勇者キタロウが悪いモモタロウ倒したのか。


「ともかくモンスターが無限に沸いてくるのは困りますね。


 面白そうなんで行ってみましょう。調べてみないことには何ともならない。鬼が退治する話はわかりました。


 大賀さんもよろしくお願いします。念のため戦車隊出してください。スンマセン、俺ら代官さんと先に出ます。」


 先にうちの伝令を帰す。この一件が済むまで警備のモブ騎士には待っていてもらう。どうせ王様に連絡しなきゃなんないからね。ダンジョンあるにしてもないにしても。


 例によって広場でたむろしている人たちに声を掛けたら、天狗の善人坊さんや河童ガタロウガジロウ、エルフのビュグビュグさんドワーフのベッケンさんなどオールスターの探検隊になってしまった。この好奇心は見習いたい。


「スンマセン。面白いか面白くないかもわかりません。調査に行くんすから。」


「何を言う。サトー殿が絡むと大体の場合は面白いではないか。ひとっ飛びしてサトー殿が向かっていると知らせてきてやろう。」善人坊さんが飛んで行った。


「スンマセーン、あのー、方角とか何にも話してないんですけどー。」


「異様な妖気を感じたのでやしょう。あちらの方角で合ってやす。」


 河童のガタロウと天狗が分かりあっている。遠い親戚だというのもうなずけるけど、スゲーよ。


「スンマセン。時間もないですから装甲バスに分乗して、向かいましょう。戦車隊も後から来てください。」


戦車運搬用の巨大トレーラー作ってもらわないとこういう時不便だなあ。


「トラさん、御前さま、お気を付けください。」


ガジさんが言うので気が付いた。トラさんいつの間に混ざってるのよ。


「村に戻ったら面白そうなことになってるっていうから走ってきた。混ざりタイガー。」

どうぞどうぞ。


 俺の乗るバスにはドーベルさんトラさん、ガジロウさん。あとエルフのビュグビュグさんとドワーフのベッケンさんが乗った。わりと大きな車だが武器を積みまくったので人はそんなに乗れない。俺は車に酔いやすいから運転させてもらった。


「土エルフの癖になんだああああ!」

俺の座る運転席と何列か離れてるからよくわからないが、うしろのほうで相変わらずエルフが怒ってる。とくにドワーフは仲が悪い。


「スンマセン、土エルフってなんすか?」


「こいつらドワーフは森から離れ、穴を掘って暮らしている。もはやエルフではないっ!土の中にいるから土エルフだっ!

 あと、俺はビュグヴィルヴィルフだ!

 間違える前に教えてやる!」


「フン、名前が長すぎるわい。なにが土エルフだ。金属細工を失伝して木工品しか作れない連中がエルフを名乗る方がおかしい。こちらが土エルフならそっちは木エルフだろう。」


 お互い何百年も生きる種族だ。土エルフ木エルフが枝分かれしたのはいったいいつ頃なんだろう?人類が他のサルと枝分かれした=現生人類が登場したのが、20万年前くらい?そのくらいなのかな?恐ろしく気の長い話だ。


 強引に話題変えるために、さっきの戦車輸送用車の概念だけ話して頼んでおく。


 ワーワー叫びあっているうちに現地に着く。ガタロウさんのナビのおかげだ。もう疲れた。天狗さんが上空を旋回してくれているので、どこがダンジョンかわかりやすかった。


 上から偵察した範囲では周りに怪しいところは無さそうとのこと。恐るべし天狗パワー。安心して洞窟に専念できる。


 案内されてみると、たしかに直径3メートルくらいの、バスを入れたらつっかえそうな絶妙な小さい洞穴があった。人なら楽勝で立って入れる。ランクルかバイクを作っておくべきだったな。いっそ騎馬で入ってもいいかもしれない。


「スンマセン。中に誰か入ってます?」


「いえ、今は誰も。切れ目なく魔物が出てくるので困りました。」


「代官さんが困るって相当ですねえ。魔物が出てくると困ります?」


「強い魔物は出てこないのですが、延々出てくるので休めないんですよ。おい、俺が殿のところに行ってる間にどのくらいの魔物が出てきた?」


ハンス君が留守の間の責任者だったらしく、疲れた表情で出てきた。


「はっ、すべて数えてはいませんが、10秒に1匹程度、タイミングも種類もランダムで出てきます。食用にならないものばかりです。」


「ハンス君ご苦労さん。スンマセンでした。交代で休めたら休んで。

代官さんの考えあります?」


「放っておくわけにもいかず、殿にふさいでいただくか、念のため奥まで行ってみて、ダンジョンコアを壊すかでしょうか。」


「スンマセン。ダンジョンて初めてなんですけど、溶岩流し込みなら割といつでもできそうです。

とりあえず入り口からバスで銃撃、戦車が来たら砲撃したらどうです?ある程度魔物減らしてから中を探検でどうですか?」


「殿の『とりあえず』は大体名案ですな、その発想はなかったです。」

え?そう?


「仰せの通りまずは魔物を減らしましょう。その後のことはその後に考えましょう。」


バスから機関銃を撃ちまくっているうちに戦車が来たので交代した。ただ砲撃を眺めているのも耳が痛いだけなので、俺が油を流して中で爆発させる。

ずいぶんな大爆発だ。





「撃たないでくれー!魔物だけど魔物じゃないんだ。撃つな撃つな。待って。待って。待って。

熱い。痛い。やめて。助けて。撃たないでー。」


なさけない内容の割には元気そう。


お読みくださりありがとうございます。




誤字の指摘いただき幸いです。


意図して書いたものもあり全てを受け入れるわけではありませんが、それでも助かっています。


引き続きお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ