異世界召喚! 異世界宝くじ 当選者発表!!
異世界に召喚された俺は新しく金貨銀貨銅貨を作った。
宣伝と普及のため、くじを考えた。
くじについて。
わが領の学校では、俺の計算をそっくりなぞり返した生徒がいた。レート計算して、儲からないと判断するガキが居やがった。
「キャシー先生、ちょっといいですか、って子供が来たのよ。
評判のくじの話ね。
公表されている口数から計算して、売り上げは全部で2000ジョー。これは掛け算だから簡単です。」
商人たちが想像で、話をあーでもないこーでもないといじくりまわした結果、一口10サントスになった。2万口売る。一人何口でも買っていいが、早い者勝ちで売り切りじまい。有名ラーメン屋のスープみたいなもんだ。10サントスかける2万。
「当たりに返すのが合わせて1500ジョー。これも足し算だから、難しくはない。その子は言うのよ。
くじ買う人はみんなで2000ジョー払って、1500ジョー戻る。当たればデカいけど、みんなで考えたら儲からない。差額の500ジョーはどこへ行くのですか、って。」
1等いくら、2等いくら、これも公開している。
聞いてるケイティが苦笑してる。
くじ買う奴を平均したら儲かるはずがない、神殿が儲かるシステムと見破った。「期待値」「還元率」の概念だな。
「経費と儲けに500ジョー、そのうち事務手数料として準備も含めて2ケ月10人張り付いて事務をさせる、日当ではなくてその間にそいつらが本来稼げたぶんで計算する。まだ子供で実務分からないけど、ってその子の計算では50ジョーから100くらいではないかと推測してた。
面白かったんで、学校で広めたのよ、その子の計算。」
俺は日本にいたときは結構な額を競輪競馬パチンコに使ってた。小学生でもわかるレベルの計算ができてなかったのか。いや、知ってたけど、儲けを優先した。正確には「儲かるつもりでやってた。」けど儲からなかった。だな。
日本の公営ギャンブルの場合は還元率は75%だったと思う。例えば競馬は、自治体に手数料払ったあと、畜産振興のために儲けが使われる、っていう建前だったんじゃなかったかな。
畜産振興のために馬を走らせる。ボートは船舶振興のためだか機械振興だかだったと思う。宝くじは還元率約半分。だから、うちの神殿くじはそんなに悪い率じゃないとおもうんだけどねえ。
しかし、教育の力ってスゲエナあ。
そしてくじ当選者発表当日を迎えた。今日もいい天気。
うちの領内は大旱魃。とにかく降らない。ツキイチ程度でスコールが降る程度。毎日天気。あ、現地語では雨をいい天気という。恵みの雨、の発想か。雨が降ると喜ぶ、村中の人間が傘屋になったようなもんだ。お祭りだから文字通りハレの日ね。
祭りということで、近郷近在から善男善女が集まってきている。
新しい村の連中は、観光客目当ての屋台を開いている。魔物の塩焼き程度の素朴な食い物屋が多い。
南欧系にみえる商人たちに交じって露天商をする黒人のマッチョ男女を眺める。本当に、しぶとく生きてるよなあ。
カンカン照りの中、神殿の境内には欲張りどもが詰めかけてます。野次馬も多いんじゃないか?
まず、下級神官が出てきて、これより神殿くじを引く、当選番号を読み上げるので静かに聞け。当選者は申し出るように。当選金は新金貨新銀貨で払われる。的なことを言う。
そりゃ、静かに聞いてますよ皆さん。だいたいの人は自分が当たるつもりでいますから。聞き逃そうという奴はいない。
「10等!」
神殿内でゆるされる限界のセクシー衣装を事前に神官長さんに聞いておいた。カワサキのナンバーツーおねえちゃんがミニスカセクシー衣装でくじを引く。南米系のボッ、キュッ、ボンがスケスケ。
「ホワイトベアーの51!」「10等!ホワイトベアーの51!」
ニコニコ、クネクネ。いいねえ。
神官が魔物紙に大きく書く。うちの領民以外は字が読めないやつ多いからね。このくらいなら自分の目でもわかるだろ?読めなかったら周りに聞いてね。
「うわあああああ!」
当たったやつだろうな。大柄の髭だらけ長身の男が叫ぶ。10サントスおよそ2万円で買って1ジョー20万のあたり。
10等は三つある。サクサク引く。
「9等!」
カワサキのナンバーワンおねえちゃんが、やっぱりセクシー衣装でくじを引く。スケスケだけど、ハーレムパンツっていうのかな?だぶだぶのズボン。
ナンバーツーよりはさらにボッ、キュッ、ボンのバインバイン。ニコニコクネクネも一緒。彼女がナンバーワンかあ。ボリューミーかつ美人。
俺の考えた、考えてないけど提案した、ガラガラと長い筒を振ると細い棒が出てくるアレだ。
「兵士の29!」
若い女の子の声は通るなあ「9等!兵士の29!」
「オホホホー!」
また当たったやつが叫ぶ。今度は小柄の男。何人目だ?当選者には、おっさんが続く。
10サントス出せる人っていうと、この世界だと男性の率が高いんだろうか。しかも若者いないっていうことは、ある程度歳いってないとくじも買えない暮らしなのか?
俺はくじ買ってないし運営側だから、ひたすら観察モードに入る。スタッフ席に座るの断って、会場の群衆の中にいる。競馬もさあ、買ったレースより買ってないレースのほうが面白いっていうよね。買ってないレースのほうが分析できるというのもあるだろうけど、冷静に周り眺めてるほうが馬見るよりよっぽど面白いという説もあります。
10サントスおよそ2万円で買って20ジョーのあたり。日本円換算40万。まあまあの儲けだよね。
9等はふたつ。
引っ張るというか盛り上げるには、次から楽隊かなんかでつないだらいいかなあ。カワサキダンサーズの舞いとかもいいかもな。神官長さんに頼んで巫女採用してもらってもいいなあ。おねえちゃんたち増やしてひとり一本引かせよう。
俺は、ビンゴ大会の後半のしらけた感じがたまらなく苦手です。ビンゴに比べ、一等が後だから、まだこれから盛り上がる予定です。発案者としては、そうあってほしい。
「8等!」
ロッポンギの村長。
「ドラゴンの38! 8等!ドラゴンの38!」
だんだんと当たりも高額になってきた。
8等から4等までは村長さんたちが引いた。引かせた。
公営ギャンブルだから、信用が大事。移民村の村長さんたちなら信用あるだろ。ひとり一本ずつ当たりを読み上げる。あと、長さんたちが引くには優劣付けないほうがいいな。同等の4等を4本だね。
村長さんでなくてもいいや、次回は村長の奥さんかなんかがいいな、おっさんは声が通らない。カワサキのおねえちゃん増やすのでもいいかな。絵的にもその方がいいな。
こういう時に護衛なしで歩いていると、メモが書けなくて困る。毎回、書記というか秘書というかつけなきゃなーって思っていて忘れる。
異様な興奮の中、泣き出すおっさんとかもいる。今泣くな。当たり番号が聞こえない。
3等はこの土地の領主代理。ロドリゲス代官長さまが引きます。
「3等!」
「城の4! 3等!城の4!」
うぉおおおおお!!!!!!!!地響きのような群衆の声がすごい。いいぞ、欲張りども。盛り上がれ。
今んとこ、当たりの番号やマークがうまくばらけてて助かった。
2等と1等は神官長が引く。
まだ騒いでる群衆を手で制す。まあ説法慣れしてるんだろうな。本職だもんね。
静まる。
「みなさん、ジョーサントス王様とボルケーノ造幣卿のご尽力により、ジョー金貨、サントス銀貨、そして新しい銅貨、が発行されました。」
そこからか!
「神殿も移転1周年を迎えることになり、新しいおかねのお披露目も兼ねて、こうして神殿くじを行うことになりました。
では、ボルケーノ造幣卿さまに2番をひいていただきましょう!」
「え?おれ?」
ボルケーノがキョドってる。お前だよ。神官長が引く段取りだったのを急遽、ご臨席の造幣卿閣下に花を持たせたんだろうな。俺は関係者席ことわって群衆にいるから声は出せない。
神官たちに促されながらくじへ向かう。つめかけた欲張りどもからは声も出ない。固唾をのんで、という表現がふさわしい。
ジャランジャラン
ジャランジャランジャラン
ジャランジャランジャランジャランジャランジャラン
おいおい、そんなに振り回したら、くじの胴が壊れるだろうが。ボルケーノは無駄に力あるんだよなあ。
ボルケーノなりに引っ張って盛り上げようとしてるんだろうか?そこまで考えてないくてただ力任せなんだろうか?後者の気がする。
このマシンも俺の提案。オミクジみたいなやつ。
終ったら分解して誰でも見れるようにしておく。不正が疑われないようにね。その前に壊れてたらまずいだろ。
「馬の36」ボルケーノが言うと、すかさず神官長が叫ぶ。
「2等、馬の36。」
お坊さんだから声はよく通る。
誰も名乗り出ない。おいおい。
名乗り出てこなかった場合のことは考えてなかった。たしかに、この場で名乗りにくいよなあ。
2等100ジョー。2000万円だもんなあ。三日間くらい期間おきますからその間に申し出てください、のほうがよかったかも。商店会のくじ引きみたいにその場で即決システム、よくなかったかな?
「俺、今夜は2000万円持ってます。」と申し出るのと、ほぼ同義。うちは治安いい方らしいけど、それにしても落ち着かないよな。
「うああああああああ!」
気の弱そうな小柄な男が叫んだ。何回もあたりを確かめていたようだ。
その場で金貨100枚100ジョーと引き換え。まあ、持って帰れない重さではないよね。次からは住所書いてもらって、翌日神殿警備隊の護衛と神官で当選金届けに行くとかのほうがいいな。
1等を引く係を神官長に押し付けられるとやばいから、大騒ぎの会場を後に逃げる
すぐに、出てきた会場から大きなどよめきが聞こえる
1等くじもあたりが出たな。
帰りは太鼓で送り出す。歌舞伎とか落語、詳しくないんだけど、帰るときに太鼓鳴る。あれの真似。なんか太鼓って無条件に魂に響く気がする。
その太鼓も聞こえてきた。
神殿の門の外で見物してると、興奮した欲張り連中が出てきた。偽造防止に木のフダに焼き印が押してある。何度もフダを見てるやつがいる。当選者がすべて名乗り出てるから、もう当たりの可能性ないんだってば。気持ちは分かる。投げ捨てられないように神殿のおフダにしたのは正解だったな。少なくともお守りにはなるでしょう。ハズレお守り。
金貨一枚が1ジョー 100サントス。八角形。20万
銀貨一枚が1サントス。20ドーセン。円形、穴あき。2000円
銅貨一枚が1ドーセン。100円
1等1000ジョー、日本円概算2億円。2等100ジョー、2000万円。
金貨千枚は重いよなあ。交換場面見逃した。日本の宝くじ感覚で1等2億にしちゃったけど、金貨なんだよな、そもそも金貨を知らせるためのくじなんだし。
日本でも2億現金って言ったら100万円の札束200。縦の帯封ついてる一千万の札束20個。今、電話帳ってあるかどうか知らないけど、電話帳どころじゃない紙の重みがある。一人でかつげるかなあ。重量的に。
金貨千枚をかかえて汽車に乗るのか馬車で帰るのか知らないけど、重いのはいいや。こっちの人たちみんな力あるし。でも、2億現金で持ってるって怖いよねえ。もう少し1等を下げて4-5等あたりを厚くするか。
うちの治安、いい、いいって言われるけど不安だなあ。せめて領都の外までお見送り、と思ったら、ロドリゲスさんが神殿警備隊連れて神殿の外まで出てきて、目があった。
「殿、1等の当選者のかたに警備をつけて送りますが、よろしいか?」
「え?
あっ、その方がいいんじゃない?本人が嫌って言わなきゃそうしてあげて。」
去っていく。警備隊がついてるって、逆に目立つけど、仕方ないよね。
おフダ購入者は少なくとも1度は両替して新銀貨を握りしめ発売所に向かった。話題にもなっただろう。とにかく新貨幣の宣伝になれば。
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他の領に比べてうちの領では買うものが少なかったようだ。学校で話題にしたから、子が親に知らせたようだ。
ようだようだというのは、そこまで取り締まってないからね。
あと、当選者にも、うちの領民が明らかに少なかった。主催者側は当落操作してないから、当選者も購入者も同様の傾向と思われる。
でもまあ、なんだかんだいっても、くじは大好評だった。また開催してくれとの声も大きい。定期的にやるかな。いかん、いかん、新通貨の宣伝が目的だった。くじばっかり有名になっちゃったけど、新通貨の宣伝はどうなんだろうな?
各地で貴族主催くじや裏社会の主催の闇くじが出るだろうな。王命で禁じてもらわないといかんかもな。俺らおフダにくじつけたり神殿巻き込んだ。別にくじ単体でもできるわけだし、真似しようと思えばなんぼでも真似はできる。
各地で真似、というなら、なるべく早く王都でもくじをやろう。新貨幣宣伝のためだし、こんだけ評判を呼んだのなら王都でやってもいいだろう。王都のほうが豊かで人口多いから、もっと評判になるだろう。今回のテンプレ持って行って現場にフィットさせれば、いいんじゃないかな。成功事例の横展開。
悪いものを広めちゃったかなあ。もう少し娯楽を広めないといかん。競馬なんかだと純粋な運ではなくて推理の要素が入るからその方がいいか。
この世界にどんなギャンブルがあるのか調べてみよう。
市が立つだけでもお金は動く。くじなんかは、お金の動きからしたら微々たるもんだ。ただ、話題にはなったよ、話題には。大宣伝。
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少し後の話になるが、新旧金貨の交換率も高めに設定したから、国中の金貨が出てきた。
良貨は悪貨を駆逐した。実はこれも目的のひとつ。通貨の発行高なんか全くわかんない。所有者もわかんない。金貨の交換によって通貨のおおまかな発行高がわかった。
所有者は出入りの商人など通せば秘匿できる。しかし大まかなところは分かった。
ここまでの動きは王国造幣卿ボルケーノの名において全部したことになってる。王国造幣卿さまは書類に記名するという大変重要なお仕事を依頼した。それとくじの期間は神殿にいてもらった。初代造幣卿が推移を見守る。おかしくもなんともない。
何でも俺がやって、貴族社会でねたまれるのはかなわん。俺は酒勇者なんだ。あとナニ勇者って陰で言われてるんだっけかな。
ボルケーノ、何でもするって言ったんだからそのくらいやれよ。くじ貴族。
いきなり大量にお金が出回るとインフレが起こるから国内経済破壊しない程度に外に出す。
そうは言ってもお王様は納得しないだろうから、王城に金蔵たてて溜めといてもらおう。
お読みくださりありがとうございます。
誤字の指摘いただきありがとうございます。引き続きお願いいたします。




