異世界召喚! 異世界宝くじ計画
異世界に召喚された俺は新しく金貨銀貨銅貨を作った。
宣伝と普及を考える回。
若い神官と商人たちが王都のサトー館に来る。
「「「サトー様からご指示のあった、新旧金貨両替の件で伺いました。」」」
「神殿と地方神殿で、門前市をやります。農閑期しかも他の行事が何もない時期がいいでしょう。その際に少しでも両替が進めばと思います。
これについては神殿もご承諾済みです。新神殿設立記念1周年祭をしてくださるそうです。」
「ご指示、っていうよりお願いね。
スンマセン。設立記念1周年?そんなになるのか。祭りの人たちが新しいお金を目にするのはいいかもしれないな。」
「で、門前の市に参加する商人には最初におつりとして銀貨銅貨配っといて、あとで旧通貨で返してもらう。
そうするとあたしらの手間が大幅に省けますんで。
もちろん、市の期間に両替所も建てますがね。」
「スンマセン。そこらへんはお任せします。目的はお金の統一、手段は新しく金貨銀貨銅貨作る、なんです。で、手段の先はお任せします。なるだけそちらの楽なやり方で新旧入れ替えてください。目的と手段がぶれなければ、それでよし。」
「おほめにあずかり、光栄です。」
「たいしたもんだ、よく考えたなあ。」
「いやいや、サトー様の、お金渡すから両替してこいを、そのまま真似させていただいただけです。お殿様が我々に教えてくださったんじゃないですか。」
「そうかなあ。」
「ただ、信用できる人しかお金を先渡しできません。ある程度の規模の商人です。近所から荷馬車一代で参加するレベルの商人とも農民ともつかぬ連中までは、ちょっと。その。」
「いーんじゃないの?それで。両替所も出張してくれるっていうし。
スンマセン。
あー、その、今、思い付きで話していて申しわけないのですが、両替商組合みたいに、なんか団体あるの?商人ギルド。」
「聞いたことないですなあ。」
「じゃあ今すぐじゃないにせよ、両替商組合のでかいの、商人組合とか作っちゃったら?」
異世界商人ギルド設立者勇者サトー。そういえば冒険者って職業とかギルドとかランクとか全く見かけねえなあ。この世界。変なとこでフアンタジー、変なとこでリアルなんだよな。
職安というか、職業あっせん所はあってもいいと思う。
「それも持ち帰って相談させていただきます。」
「あと、これも思い付きなんだけど、市の時に、宝くじしませんか?くじ、わかります?
この国にもあります?」
「ええ、まあ。」
若いモブ神官が戸惑っている。
「おフダにくじつけません?
くじひいて、当たりを一等賞は金貨何枚、2等賞は銀貨何枚。あ、当然、無料じゃないですよ。たとえば、だけど1サントスで1口とか、1ジョーで1口とか。で、当たりが、たとえば金貨千枚とかにするわけよ。たとえば、ね。
ばくちの一種だから、やった側が儲かるようにできてる。」
「でしょうなあ。」
「たとえば、1ジョーで2千口売れたとする。売り上げは2000ジョー。おお当たりが一枚500ジョー、次が100ジョーってやってって、まあ1500ジョーかかったとして、よ。
売り上げは2000ジョー。当たりに返すのが1500ジョー。500ジョーが手間と儲け。
今回は新しい金貨銀貨のおひろめが目的だから、ぼろもうけする必要はないかもね。ロドリゲスさんだっけ、神官長。相談しといて。宗教上くじがいいかダメかから分かんないから。」
「それは王様の許可も要りますなあ。それは私どもからもお願いしておきます。」
若いモブ神官が固まっているところを、商人たちがつなぐ。営業トークっていうかスゲーなこいつら。
「お殿様からも王様に一声お願いいたします。あと、裏社会にもつなぎを。それはこちらから。」
「えっ?裏社会?こわいなあ。」
「ばくちを神殿がするとなると、一声、ね、おかけしておきます。なに、すべての怖い人に連絡ではなくて神殿まわりの、ええ。」
「えっ?神殿まわり?モロ、うちじゃん。」
「あ、新しい町は例外的に裏社会のない町でした。」
「また、新しい話が出てきた。うちのまわりは裏社会がない?」
「貧富の差があまりない、領軍どころか領主がうろうろしてらっしゃる。国内最高の教育が行き届いている。治安は最高です。
新しい町以上に安心な町はありません。」
「ははは。うろうろしてるよなあ。俺。
寄せ集めのものばっかりだから、むしろ治安悪いと思うけどなあ。」
「その寄せ集めのものに土地与えてるでしょ、学校も行かしてる、スキルも判別する。
コソコソ悪事するなら、スキル生かしてまっとうに商売するほうが無難ていう環境ができてるんですよ、ここらは。
働いたほうが得なんです。どんなハズレの連中でもなにかしらんの仕事があります。
それに、大人の楽しみでしたら、その、カワサキがありますから。神殿の近くは清らかなもんです。」
「そういわれればそうか。じゃあ、細かいとこいろいろ詰めといて。」
新しく開発された雑多なところこそ、いろんなもん仕切ったり、なんやかんやの裏調整するお兄さんたちが必要かと思ったらそうでもないのか。ヤクザの事務所すらないただの新興住宅地の団地か。うちは。ニュータウンサトー。
カワサキねー。
神殿のお祭り見て思ったけど、劇場とか、吟遊詩人広場とか、うちの領内ねえな。キッサにはあったのかな?
太鼓しか音楽がない、ってさあ。神殿て文化面でも中心じゃないのか?世界史的に見て。もうちょっと文化的な娯楽がうちにあってもいい気がする。
今まで、文字通り言葉の意味通りの、「食うため」に走り回って来た。そろそろ、健康で文化的な最低限度の生活をめざしてもいいよねえ。学校に図書館博物館ついててもいい。その前に中身収集しないとなあ。まあいろいろ手を出さないとならんので、どうしても文化面が後手に回る。
その点、我が家には伯爵の孫娘で貴族教育をちゃんと受けた「お嬢さま」が二人いるので心強い。
しかし人手不足どうにもたまんねえな。難民は押し寄せてくる。だから人材難か。単純労働の人手なら足りてるか。
学校や役所を運営できるような人間が足りない。ある程度の教育。字が読めて書けて、最低限の足し算引き算と掛け算割り算ができる程度の。
俺の地元の場合、役所は高卒からかな。大卒もいた。やってることは義務教育出てればできそうだけどなあ。9年間の学校教育で充分な感じがする。
日本だと小中高の教員は大卒か院卒だろう。学校行ってる時は先生の学歴なんか聞けなかったし、興味もなかったし、本人も言わなかった。ごく一部の恩師が本を出してて、著者略歴から学歴知ったくらい。
あとは同級生が就職する時になって、地元の国大が圧倒的に有利で東京の私学は不利、って聞いたくらいかなあ。東京の私学いったやつが嘆いていた。最近は地元にも私大できてるけどそっちは教員採用どうなってるんだろ?
教員養成最短で現役合格で大卒として、16年学校教育か。ちょっとうちでは無理だなあ。昔は小学校の先生は師範学校卒が多かったらしいが、何年学校に通ったんだろう?
こっちの世界は、西洋の徒弟奉公的な世界でやって来たらしい。8歳から10歳くらいで弟子入りして無給の代わりに衣食住と最低限の教育を与えられていたようだ。で、それがこの地方ではながらく崩壊しちゃった。客が商品買えないから親方がいない。奉公先がない。学ぶ機会もない。
うちの領内の識字率を、かなり低い今の状態から100パー近くまで持っていきたい。難民の生活や意識を考えたら読み書きそろばんレベルの教育を領主権力が無償で提供するしかないだろう。その方向性は間違ってないと思う。
話は戻るが、人を育てなきゃならん教育をしなきゃならん。人を育てるのに学校を拡張しなきゃなんないが、教員が全然足りないという矛盾。
今は過渡期だから、うちの学校に大卒レベルの知識要求しないし役所もそうだ。しかし、俺の代で出来るかどうか別として、いずれは、そこまで持っていきたいし、持っていかざるを得ないだろう。
教員が大卒前提ってことは、大学建てなきゃならんのか。その大学で教える大学教員はどこから連れてくればいいんだろう?
ともかく貨幣経済の村落への浸透、初等教育の普及、ここからだな。戦後のガタガタ、戦後のどさくさだからこそ色々変えれるのではないか。
お読みくださりありがとうございます。
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