異世界召喚! ボルケーノ男爵
異世界に召喚された俺は内政に励む。
増え続ける移民をなんとかするため、ボルケーノ領へ飛んだ。
三バカの領地には魔物よけ兼ねた高架線ひいてやってる。全く進まないんだけど。俺ら以外のせいで。
鉄道が開通しないにしても、高架は馬車道として利用できてる。
荒れ地のサハラ・サキューは以前からの計画通り、俺が土つくりからする。しばらくはため池に水やる。畑があれば食えるようになるだろう。線路の脇に用水路も通した。土地の傾斜がうまい具合に俺んとこが少しだけ高くサハラ・サキューは低い。うちから流せば楽勝。ああ、線路さえつながればなあ。
今までの領都はともかく、後の農地はなんとなく線路沿いになっちゃった。水と交通を考えるとこうなるな。線路って新街道バイパスみたいなもんだから。
問題はボルケーノだ。何回か案内してもらった。
まずは火山灰をなくさなくてはならない。まだ舞ってる。かなりいいマスクしないと肺をやられるが、この異世界では覆面くらいしかできない。作業後にポーション飲もう。咳してるボルケーノにもポーション飲ます。
すこし火山灰を集めてみて、試しに上から溶岩垂らす。爆発するかと思ったけどそういうことはない。
加熱しても舞うことはないんで、ガンガン集めてジャンジャン加熱する。
ガラスみたいになるかと思ったら、ならない。実家の地方ではボクイシといっていた黒いスカスカの石のようになった。どういう組成なんだろう?
これでは使い道が無いな。
俺の土魔法は出したり動かせたりはするが土を引っ込めることはできない。
大きな穴掘って埋めていく。
陶器レンガに混ぜて焼くかコンクリに混ぜる以外思いつかない。
ん?コンクリ?
ダム建てればいいじゃん。穴掘るのやめ。
いきなり巨大なダム建てても、崩壊したらすごく気まずい。ため池の土手レベルから試作することにした。いつもは石で作る建築をコンクリで作る。
俺が出したコンクリに火山灰混ぜまくる。
山の中腹に、ため池というかミニダム作る。決壊しても大したことなさそうな、ごく低いダムをいくつか作る。ため池の土手レベルの。栓を抜いたら下の農地へ勝手に流れていく。おっ、うまくいくじゃん。
次は領都を囲む塀ね。それから農村を囲む塀。農地を囲む塀。ヘイヘイヘイ。
うちの難民たちからボルケーノ領出身者を集めた。むろん日当は出す。希望者に工事してもらう。おおざっぱな型枠組んでもらって中に俺製の火山灰いりコンクリ流す。
地元出身者の意見聞きながら塀を建てまくる。
コンクリ工事が計画全部終わって作業員をいったん戻す。無人になったら、俺の泥魔法で塀の中を農地にする。火山灰除去した上にいつもの泥をまく。
いくつかの村の分の畑がなんとかできた。
ボルケーノんとこが三バカとおれんとこの中で一番人口が少ないから、難民を積極的に押し付けよう。っていうか、ボルケーノ領から来た奴はボルケーノへ帰れ。ボルケーノゴーホーム。
「スンマセン、ボルケーノさん、畑作ったよ。見て。意見あったら次なおすから。」
「サトー様ああ!」
泣きだした。そうだよなあ。
しかし。
「俺に抱きつくのはやめれ。不精髭同士すれあうの無茶苦茶不愉快。」
くさい。うちの村で風呂入ってるだろうに。あ、村に来た時にしか入ってないのかこいつ。ご貴族様よりもうちの村人のほうが、よほど風呂入ってる。今や。
「それと、これはまだ、ただの土。わかる?畑作ったって、まき時にまいて、収穫期に刈り取らないと何にも出てこない。まだ、いい土の空き地、でしかないんだから。」
「これはサトー様大変失礼しました。娘を連れてきますので自由にしてやってください。」
「待った待った!スンマセン。抱きつくのはやめれって、そういうんじゃないから!俺の話聞いてなかっただろ。
や、嫌じゃないけど!
うちにはキッサから来た奥さん二人いるから!
伯爵家から来た奥さんだから。
ダメ。助けて!まずは俺から離れろ。」
「では、うちの領内でご内聞のうちに。」
「違うだろ!そうじゃねえよ!離れろ。気持ちはうれしい。でもだめ。」
「妻も私も覚悟を決めております。」
「俺もだんだん断り切れなくなってくるから!もうここでストップ。娘も孫も何もなし!
ナニイッテンダ、テメー!
どういう覚悟か知らないし聞かない。奥さんもお前もなし!それはムリ!
とにかく俺から離れろ。ハ ナ レ ロ。」
こいつ、俺の理性崩壊させるのうまいな。
「今後うちの奥さんの前で頼めるお願いを考えるから!
キッサから来た奥さんたちに出せる提案、ボルケーノも考えとけ。
まだ領内の仕事終わってないからいったん帰る!
あと畑、役人の意見教えて。サヨナラー。」
こういうのが、ほうほうのていというのか。這う這うの体。
本能がすでに勝利していたが、損得と見栄だけで逃げかえってきた、アブネー。
ボルケーノの娘、うちの奥さんたちより若く10代後半といったところか。家柄的にも年代的にも第三夫人あり得るのが怖い。だめ。
うちの奥さんたちと同じ南欧系美人。うちの奥さんたちが美人よりなのとは傾向が違う。ボルケーノの娘はかわいいよりのほう。ミスユニバースの南米代表みたいな子。ボルケーノに似てなくて、かわいい、学校でも真面目だし、なかなかできて試験のたびに飛び級してる。すごくいい子。だからこそ絶対ダメ。
絶対ダメな上に、ボルケーノをお父さんて呼ぶの絶対無理。うちはまだ跡取りいないから、ボルケーノの親類になるの絶対避けなきゃダメ。跡取りがボルケーノの孫からやってきちゃう。もうそういうことまで考えてる俺がダメ。
絶対ダメな上に絶対ダメがダブルトリプルで乗ってる。
かわいいからこそ必死で逃げた。
ボルケーノから逃げて、うちの城に戻ったらボルケーノの娘本人がいるじゃん。
やばいやばい。
学校でわかんないことがあったからキャシー先生に聞いてそのままお食事だそうです。うちで飯食えって言ったの俺だった。
ここで呪文唱える。キャシーとケイティキャシーとケイティキャシーとケイティキャシーとケイティー。
変に興奮したんで、エリクサーのんで状態異常を解除。
ん?状態異常?
もし日本の火山灰と同じ性質だとすると山積みすると、雨が降れば泥流になるからあまり高く積めない。一部は畑の下に敷いたりコンクリに混ぜたけど、それでもまだ余った。置き場に困った。
夜中にこっそり飛んで、ときどきキッサのほうへ火山灰泥飛ばしておく。ああよかった。火山灰の処理も、処理したい場所は処理できた。
ボルケーノから鉱山跡地をもらう。農地開発のお礼ね。
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