異世界召喚! 三バカとその家族サトー領内見学会
異世界に召喚された俺は鉄道作ろうとしてんだけど全然進まない。
三バカとその家族をサトー領内見学会にお招きする。
異世界に鉄道通すっていうことに何話費やしてんだ。ラノベなら二話ぐらいだぞ。
いろんなことが並行して、とにかく忙しい。忙しいんだけど、三バカ領地の振興も考えてやんなきゃなんない。いま、げんに、飢えてるわけだし、俺の援助も永遠というわけにはいかない。
まずは三バカ本人と家族をおれんとこ、サトー領に案内した。見学すれば、お互いに発見があるかもしれない。
三バカは自分とこの開発のヒントが得られたら得られる、見学に来てもらうこっちは三家の貴族からの意見がもらえる。双方にとって得の予定になってる。
いっぺんにみんなで王都なり領地なりをあけると困るだろうから、何回かに分けた。一度見たってわかんないだろうから組み合わせも変えて何度も来てもらう。
まずは当主様ご一行。あと若手チーム、奥さんたちチーム。それから家単位。
留守の間の事務屋と門番も貸してやった。王都なら隣の俺の別館から出勤するだけ。4軒の貴族館が並んでいるからできるともいえる。領都のほうは留守番いなくても数日くらいなら何とかなるだろう。
事前に俺の領内には触れを出した。
「 ボルケーノ男爵、サハラ男爵、サキュー男爵の三貴族が復興のために領内に見学に来る。
旧主と会いたくない奴は身を隠せ、会いたい奴は会え、俺はどっちでも構わん。
もし三貴族領内が復興したら、その時は戻りたい奴は戻ってもよい。こっちに残りたい奴は残ってもよいと領主同士話がついてる。
領主サトー。」
その話も三バカにはした。
毎回俺が案内は忙しいから無理。初回三バカは貴族の当主様だから辺境伯の俺が案内する。
「サトー殿、我ら集まりました。」
朝の水やり終わらせて飯食ってるとこに声をかけられる。
「え?集合時間よりむちゃくちゃ早くね?
じゃあ、貴族様たち、いきますよ。」
集合時間より早く集まった三バカに声をかける。
王都から途中までは馬車で進む。俺は酔うから御者席。人目のない郊外までいったら、あとは試作品のバスに乗りかえる。
馬はときどき休ませなきゃなんないから、かったるい。だから途中から馬やめてバスに乗り換えた。
街道を警備する王国軍は、バスを見ても反応なし。またサトーが変なことやってる、くらい思われてんっだろう、おとがめなし。
助手席から親しげに挨拶するヘンリクさんの顔パスの部分もあるな。さすが元国家公務員。最近は神殿と行動するのやめて領内戻ってきてもらってる。
サハラ・サキュー・キッサ領の近くを行く。あきらかに辺境。あきらかに不作。うちとは厳密な意味では隣接してないから、鉄道ひけないのよ。
で、駅からは、その鉄道だ。鉄道乗ってもらわないと話にならない。
みんなで各駅停車乗る。一応予約席だが、あえて1両貸し切りは避けた。色々見てもらいたいから。いろんな人が電車に乗ってる。獣人もいる。おそらく乗合馬車より多様性あるだろう。
急行もあるけど、同様の趣旨で各停に乗せた。駅にのとまる、人が乗り降りする。そこも見といてもらいたい。
サハラ・サキュー領は既に高架設置してるが、今んとこはただの城壁。後は線路ひくだけになってる。
王都の庭園鉄道は高架ではないので、現物を見てようやく理解したらしい。
「高架は魔物がぶつかったり人が入ってこないための塀も兼ねてるよ。作ってみたら魔物に対する城壁と同じことだな。あ、貴兄らの領地はまだそれか。」
最近流行の駅弁を渡す。米の飯の文化が無いから普通にサンドイッチなんだが、大好評。パンに何か挟んで食うって言う発想が無かったようだ。
ああああ、こいつら、なんか食ってると本当に人の話聞かねえな。ちょっとイラっとする。
領内では学校、役所、ため池と畑、獣人たち、工房。特徴的と思われるものを重点的に見てもらった。
キッサから来たうちの家来がキャシーとケイティ見て涙ぐむレベルの出来事は起きなかったが、まあまあ歓迎されてた。本人たちが言うようにそこそこ善政敷いてたんだな。
こいつら、初対面の印象がひどすぎた。息子を従者の振りさせてアポ取りに来た。アポ取りだけなら従者を演じる息子にさせればよかったじゃん。で、軽くうちにあげたら、俺のメシだけ食って、まったくオレの話を聞いていなかった。今日もそう。駅弁出たらその間は全く話聞いてねえ。
そこいらの行動がすべて三人揃ってバカだったから三バカだと思っていた。しかし考えてみたら、あれから一緒にいて、あほなヤラカシしてない。普通のおっさんかもしれん。
夜は三バカには、まずカワサキのお風呂で遊んでもらった。俺は不参加。こっちの文化的にはオッケーなんだけど、地元だからねえ。あとで報告が来るし。
カワサキのお風呂でも無理無体はせず、素直に大喜びしていましたとあとから報告が上がってきた。けど、そんだけ。普通に素直に大喜びして、する事しておしまい。
こういう報告上がってくるんだから、俺はいかなくて正解なの。
腹いっぱいになってみたら、本来の貴族としては案外まともだったのかもしれない。
今でもうちに来てメシ食ってるけどね。こいつら。
貧乏すぎて愚行すらできない可能性を、俺はまだ捨ててはいない。ある程度生活安定したらどうなるんだろうこいつら。
ドワーフたちの中には、ボルケーノの山に滞在したことがある連中もいるらしい。ボルケーノ男爵と腕相撲したり飲み比べをしたりしている。ボルケーノもドワーフもぶれないなあ。俺の酒なんだけど。
組み合わせを変えて何度も来てもらった。
すっかり慣れたころ、三バカの子どもたちが俺のところに来た。この子たちも大分表情が出てきたな。初めて会った頃は本当に暗い感じの子たちだった。ポーション飲ませて体調良くなったのと、食事、それとほかの世界を知ったからだろうな。同じ国の近所の領地だけど。
「ん?今日はどうしたの?」
「サトー様、わたしたちもこの学校で学ばせていただけませんか。」
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