異世界召喚! 増税決議
異世界に召喚された俺は鉄道作ろうとしてんだけど全然進まない。
領主業務に追われる日々。
新築の議事堂での第一回村長会は、まず、ご領主様の短い挨拶。
「あー、集まってもらってスンマセン、サトーです。第一回村長会開きましょう。忌憚なく話し合ってください。今回は。でも、うらみっこなしで。言うだけ。今回は。じゃあ、あとよろしく。」
俺は開会を宣言して出てきた。
俺退出後、村長会議長をンゴバさん満場一致で選出したんだそうだ。俺が領主館戻って休んでたら、ンゴバさんが慌てて俺のとこに来た。会議場になった兵舎と近いといえば近い。
「殿、ワシ、村長会議長に選ばれてしまいました。」
「スンマセン、ちょっとほかに人いないんじゃないの?はじまりの村からの歴史知ってる人だし。」
はじまりの村はわざわざ二票にしたのはそのためだし。俺の深謀を知れ。
「お殿様は村長会会長です。」
「え?
俺?俺って村長じゃないじゃん。
俺トノサマ。俺領主。おかしいだろそれ。」
「それをいったらワシも村長じゃないですよ。村長はニコア。」
村長会の趣旨が伝わってなさ過ぎたか。英国王室みたいに名誉会長みたいなポジションでいればいいのか。
「うーん、ンゴバさんがひまってわけじゃないけど、ニコアさん忙しいからなあ。
手が生えてからますます忙しくなっちゃったでしょう?
スンマセン、いま、議事中断して、領主の承諾を取りに来たの?」
「ええ、まあ。中断というより休憩して、例の根回し密談をしているところです。」
やっぱりこいつら抜け目ねえな。
「そんなん代官さんに話しとけばいいのに。」
「その代官様が、サトー様に報告しておけと。」
うわー、そのレベルの話なんだなコレ。一連の出来事のスケール感が全くわからない。
「スンマセン、会長と議長の件、領主が了解。」
「ありがとうございます。」
そうなった。あとから知らされたんで断りようもない。
あとから代官さんが詳細な報告書持ってきた。
「スンマセンでした。お疲れ様。議事録残すレベルの話したの???」
「まず、ンゴバさん議長をンゴバ以外の満場一致で選びました。
その後は、第一回目ということもあり、顔合わせでもあり、村や村長の自己紹介がだらだら続きました。
議事録にはその自己紹介も掲載しました。村長名簿も添付してあります。
二日目は自由討論で、税金の値上げの請願がありました。」
「え?値上げ?税金の?」
「はい、豊作が続き、もう少し税金を値上げしてもらいたい。決議だと固いので誓願、ということで。」
「え?決議だと固いので誓願?どう違うんだろう?」
「さあ?村長会でご領主のなさることは決められませんから、お願いの形でしょうか?
村で抱えている収穫は充分にあるので、領主に持っていてもらったほうが安全だろうという話でした。」
「えー、倉庫代わりか?」
「いえ、税金ですから収めっぱなし。村に戻ることはないです。」
「まあいくらかは還元しなきゃなあ。」
民主主義の珍事態だな、増税要求とは。よく聞いたら、村の財産を俺が保管して守れという話でもあるなこれは。何かの時に寄付してくれたらいいのに。
「ただし、村によって貧富の差があります。新しく成立した村にはさほど蓄えが無ありません。村ごとに税金の額を変えてくれ=率を変えてくれということでした。
どうやら、その、そこは休憩中に話がまとまらなかったようです。」
メンドクセー。あいつらそのために集まったの????
「あとは各種申し合わせをああでもないこうでもないと話し合い、三日の期日が終了しました。次回の日程も決めました。」
閉会は宣言しなくていいのか領主は。
「閉会は代官長、殿の代行として宣言いたしました。
年に一回ぐらいをめざすけれども、今回の申し合わせの具合を知りたいから、半年後に又させてください、とのことです。」
「はい。領主了解。
場所は、議事堂でよかったの?」
「ええ、村長たちには好評でした。」
「じゃあ議事堂の日程抑えといて、それで。
夜の話し合いもできて、無事目的は達成できましたと、ニコアさんからも話があった。
カワサキ村の娼館からも報告があった。村長さんたちの一部がやってきて、つましく遊んで帰りましたという実名入り報告。夜の話し合いは三次会も行く人は行ったのね。
カワサキ村の村長は自重したみたい。地元だとちょっとねえ。もう一か所どっかに歓楽街建ててやろう。そうしないとカワサキ村の村長は一生遊べない。
まあ王都に行けばいい話だな。しかし鉄道どうにもならん。気持ちがささくれてるというか高ぶっていて眠れない。
工房に歩いていって、ボディーソープ、酒、ポーション、化粧水、いろんな頼まれもん出して寝た。
お読みくださりありがとうございます。




