異世界召喚! 王立鉄道警備隊発足!(でも線路はまだ)
鉄道作ろうとしてんだけど色々大変。全然進まない。
鉄道熱は上がりっぱなしになってきた。上がりっぱなしになってきたけれども、それは担当の小役人には関係がないんだろう。貴族なんだから少なくとも一度は離宮で鉄道に乗って、重要性は理解している(はず)。
着工の許可が出たはずが、全然進まない。
物資の使用許可が出ない。購入許可じゃなくて使用許可。(まあ俺が出すんで買わないけど。)
一事が万事、全く許可が出ない。話が進まない。ここぞという山場もなく、ただ時間が浪費されていく。
日本の鉄道も計画から実際の意開通するまでって結構時間かかってるよね。あれは工事以前の土地買収とか、その前のルート決定とかからすごく時間がかかってる。異世界でもそうなるとは思わなかった。それほど異世界小説読んでたほうではないが、ふつう、バーッと作っちゃうでしょう。主人公が。線路出てこない場合、街道のルート開拓しちゃう。
あれってフアンタジーなんだよなあ。実際にはいろんな奴がギャーギャー言って全く進まない。ギャーギャー言うならまだしも、どっかで話が止まってて、それをこっちに教えない。
俺、異世界勇者だったら、そいつらぶった切ってるぞ。異世界勇者だけど。斬れないけど。
話を進めるために、王様に頼んだ。困ったときの王様頼み。もう、俺、側近よ。俺を公の謁見の場で叱ってもらう。
「サトー辺境伯っ!鉄道を命じてから一年以上がたつが、離宮の庭園鉄道以外、まったく出来てないではないか。全権委任するから今年中にサトー領から離宮まで線路を引けっ。
できない理由を並べるのではなく、やれ。
いつまで待たすのか、待たすなら待たす理由を次回の謁見までにまとめよ。」
ヨッシャー!王様が打ち合わせ通りのことを言ってくれた。しかし本気で怒ってねえか?
「スンマセン、いたします。いたします。スンマセン。
いまままで遅れましたことをお詫びいたします。全権委任されました。全権とは申しましても鉄道の件のみと理解しています。
そうはいっても、私ひとりでは何もできません。大臣役人の皆様よろしくお願いいたします。」
ひさびさの土下座。早速、王立鉄道の強みが出た。
はい、着工。
鉄の線路は警備隊が到着してからとして、基礎部分をガンガンのばしていく。
途中で気が付いて高架の幅増やした。一段低いところには3車線幅の高速道路も付けた。街道から離れるとこ通すから街道機能も付けちゃおう。
城壁、線路、街道の機能を持った壁がどんどん進む。いままでの俺んとこの線路にも高速道路足した。
鉄道に並走する管理用の道路どうするべい。警備兵も巡回しなきゃなんないし。巡回は騎馬、手動トロッコ、巡回用小型機関車、どれがいいんだろう?警備隊の意見聞いてからでいいや。まずは騎馬でやっといてもらおう。
最近ドワーフがデイーゼル自動車を開発した。いくつか出してやって参考にさせたら色々改良したトラックを作っている。領内で試作品実験してみてよければ市販、王国軍にも献上しよう。
次に呼ばれたお茶の時に鉄道の警備を依頼する。最初はうちでやろうと思ってたけどしがらみが多すぎる。
「王様、この間はありがとうございました、さっそく着手いたしました。最近建設予定地に怪しい者が出没しています。まずは魔物を滅ぼすのと怪しい者を捕縛しないとなりません。王軍をお貸し願えませんか?」
「サトーの領軍で充分だろう。近衛貸さなくて王軍なのはなぜ?」
「スンマセン。妨害しているのは貴族の手下だからですよ。俺がやれば貴族に恨まれる。近衛が出ても貴族に恨まれる。
捕まえはするけれども裏金貰っていつの間にか逃げ出しちゃった形で収められる国軍が一番向いているかと思いまして。」
「それ、大将軍にいったら、怒られるぞ。」
王様と隊長が笑ってるけど、あんたのとこの軍隊よ?
「スンマセン、将軍には言いませんよ。で、何回かしくじったら、ひょっとしたら近衛に代わってもらいます。多分、出てこなくなると思いますけど、まあ相手のあることなんでわかりません。」
鉄道が開通したらふたつの隊が必要になります。これは絶対に近衛兵から出してください。
鉄道に乗って警戒する隊と、鉄道利用せず馬で巡回する隊です。
線路に鉄使いますし、車内は車内で貴重なものがありますから見張ってもらわないとなりません。王宮の警備隊にお願いしたい。
鉄道に乗りこむほうの人は武技はいいですから、一般人の乗客と接ししても大丈夫な人。多少年取っていても、怪我が残っていても構いません。少ない人数の隊で乗ってもらいます。2-3人でいいんじゃないですかね。
巡回するほうは騎馬の知識あんましないんで、もう隊長さんにお任せします。
給料は鉄道から出しますが、いったん王国へ納入します。王様から鉄道警備隊に払ってください。」
謁見が終わると早速、廊下で王宮警備隊の隊長に呼ばれる。
「なんで王宮警備隊が線路を守らねばならないのか?
近衛兵が増えるのはいいことだし、お金も出すというならなおいいんだが、よすぎる話だ。
キョータ殿、話がうますぎる。本当のところはどういうカラクリか教えていただだけませんか?王様に言えないような黒いこと?」
(警備隊の隊長って信用できるのかなあ?まあいいや。)
「スンマセン。近衛兵のようじゃなくて、でも近衛兵のような、です。近衛兵の実際の人数増やすためですよ。
とりあえず鉄道警備隊の形で100人くらい増やせるといいんですが、えーっと、近衛兵の信用できる兵士と指揮官て、何人くらいまで増やせます?」
「どのくらい信用できるか、どのくらい技量が求められるか、だが、増やすぶんにはそのくらいなら簡単に増やせる。鉄道警備隊の仕事を細かく教えてくれ。塀の上だから魔物はまずないだろ?」
「そうですね、鉄道に乗りこむほうの人は貴族同士が揉めたときの仲裁。これはいきなり貴族になった俺や俺の兵隊ではできません。王様直属でないと。あんまりひどいようなら身分に関係なく次の駅で降ろします。
あー、巡回するほうは鉄のレールと車庫の警備です。魔物は想定してなくて、金物を盗みに来る盗賊団を考えてます。これも貴族の息がかかった連中だと面倒。」
「その程度なら近衛の精鋭を回さなくてもよいな、100ならすぐにでも回せる。」
「一応、組織の上では鉄道警備隊、です。平時はそれで。スンマセン。
ただ、なにかの時は鉄道で駆け付けられる近衛兵が増えたとお考えになって結構です。
なんなら、近衛兵と定期的に交代してもいいかもしれません、騎馬の巡回、魔物との戦闘、ほか、お願いします。
すべて隊長にお任せしますが、未熟な連中回してもらって実地で訓練でもいいかもしれません。線路止まってる時は訓練していただいても構いませんし。
で、鉄道会社から直接給料出るより王さまからもらったほうが気分いいですよね。」
「隊長さんには申し訳ない言い方になりますが、警備はうちの獣人だってできます。実際に領内では獣人が回ってる。」
「でも、王国のまさかの時にうちの獣人がお城に駆け付けたってなにもできないでしょう?「ウォー助太刀しろとサトーの殿さまに言われた。サトー家の者です!」獣人が何人か飛び込んで来たらどうなります?
うちの連中むちゃくちゃ強いですけど、使いどころに困ると思います。」
「プッ、確かに心強い援軍だが、使いどころに困るなあ。そこまで考えておったとは。サトー殿には何から何まで世話になるな。」
「よしてください。異世界から連れてこられて、石垣作って線路ひくだけの男です。じゃあ100人選んどいてください。いくつかの班に分かれてもらいますが、まとめる人間もお願いします。」
それにしても馬車が運ぶ量と速度を考えたらけた違い。
たしか平成の貨車一両に30-40トン積めたはず。そのあやふやな記憶のもとに机上の計算を続ける。荷馬車1台が1トン積めるとして、荷馬車30台分、しかもそれは貨車一両の話だ。
10両編成で荷馬車300台、20両編成で600台。それが馬の最高速で1時間でも2時間でも進む。駅で止まるけど。
人の流れと物流革命が起きるはずだ。関所も通らなくて済むようにあえての国王直轄地を進む王立鉄道。線路わきには高速道路。やっと最初の工区着工だ。
とにかく忙しい。鉄道の件は早く終わらせたい。領主っぽい仕事はあんまりない。代官さんたちが善政敷いてくれてるからね。
じゃあ何が忙しいかって、水やり。これは順番に線路際に村を移していこうかと思う。
大体最初は畑に水やりしてたんだけど、人が増えて間に合わなくなってため池にためる形にした。それでも忙しい。村も人も増える。水やりは村から村へと移動してさっと水をやるから、時間取られる。それほどは疲れない。
村を回るのが大変なんだから、それを回避すればいいのか。線路に用水路足せばいい。そっから線路沿いの村に水が流れりゃいいか。
水道橋というか線路わきに水道つくって流せばいいのか。なら村を回る回数減らせるな。最近はせっかっく水やりに村に行っても、陳情がないんだよね。話す時間もあんまりないんだけど。
「村はうまくいっております、ありがとうございます。」
「そうか、よかった、がんばれ。」
だけの会話ってむなしいじゃん。
水やり以外は名産の油作りやらなんやら液体だし、エリクサーもそれか。整地と開墾、こまごまとしたことがいろいろある。
問題は下水の排水なんだよなあ、これは相当練らないと、だいぶやばくなってきた。鉄道ハヨ開通してくれ!
お読みくださりありがとうございます。




