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異世界召喚! 王立鉄道会社設立

俺は、鉄道建設するはめになっちゃったんだけど、全く先へ進めない。王立鉄道会社を設立することにした。

 そういえば鉄道通すのが本題だった。


 王様じきじきに、国内に広く鉄道を通せとの仰せをいただいてる。

 俺が線路ひくのは割と簡単なことだ。高架建てて鉄のレール敷くだけなら、離宮の町まで三日でできるんじゃないか?

 駅舎建てたりを周りに頼んでも、そんなに時間のかかるもんじゃない。


 じゃあ何が問題かっていうと、各方面の調整がアレなことになっていて、なかなか進まない。いや、全く進まない。国王に指導力無さすぎ。彼個人の問題ではなくこの国の制度の問題だろう。誰かがどっかでとめてる。俺が頭下げて金渡さない限り話進まないんだろうな。しないけど。

 敗戦後、今までの仕組みの上にさらに他国から来た貴族が口をだすようになり、戦後の復旧すらうまくいってない。


 こんだけ非効率なら何十回戦争やっても全部負けるわ。「戦争をさせない国」だなここは。どっかの進歩的な皆さんはここに召喚されて住んだらいいよ。


 そもそもの話、おれ、鉄道通さなくったっていいんだもん。ここまでひっぱっといて、実は。


 鉄道通せば莫大な利権が発生するのもわかってる。わかってるけど、こんな異世界でその利権から発生した儲けの使い道がない。肉は獣人が取ってきてくれる。酒もある。飢えたのは最初の一年。河童に教わったら金銀銅俺が出せる。この世界で手に入るもののうち必要な物は大体手に入れてる。


 話変わるが、俺のルーチン業務に、まず本来の領主業務がある。統治せず君臨してればいいのかな?

 原則うまく回っている。流入する難民が多すぎて従来のコミュニティが成り立たないという問題はあるが、俺が来たとき従来のコミュニティが崩壊寸前だったから。

 キャシーとケイティーが女領主みたいなもんだ。代官さんほか家臣団まとめてうまく回してる。


 あとのおれのルーチンというと、村を回って灌漑と開拓、新しい町の工房に戻って販売用などの酒油シャンプーほか各種液体製造。特殊兵器密造。


 その貴族でもそうなんだろうけど、そのルーチン業務のうえにくっだらねえクソ交渉なんてしたくないのよ。俺は。

 異世界の多分考え方から違う連中に理を解き利を説明するほど俺人間できてねえもん。


 でもそれとは別に仕事として「こっち」のことは詰めておく。


 この離宮線は例によって複々線にするけど、ここから先の主要幹線はもっと大規模になることも想定している。何度も商館主さんたちや代官さんたち俺の奥さんたちと会議を開く。役人へのプレゼンのためにこっちはこっちで考え固めとかなきゃなんない。


 相手は、領内みたいに、「試しにやってみようぜ。」が通用しない連中だから。


 こっちはこっちで、定例会議とアイデア出し会議とその後の意思決定会議を兼ねてるのでともかく段取りが良くない。


 以前結論が出たはずのことが前提が変わってしまって、蒸し返して再度議論することもある。何を調査したらいいかわからないから事前の調査も甘かったりする。相手のあることだから仕方がないんだけどね。今までの前例もないし。


 悪い会議の典型例でともいえる要素がずらっとそろってる。異世界に鉄道通すんだから、まあ仕方ないよね。


「スンマセン、鉄道を通すのは決めました。でも、そっから先に決めなくちゃいけないことがたくさんあるでしょ?。


 俺は経営の素人、工事の素人、なんでも素人だから、ジャンジャン言ってみてください。


 今日一日で結論出るもんじゃないだろうから、順不同で思いついたとっからお願いします。」


「殿さま、まずは経営の仕組みでしょうなあ。わたしたちが商人のせいか、殿様が仕事押し付けられ大損ていうわけにもいかないでしょう、と考えます。」


 何度も話してるんだが、この件はいい結論が出ない。


「殿様の前で言っちゃあなんですが、王立官立ではうまくいきっこないです。赤字になったときに殿様のせいにされたからかなわないですよね。さてどうしたもんでしょう?」


「そこなんだよねえ。でもさ、王様の命令でつくるんだし、よその貴族の領も通るし、とにかく邪魔されたくないんだよね。だから王立だろうなあ。これは王様に何度も提案してるんだけど、政府の結論が定まらないみたい。」


 これだけ大きなプロジェクトになると、民営の私鉄というのも無理がある。建設費用は俺が石出せばほぼただみたいなもんだが、そのあとの鉄道経営を邪魔されたらかなわん。神殿経営にして神殿を強くし過ぎるのもダメ。

 だから、うちの領内の仕組みを利用する、いわゆる横展開、ヨコテンは機械的にはできない。


 じゃあどうするんだっていう話だ。結論から言うと王立民営。王様にも経営陣に入ってもらう。


 償却償還とか減価償却とかわかんない連中だから最初11年くらい10パーセントの配当回してやればいいか。


 どうせどうやたって、王様にも王国にも運営できないから、経営権運営権を俺たちが握るしかないんだもん。


 書くと面倒だが、要は、王立鉄道会社の名前で運営はこっちに任せてもらう形にもっていった。なんでこんなに運営形態にこだわるかというと、二つのことを避ける意味だ。

1.鉄道たてました。ああそう、じゃ没収ね。

2.あっちにもこっちにも必要はないが権力者の満足で通す、大赤字で全部維持できない。


1はまだいい。どうせ維持できなくなったら泣きついてくる。2の場合が困る。俺が大損する可能性がある。


 国王個人と神殿と商会たちが株主で、王立鉄道株式会社つくる。しかしうちの領内の会社とは別会社にする。

株主の構成が微妙に違うし、経営分離しとかないとこんがらがるからね。名誉総裁は当然国王。そのために王様引っ張り込むんだから。副総裁は神官長。国費からも神殿からもお金は貰わない。社長以下は商人の互選。


◆ 



 商人の知恵借りたら、ほかにもまあ細かい話が出てくる出てくる。


「株主は公募しましょう。賛成したやつは少しは儲けさせてやりましょう。すこし、ですけど。貴族多めに入れていけばいいんじゃないすか?」

「王様個人にも株主になってもらいましょう。なに、そのお金も俺たちが渡し、その金で株主のひとりになってもらいましょう。」

「え?」

「王様個人じゃないと担当の大臣がでしゃばるからそれを防ぐために王様個人にお願いしましょう。

配当が入れば王様が自由に使えるお金もできますし。」


「貴族領通すと変に余計な口出しされても面倒ですよね。

ご近所三貴族以外はなるべく国王領を通したいですなあ。そのためにも王様が社長で株主のほうが便利ですねえ。」


「ともかく工区を細分化してそのたんびにお金貰いましょう。払い渋ったら満額払い終わるまで次を作らなきゃいい。踏み倒されたらかなわんでしょ殿。」

「スンマセン、無料で建てるんだってば、土地はあっちが無料提供っていうか敷地は国王直轄。そこへ俺が石ダーッと流して線路ひく。ほぼただ。

 でも工区細分化はいいかもな。今度王城にいったら聞いてみます。ありがとう。」


「 乗っ取りや盗難を防ぐために車両基地整備工場をよそへ出したくないですね。鉄の線路は毎回しまえないから仕方がないとして、機関車は守りたいですね。うちから伸ばす形。全部うちの領内に建てて、毎朝始発で出発する。」

「スンマセン、うち、ってサトー領のことだよね?」

「殿さまっ!失礼しましたっ。その通りです。」

「いいよそこまで贔屓にしてくれてるんだから。

機関車置き場、かなり厳重に守らないとならんねー。うちの領以外なら鉄は高く売れるかも。」


「スンマセン。話変わるけどすべての駅前は鉄道会社の所有にしたいなあ、

今まで鉄道ひくと駅前がごちゃごちゃするでしょ、計画的に町を作りたいんだよね。」

 沿線開発デベロッパー。昭和生まれのアラフォー日本人としては駅前の土地は必ず押さえたい。


「スンマセン、また別の話なんですが、線路通す前にそこらへんの詳細な地図ってあるの?」


「国にあるかどうかはわかりません。軍部なら持っているかもしれません。聞いてみてください」

「商人は不正確な地図ならあります。どこを通るのに何日、迂回した場合はどこへ出る、どこが大体何人位暮らしている。このくらいこういった物がとれる、それがわからないと仕事になりませんから。」


 商人地図より詳しい地図は無かった。ガンダル国持っていっちゃったとかじゃなくて、本当に最初からないらしい。

 俺の領主証にもずいぶん適当な地図しかついてなかった。


 鉄道一段落したら測量だなあ。伊能なんとか氏ってどうやって国内測量したんだろう????

GPS衛星マジで飛ばしたろか?





◆ 

 後の話になるけど、長距離の直線を通すのって結構難しかった。飛行クラブに大きな旗つけて飛んでもらったり、磁石で方角決めたりいろいろしたんだけど、どれもうまくいかなかった。最後にウマノスケさんのマッピング能力に頼っちゃった。


 アイデアとしては巨大な塔建ててそれを目印に進むとか、その塔からビーム出すとか、人工衛星飛ばすとか、そこまで行かなくても巨大な気球あげて電波当てて見当つけるとか、色々出た。俺の脳内では。


 なんかすればおもしろかったかな。


お読みくださりありがとうございます。

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