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異世界召喚!20日目 新たな旅立ち

第六話 召喚7日目~20日目


  お約束の巻き込まれ召喚ライフもついに一週間が過ぎた。俺がひたすら走り込みと素振りをさせらている間に、おばちゃん勇者とネーちゃん勇者は着々と修業を積んでいる。

 

 今日は訓練第一期終了というか、休日というかで訓練もなく、兵舎から出て町へ出かける。


 離宮がある町見物だ。さすがに王都は見せないんだろうな。


 神殿にいって能力を計測した時以外敷地の外に出たことが無かった。なんせ異世界の町に出るのは初めてだから、班行動だ。出発前にいろいろな注意を受ける。異世界から来たというのは黙っていてくれといわれる。俺たちは他国からの使節団の下っ端、ということにする。


 上同士が王都で話し合っている間に下っ端にはお休みが与えられた。せっかくだから、いろいろな街を見てらっしゃいということになった。で、団長さん他が離宮の町を案内する。そういう形だ。


 班長=団長さん。俺たち召喚された者一人につき一人従者が付く。他にもいろいろあってなんだかんだで10人くらいでぞろぞろと歩く。


この世界はいわゆるナーロッパ世界だ。初対面コスプレ集団からそうだったが。洋風というには微妙に違和感がある石造りの兵舎を出て、ゲームに出てきそうな「町」を団長さんを先頭に歩く。


 騎士団長はこの離宮の町では有名人らしく、皆が一歩下がって頭を下げる。団長さんは普通に挨拶を返しながら進む。


虎の威を借りる狐とはまさにこのことで俺らもふんぞり返って歩く。



 見たところ、このナーロッパ世界は南欧系というか南米系らしき人たちで構成されているようだ。髪は金髪か黒いか。ブルネットというんだろうか。瞳も青か黒あるいは茶色。俺らアジア人三人組は目立つなあ。異国の使節団と言われたら納得するだろう。


 いかにも異世界っぽそうな、例えば緑の髪とか、目が半分金色に光っているとか、そういう奴は今のところ見かけない。魔法だ召喚ださえなければタイムスリップしたと言われても違和感無さそうだ。


 座学で獣人の存在を教わったが、この国が差別的な政策を取っているので、街にはあまりいないらしい。


 異世界に慣れることが目的なので、お買い物実習もあった。出発前に一人あたり小金貨3枚と小金貨2枚分の崩した小銭を貰った。


 腕のいい職人の日当が小金貨1枚というから、だいたい一万円見当か。



 ものによって、もとにいた世界とこっちでは価値が全然違うので単純に物価の計算はできない。


 町を見て歩くが、常設の商店は少ない。いくつかあるにはあるが、商会の事務所というか、やけにでかい邸宅だ。


 庶民向けの店は市というか、仮設の屋台や、ただ敷物を敷いて路上で物を売っているところが多い。近郷近在から物を売りに来ていたりするのでこうなっているようだ。

 生産業、物流、商業と分かれているのではなく、自分たちが作ったものを持ってきて売る、そういう段階のようだ。



20日目


 離宮での訓練の日々が続いていたが、勇者は泊りがけの訓練ツアーへ行くことになった、そのタイミングで俺は離宮の町から追放されることになった。


 大臣に謁見の機会があたえられ、以前から2-3ケ月暮らせる分のお金を要求をしていたが、改めて要求した。


「大臣さま、スイマセン。今のわたくしの力ではとても王国のお役に立てそうもありません。お慈悲を頂けますならば、当座の生活資金としてどこかで商売を始められる程度の、数ケ月の生活費を頂けますようお願いいたします。」


 若い、いかにも切れ者の貴族、といった男が大臣に耳打ちする。どうせろくなことを助言してねえんだろうな。


「うむ、金は使うとなくなってしまうだろうから村をやろう。王様からの思し召しじゃ。ありがたく拝領しろ」


「え?召喚される前の前世は、いたって低い身分のものでしたので、領地の統治などしたこともなく、とてもおぼつきません。どうか、今一度お考え直し下さい大臣様。スイマセン。」


いったんは統治できないからと断った。カネくれよ。


「なら、村に加えて貴族にしてやろう。


 通例であれば、引退した勇者は一代限りの辺境伯となり、子孫は子爵か男爵として遇される。また勇者時代の功績に応じて領地を与えるのだ。


 オホン、お前の場合は功績ゼロの引退勇者として村ひとつと辺境爵を与えよう。」


「や、大臣様、先ほどと重複してすみませんが、低い身分のものでしたので、貴族など身に余る光栄。わたしのようなものの振る舞いでは、王国の名誉をけがしてしまうかもしれません。」


「辺境爵と言っても一つの村しかなくては王都に来るのも大変だろう。参内せんでよい。領内で好きにやれ。われらが国王が爵位と家名をくださる。キョータ・サトー辺境爵。それが不満か?」


(まんまやんけ!)


「いえいえ、身に余る光栄で、恐ろしく感じます。ありがとうございます。」


 ついに押し切られて村を貰った。少なくとも、ようやくこの気まずい環境から逃げることができるのはよかった。


 俺が持って行っていい品物をおばちゃん勇者と相談する。


「スンマセン。逆に俺は何を貰えますかね?」


「ホームセンターにあったガラス類、石鹸やシャンプーといった身の回りの品と苗は勇者と国へ分配されるよ。」


 俺には来なかった。まあホームセンターにあったというだけで、別に俺が買ったわけでもないんだし仕方がないな。


「農具だって、国が使うから、園芸用品はほとんどだめだね。すまないねえ。」


ネーチャン勇者は無関心。おばちゃん勇者はすまながってくれた。


「むしろ、お役に立てなくてスンマセン。これから村に赴任するのにどうしたらいいんですかね?」


 地味に痛かったのはキャンプ用品も王国が使うことになった。アウトドアグッズは勇者と近衛騎士団が使うよなあそりゃ。俺がサバイバルするのに必要だと思ったんだけどなあ。


 王国と勇者が使わない残りの中から荷馬車二台分持って行っていいといわれる。聞いたら荷馬車1台に100キロくらいらしい。


 優先順位考えながら、生活用品として鍋釜包丁の安物を貰った。安物のプラケースとラップをすこしお願いした。それと園芸用品はとくにスコップにこだわった。ちょうど大量に入荷した後だったんで貰えた。

 あと、化学肥料、猫草ももらった。


 ペットショップの餌が余ったので鳥の餌とドッグフードとキャットフードをそれぞれ2袋ずつもらう。それ以上は重くて積めそうにない。もう一台増やしてもらい鳥の餌とドッグフードとキャットフードは荷馬車いっぱい貰った。



 生活用品や服はこの世界の庶民用のをくれたようだ。


 さーて、失格勇者の本当の冒険が始まるぜ!



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