異世界召喚! 異世界宗教改革
今日のあらすじ
異世界に巻き込まれ召喚された俺は、宗教改革にのりだすことにした。
暗殺されそうになった俺は教団の運営に介入することにした。
「スマン、神官長さん、名前聞いてなかったな。」
「ロドリゲスといいます。」
「え?代官さんと同じなの?混乱するなあ。先代の神官長さんのお名前は?」
神官長氏は北欧系というか、色白碧眼金髪の暗めのイケメン。陽気な南欧系茶色い目に濃いセピア色の代官さんとは見事なまでに対極的だ。
「ダンスタン、でした。」
伏し目がちに語る。カッコイイ。
「うーん。
ダンスタン2世というのもなあ。何か一気に改革しますというのを名前にも出したいなあ。
あー、そういえば、ご祭神の名前は?
俺がいた世界は、アマテラスとか、オーディンとか、それぞれ神様の名前があったんだけど、こっちに来たら神様、神殿、で、神名を聞いたことないんですが。」
「あ、神様のお名前は『トミー』様です。
この世界における唯一絶対最高存在なんで、お名前があるにはあるんですが、神様、で通用してしまうので、お名前は滅多に使うことがありません。」
またずいぶん庶民的な名前だなあ。もっと荘重なお名前をお名乗りになればおよろしいのに。
「じゃあ、あなた、『トミー神に仕えるもの』っていうこっちの名前を神官長として名乗ったら?ロドリゲスは勘弁して。」
「あのう、神官長も一人しかおりませんので、就任すれば神官長と呼ばれます。正式な書類上では神官長ロドリゲス、あるいは同じ名前の神官長と区別する場合は、~王の時代の神官長ロドリゲス、となりますが、他ではまず、神官長なんですが、どうでしょう?
名前を変えるというのは考えたこともなかったのですが、ご領主さまがおっしゃるなら、どうしましょう?」
「スンマセン、俺の言い方がまずかった。要は、教団も神官団も変わった、というのを示したいんだよね。名前変えたらわかりやすいかなって言うだけで、あんま深い理由は無いのよ。」
「あ、その点でしたら。
わたしが神官長となったプロセスに異を唱える者も多くいます。あまりに急な変革は反対派を刺激します。申し訳ないんですが、徐々に改革していくしかなさそうです。
たしかに名前を変えたほうがいいかもしれませんねえ。」
「エッ?反対派?どこに?」
「あの、仮神殿にいる神官団はあの事件を目のあたりにしてます。ご領主さまには逆らえません。その後のお裁きも心服するものが多いです。
ですが、しかし、地方聖所の神官の中には頭が固く、今までのやり方に固執する者もおります。
さらに、その、ご領主さまのホーリーエリクサーに、嫉妬と申しますか、あの、地方聖所のものがですね、。
統制不行き届き申し訳ありません。」
「わー!地方聖所があるんだ。そこにも神官さんがお仕えしてるのね。」
知らなかったぞ、おい。
「はい。地方聖所の長の中には、反対者もおります。なんで神殿が地方に回るんだと。
言いつけるようで申し訳ありません。私が時間をかけて説得いたします。」
「すまんねえ。要は、うちを通せ、ってぇんだろ?わかるよ、担当者からすれば。私腹を肥やせなくなるんだから。
俺もさ、絶対にちょろまかすなとか、ましてや教義の変更とか、そういうことを求めてるんじゃないんだよ。もうちょっと庶民にやさしくしてやってくれねえかなあって。
つまりさあ、教えの運用っていうか、活動の方向性でさあ。」
「なんていったらいいのかなあ。鑑定も癒しの奇跡も、貴族や大金持ち優遇から一歩か二歩、庶民サイドに寄せてほしいんだよね。全面的にひっくり返す気持ちは無いのよ。
そこらへん、地方聖所の先生も集めて会議で議論してもらうか。」
「会議ですか。教団は神官長の命令で動くタテマエではありますが、一度集まってもらうのはいいかもしれません。」
「スンマセン。じゃあ費用はうちが出します。
会議名目だと堅苦しすぎるかなあ。神官長の就任式って、大々的にやるもんなの?」
「先代がああいう形で亡くなってご領主さまが私を指名してくださったあと、仮神殿で済ませました。」
「あー!そういえば、御神託って形で領内に来てくれたんだよね。
神官長になったら、御神託が下りるもんなの?」
「いえ、わたしにはまだ。」
ますます暗くなる神官長さん。悪いこと聞いちゃったか。
「スンマセン。正当性疑うわけじゃないんだけど、弱ったなあ。お告げのスキルとかあるのかねえ。」
『神託はなかったよ。ダンスタンのデタラメ。』
脳内に言葉が流れ込んできた。
神官長もすごく驚いて周りを見回しているので、彼にも聞こえたんだろう。というより流れ込んできたんだろう。
隣の部屋から神獣が入ってきた。
「スンマセン、今の声は神獣さん?」
「そうだよ。うっかりして声じゃなくて心に話しかけちゃった。驚かしてごめん。」
「スンマセン。神獣さんは鑑定の他にもいろいろできるのね?」
「鑑定以外はほとんどできないよ。
言いたいのは、ダンスタンには神託のスキルが無かったってこと。」
あー鑑定の専門家だもんなあ。神獣。念話できるじゃん。あとナニができるんだろうこの神獣さま。ほとんど、ってナニ?ほとんど。
「シメタ!ダンスタンに神託のスキルが無かったこと、神官さんたちの前でもいってくれる?」
「キョータが困ってるんなら、いうよ。」
「ご領主さま、神託が先代のデタラメだとした場合、仮神殿の場所が。」
「スンマセン。それ考えてなかったけど、どうすっかなあ?
うーん、あ、そのために会議開くか。
そうしよう。ロドリゲスさんの神官長就任祝いと、仮神殿問題。」
「地方聖所の者たちは自分たちのところこそ最適と言い立てると思われますが、いかがいたしましょう?」
「そうだね、神官長さん、俺たちが仮神殿すごいの建てるから、俺とか商人に借金して。いや、数字だけの話で。
こんなスゲーもん建てちゃったけど、こんだけ借金があり、移転は難しいって話で。話だよ。オハナシ。バーンと、すごいもん建てちゃおう。あとでドワーフと費用とか、相談しといて。王都にあったやつの倍の建てよう。我ながら倍が好きだな。アハハハ。
スンマセン。ところで神獣さん、神官さんたちのスキル覚えてる?」
「覚えてるよ。」
「じゃあ、今の神官さんの中で、暗殺スキル、法具使いスキル、神託スキル、持ってる人います?」
「いないね。法具使いスキルは仮神殿の人だけ。他は仮神殿にも地方聖所にもいない。」
神官長がますます暗い顔になった。あまりにもやばい事実だろそれ。
「じゃあ、神獣さん、神官さんたち以外でそういったスキル、持ってる人います?」
「いないね。神託は俺しかいない。」
「「エー!!!」」
また爆弾をブっこんできやがったなこいつ。不気味な外観からは感情を読み取れない。
神官長は頭抱えてうずくまっちゃった。俺もそうしたい。
「暗殺は居ないよ。ただ、気配隠すのうまいやつとか、遠隔魔法うまいのとか、そういうのは鑑定したことがあるよ。あとなんだっけ?」
「「 暗殺、法具、神託です ! 」」
「じやあそういうことだね。役に立ててよかった。」
「「 ありがとういございました! 」」
「神官長さん、今日のところはいったん終了ということで。
スンマセン、色々衝撃の事実があって、ちょっと考えさせてください。驚きすぎてなんも考えられんわ。俺キャパシチー越えちゃいました。」
「ご領主さま、私もです。すこし考える時間をください。」
メシ食って風呂入って横になった。
神獣さまってスゲーな。神託聞いたほうがいいのかな?言わなかったところ見ると知らないほうがいいのかな?神獣さまってスゲーってことはアニキ分の河童はどうなるんだろう???
領内で俺に役に立ちそうなスキル持ちたちを抜擢して異能バトルしたら、異世界小説みたいで面白そうだな。
私兵団はほぼ獣人部隊になっちゃったけど、異能力の特殊部隊いたらすげえよな。厨二的異世界キョータ無双してみてえ。
あ、俺のスローライフとハーレムどこ行った???
神殿移転後の鑑定結果は俺も知らされてるけど、その前の結果は神獣と神官団しか知らないし。神官長さんに資料教えてもらえばいいかな?
俺は県立高校受験に失敗して滑り止めのプロテスタント高校に入学した。そのせいか、こっちの世界の宗教に失望していた。あまりにもひどい。
いつか領内の宗教を改革せねばならんと思っていた。そのうちそのうちで結局手つかずだったな。暗殺失敗の負い目があるうちのいま、やんなくちゃ。
むちゃくちゃ興奮していろんな方向へ発想が飛びながら寝落ちしてた。
お読みくださりありがとうございます。




