異世界召喚! 光り輝く俺(全裸にタオル巻きマン)
異世界に巻き込まれ召喚された俺は、タオル巻いただけの姿で輝きだした。
光り輝くタオル巻きマン。
「お?お?お?
アアアアッ!いけねっ!
スンマセン!みんなエリクサー飲んで!」
「シシシ。なんか魔法攻撃浴びてるシシ。」
シシトーさんも光ってる。
「スンマセン。たぶん、教団の暗殺ですが、これじゃあ証拠がないなあ。エリクサーが効いてますじゃなあ。とほほ。」
光り輝き、途方に暮れるタオル巻きマン。
「領主さまなにをおっしゃいますか。神官長の差し金以外何があるって言うんですか?!
ええーいい!
領主さまが気が向かないなら、ウチで人を雇うように店の主に申し伝えます。
皆さん、うちの店が費用は持ちますからいいですねっ!」
こいつはキレモノ番頭と違って本当に怒ってる。
「何をおっしゃいますか、お宅の主さんに相談してる間が惜しい。わたしはそのくらいの権限は頂いてる。即断した。さあ、そいつらんところへ連れて行ってくれ。時間との勝負だよここは。」
あー、ここは異世界。証拠なくても殺しちゃうのか。しかも、堅気の商人がフツーに殺人手段持ってる。
いくら、殺される前に殺しちまおう、って急いでる時だけど、でも、誰が殺すかでもめるっていうのも、たいがいだなあ。
「スンマセン!みなさんちょっと待って!
魔法攻撃効いてるかどうかって、魔法かけた術者にわかるのかなあ?」
魔法効かないってバレたら今度は物理的に殺しに来るだろう。こっちは不死状態エフェクトかかってるけどね。相手は知らない。
「術者にわかるかはわからない。
でも。
魔法の流れたどることはできるシシ。あっちの方から攻撃されてるシシッ!」
「エッ?そういうもんなの?じゃあ、タノンマス。たぐってっちゃって。魔法使い特定出来たら締め上げて誰に頼んだか白状させて。
あっ、簡単に殺したら駄目だよー。
あああ、いっちゃった。聞こえてたかなあ?ド-ベルさんも頼む!」
「はい!」
「しかし、領主さまは豪胆というかなんというか、たいしたおかたですなあ。」
「スンマセン。流れ読めてなかっただけです。」
すぐにシシトーさんがドーベルさんと戻ってきた。両脇に血まみれの神官長と若い神官かかえてる。スゲー体力だな。
ドーベルさんに渡したくなかった気持ちは分かる。シシトーさんの獲物だ。
「こいつらが妙なことしてたんで捕まえてきたシシ。」
「何を言う!知らん。知らんぞ。」
「スンマセン。神官長さん黙って。
さて、神官さん、今、白状すれば命だけは助けてやろうかとも思ってます。」
「はい。領主さま。
神官長さまに命じられ、法具を使いました。」
はい。神官長さま死刑確定。
ポーションを飲ます。神官長さま猊下をシシトーさんにおさえ付けさせる。
俺が片腕を切り落とす。これはつらいけど俺の仕事だ。苦労して斬った。
小説や劇画だと、ズシャッ、と切り落とすんだが、実際にはそうはいかない。ミスリルの結構いいナイフだが、骨に当たる。関節沿いに切ろうと思うが、思うように行かない。軟骨か腱か分からんけど、異常に切りにくいところがある。力を入れるとナイフが変なほうに逸れて、自分を切りそうにもなる。
結果として、めった斬りというか、何回も関節まわりをぐりぐりやって切り離した。俺も疲れた。おさえ付けてくれてたシシトーさんもしんどかっただろう。
ポーションを飲ます。エリクサーはあげない。
肺に水を送って即死させるよりも苦しめて殺す。
「助けてくれ!」
「痛い?今まで殺した人は助けてくれも言えずに苦しみながら死んだんだろ?」
片腕斬るのに苦労したんで、シシトーさんに片足をぶった斬ってもらう。うまく切る。何かコツがあるんだろうな。切ったとこの止血をする。今度はポーションもやらん。
「スンマセン、シシトーさん。」
「シシシ。俺も殺されかけたけど、殺すなっていうから連れてきた。早く殺したいシシシ。ウォオー!」
こええ。暗殺者よりあんたのほうがコワイヨー。俺に威嚇を向けないでほしい。
「スンマセン。神官さん。法具ってどこにあるんですか?」
「仮神殿にあります。」
「神官さん一人でも使えますか?」
「はい。神官長さまのご許可があれば?」
「スンマセン。神官長さん。許可出しますか? あなたの首を切り落としますか?どちらでも。
それとも、りょ、う、ほ、う?」
「そちの自由にしていいから、助けてくれ!
痛い痛い!許可許可許可!本当に痛い!ンギギギッ!」
「スンマセン。神官長さんの許可出ましたね?」
「ええ、まあ。」
「じゃあシシトーさんとひとっ走りして法具持ってきてください。
ね、神官長さん、首を切り落とすのはやめますよ。」
「領主さま、あれは持ち運ぶには難しい大きさです。」
「そうなの?じゃあ、シシトーさんと使ってきて。
シシトーさんも頼むね。」
誰に使おうとしてるか、シシトーさんには分かってる。聞いてこなかった。
「使ったら壊しちゃって。そんなもんはこの世にあってはいけないものだよ。」
「シシシ。そういうと思った。」
神官長は暗殺魔法で翌日まで苦しみ続け、自分の犯した悪事を語り続け、死んだ。暗殺魔法のもう一つの効果らしい。
「ぐわああああ、そちは殺さぬといったではないか!」
「スンマセン、俺が言ったのは、いいですか?
〈 首は切りません。 〉でしたよ?首は切りません。首は。
ちゃんと約束は守ってます。それよりあなたがした悪事、見聞きした悪事、どんどんしゃべってください。」
「ぐあああ!
暗殺の法具を使ったのは、(以下略)」
べっらべえら白状してる。
神官長の告白は代官さんとさっきの若い神官に書き取らせた。これで教団と領主側両方に同じ資料が残る。
俺はあまりの内容に気分が悪くなって、途中で退席しちゃった。俺の聞いた範囲だけでも暗殺魔法以外にも、結構えぐい悪事に手を染めてたおっさんだった。
今夜の教訓 獣人怒らしたらダメ。
◎◎◎ ◎◎◎ ◎◎◎
神官長がお亡くなりになったのを確認して、俺、シシトーさん、ドーベルさんと若い神官で仮神殿へ向かう。
「スンマセン、神官さん。例のやばい法具はどれですか?」
「こちらです。」
ガタガタ震えている。そりゃそうだよな。文字通り怒り狂ってる獣人怖い。
ステータス診断の神獣になんとなく様式が似た禍々しい法具。確かにデカイ。
「スンマセン、こんな大きなもん、よく、混乱の王都から持ち出せましたねえ。うちまで運ぶの大変だったでしょう?」
「神獣様に並んで。教団唯一最高の宝ですから。」
「あースンマセン、この法具は呪いの暗殺魔法以外の使い道はありますか?」
神官長にいまわの際に聞けばよかったな。暗殺魔法にかかった彼は包み隠さず答えただろう。
「わたしたちはそれしか使い道知りません。」
そんなもんが唯一最高の宝な宗教団体ってどうよ?
「スンマセン。他の神官さんたちはどうですか?」
「「「「存じません。」」」」
返事からするに、こいつら何回か使ってやがるな。なんで敵が攻めてきたときに敵の将軍に使わなかったんだろう?
「じゃあ、スンマセン、暗殺以外に使い道のないコレ、ぶっ壊しちゃっててもいいですね?」
誰も返事しない。
「ぶっ壊しちゃっててもいいですね?」
その場にいた神官とシシトーさんがコクコクうなずく。
「じゃあ、スンマセン、壊す前にこれの使い方教えてください。あー、誰か書き残さなくていいの?っていうか文書化すでにされてる?」
「門外不出の秘中の秘ですのでここにいるものしか知りません。書きものにも残さないで口伝で伝わりました。
この法具にお願いすると、悪者を成敗してくれます。」
わるものを成敗する感覚だったのね、きみたちは。
神官長が祈り、法具の前にいた者の寿命と引き換えに、祈りが聞かれます。何年寿命が縮むのかも分かりません。
神官長から神官長へ、告げられていたのかどうかも分かりません。」
一番老けてる神官が答えてくれた。
「エッ?寿命と引き換えなの?で、神官さんおいくつ?」
「30です。」
「エーッ?俺より若いの???あ、スンマセン。よくそんな仕事受けたなあ。」
「ギフトがあるんです。『法具使い』としての。逆らったらこちらが殺されますから、絶対に反抗できませんでした。すみません。」
70ぐらいかと思った。村の老人といい、ホント年齢分からんが、こいつらは寿命と引き換えに人を殺してたのか。で、若い神官はまだそんなに法具を使ったことがない、というわけね。
「じゃあ、そんなものは記録に残さないほうがいいですね。スンマセンが壊します。溶岩出しますからみんな下がって。」
溶岩出して、一緒にドロドロに溶かした。
「スンマセン、シシトーさん。なんか悪いもん出てきてます?」
「シシシ。悪いもんも封じ込めたらシ。」
「ヤベー。封印が解けたらまたやばいやつってこと???」
「シシシ。そこまではシらない。わからない。シシ。」
神官たちに壊させればよかった。
教団人事に介入して、若い神官を次の神官長にした。
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