異世界召喚! 海鮮酒場の女体盛り
今までのあらすじ
異世界に巻き込まれ召喚された俺は、大忙し。
またも海の村に行き貝のヒモノを食う。
「スンマセン。塩ってどうやってとってるのですか?」
「壺を浜に埋めて、干満の差を利用し、汲んだ海水を精製して作ります。」
そういえばこの間も同じ質問したな。そうか!月が無いから潮の満ち引きが小さいのか!だから入浜式ができない。潮干狩り難しいかなあ。
「貝は?」
「このような道具で陸地から引き寄せるようにして採ります。」
巨大な熊手のような道具を見せてくれた。あったのね、すでに。
「スンマセン。こういうのは獲れますか?」
砂にへたくそな蛸の絵を描く。
「オカシラ?!なんで蛸までご存知で???」
「ですから、海の近くの生まれなんだってば。すげえうまいのから猛毒があるのまでいろいろあるから、いきなりここらのはくえないけどさ。
あー。たぶんだけど、壺から出られないように、こういう入るけど出られないフタつけてみてください。獲れるかもしれないです。スンマセン。もうやってました?」
また、絵を描く。
「オカシラの命令とあれば試してみましょう。」
「スンマセン。命令じゃないんですけど、猛毒のもあるから、ひとくち試してからじゃないとかなり危ないです。
あ、ポーション何本か持ってきましたから、あたっちゃったらどうぞ。」
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新しい村でも「ホーリースーパーウルトラハイエリクサーゼット 改」をモブ難民のなかから希望者に飲ます。結構、欠損してる人多いのよね。
予防接種と違って、持病の治療薬みたいなもんだから、かなりの割合で希望者が集まった。皆さん切実だもんね。
欠損の予防ポーションて出来ないかな?防御力高めて魔法状態異常無効にすればいいのかな?途方もない副作用が出過ぎて怖い。今はとにかく、状態回復の「ホーリースーパーウルトラハイエリクサーゼット 改」だ。
例外なくいきなり体が膨張するから、希望者には風呂場で全裸になってから飲んでもらった。
男女別で投与したんだが、やっぱり例外なく体が膨張したらしい。らしいっていうのは女性のほうは見てませんからね。
おっさんたちは体が膨らみ、目が飛び出し、ひどい人は口から胃袋が裏返って出てきたり、脱肛したりしてた。くさい。汚い。怖い。グロい。
で、しばらくすると、かなり若返って、髪もふさふさ、ひげももじゃもじゃ。本来、あるべき姿になったようだ。
ギョロちゃんはもともと痩せてたから目立たなかったが、多少太ってきたうちの村人たちは激やせしてる。なんかものすごく消費したんだろうか。大丈夫か?
濃厚牛乳と、濃い目の栄養ドリンク出して飲ませておく。
そういえば、はじまりの村に来た時、村人たちが実年齢よりもあまりに老けていることに驚いたなあ。「ホーリースーパーウルトラハイエリクサーゼット 改」を飲んで大体のあるべき姿に戻ったんだろうか?
自分で「ホーリースーパーウルトラハイエリクサーゼット 改」だしといていうのもあれだけど、不思議だ。異世界ミラクル。異能ミラクル。
女性が若返ったのを見て、村中の女が「ホーリースーパーウルトラハイエリクサーゼット 改」を飲みたがる。婆さんたちも若返りたいんだなあ。しかし欠損がある人に限定してもらった。
まだまだ副作用がどうなるかわからんし、今も世話してくれてる婆さんたちが同年代まで若返るのはなんとなく気まずい。まあ副作用なければ婆さんたちにものもさなきゃならんのだろうが少しでも先に延ばしたい。
次回からは「ホーリースーパーウルトラハイエリクサーゼット 改 副作用軽減バージョン」を出してやろう。
それと、もう一人説得が必要な人がいる。
「スンマセン、ニコアさん。もう少し、様子見るまで、せめて半年待っていただけますか?腕は生えてきた、でも1週間で苦しみながら亡くなりましたでは困るんすよねぇ。
ニコアさんが今倒れたら村全体が困る。今日薬飲んだ人に悪影響が出なければ、ニコアさんもどうぞ。せめて半年、待ってください。スンマセン、お願いします。」
「腕が生えるにこしたことはないですが、もう長いこと片腕で生きてきました。
そう。
昨日までは生えてくるなんて思ってもなかったんですから。
あと半年くらい、なんでもないです。なんでもない。はい。」
ニコアさんの内心はわからないが、表向きは快諾の形をとってもらったんで助かった。
「スンマセン、お願いします。」
ンゴバさんが、さらに実験台を申し出てくれた。
「なるべく早く死んだほうが村のためかと思っていたが、薬の実験台になるならさせてくれ。なんなら、試してみたい配合があればそっちでもいいですが。
この村は殿が、全部、文字通り、たてなおした村です。この爺も充分お世話になりました。」
あー、村に来て最初、うすーいかゆをご馳走になったなあ。同じ年らしいんだけどなあ。爺とおれ。
んで、ンゴバさんには「ホーリースーパーウルトラハイエリクサーゼット 改 副作用軽減バージョン」飲んでもらった。
やっぱ若返った。
やっぱいったん大膨張したが、でも、モツでんぐり返しとかは無かった。
黒人系だから黄色人種とは違うけど21世紀基準だと40代くらいの見た目にはなったんじゃないだろうか。
目がかすんでたのも治ったらしい。老眼か白内障かわからんけど、ポーションやヒールでは治らなかったレベルの状態が改善された。ま、手が生えるレベルっちゃあ、そうなんだからさ、白内障ぐらいは治るさ。白内障かわからんけど。
まあ、なんとなく俺と同年代ぐらいに見られるルックスにはなったんじゃないか?
しかしンゴバさんの黒い髪アフロふさふさ、黒髭もじゃもじゃもかなり違和感があるなあ。
ヒゲ、どうやって整えてたんだろう?剃刀とか無さそうだし。
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村での騒ぎが落ち着いたので、いつもの水やりからヒールから全部済ませて、また貝を食いに海の村に行く。今日のお供はトラさんガジロウコンビと代官さん。役人と治水の専門家、そして護衛。トラさん貝大丈夫かなあ?
天狗の善人坊さんはすっかりこの村が気に入って勝手に往復してるんで、わざわざジャンプに連れてくることはしなかった。
俺たちを見つけたギョロちゃんが助走をつけて飛びついてくる。
「グエッ!
スンマセン、痛いんで、もうちょっと優しくしてくれよ。」
河童が戦闘形態に変化したが、殺意が無いのが分かったのかすぐに素に戻る。河童もギョロちゃんも怖いんだけど。
「オカシラ!スンマセン!」
ギョロちゃん、俺に心酔してるせいか、スンマセンまで真似しやがった。まあ、真面目に謝っているのは伝わった。痛かったけど。
「オカシラ!この間言われたやり方で、タコ獲りました!猛毒のとそうでないのと見分けがつくようになりました!
これ、食えるタコです。」
タコとイカ、フナムシみたいなのが混じってた。
「エッ?猛毒のどうやって分かった???
スンマセン、みんな大丈夫??」
「オカシラが言ったように一口を舌の上に乗せて、しばらく大丈夫だったら食う、またしばらくしてもう一口。具合悪い場合はポーション。
オカシラが、そうやれって、教えてくれたんですよ、もう。」
怖いから。
上からデカイ声で抗議すんなよ。あと、俺が命名してギョロちゃんに改名したことになってた。そうだったかなあ。
俺はフナムシは遠慮して、タコとイカ、ポン酢締めでいただく。
で、どういうわけか、やっぱり、酒盛りになった。
俺が酢を出して、ポン酢締めのほかにモズク酢、たこと海藻のぬた、イカ焼き。貝の酢締めとヒモノ。そして各種酒。
海鮮酒場か。
地元民に酢は、うけが良くなかった、酢味噌は誰も食べない。
「フフフ、オカシラ。これ、今研究中の秘密兵器。」
ギョロちゃんが、釣り竿と糸巻きつけた簡単なリール竿を見せてくれた。酔っ払いが長いものを振り回すのは良くないな。アブナイ。大体酔っぱらってギョロ目が据わってる。アブナイ。怖い。
「スンマセン。これは良さそうだな。
あのさあ、今日は酔っぱらっちゃったからアレなんだけどさ、うちの村にドワーフいるから、今度ギョロちゃんも連れてくよ。ドワーフと相談して。」
「オカシラはドワーフまで従えてるんすか!」
「スンマセン。従えてるっつーより、いてもらってるって感じかな?
漁の道具とかも相談したらいいよ。村長さん覚えといて。次回。」
「オカシラのことば肝に命じました!」
いやいや、そこまでの話じゃないから。
でもさ、遠くに漁具を飛ばすんだったら、飛行クラブが上空から落とすのでもいいよな。
上空から釣り針と浮きを落とすんだったら、いっそ、軽めの地引網ひっぱってってもらって、村人が総出で引き上げればいいか。
磯とか浜とか、地引網を引ける地形とか全くわかんないから、これも村とドワーフに丸投げだな。
思いつくことは毎回多いんだが、なかなか覚えてらんない。
俺が推理小説かなんか書いたら、謎解き以前に伏線回収できないまま投げっぱなしで終わりそうだな。この世界にあるのかな?推理小説。今度ケイティーさんあたりに聞いてみよう。
これも~さんにと聞いてみよう頼んでみようみようのたぐいだ。
んで、そのまんま忘れてることが多すぎるなあ。
酒盛りの中独り素面でぼーっと考えてたら、村長が下卑た笑いで話しかけてきた。こういう場合は大体ろくでもねえ話だな。猥談くらいだといいんだが。
「宴たけなわではございますが、オカシラは獣人に偏見ないんですよね?」
あ、中締めという名の終了の文化がこっちにもあるのかと思った。猥談とは違った。
「うーん、スンマセン、まあ、もとは異世界の人間だからなあ。偏見以前に全く見かけなかった。
こっちで初めて見たから、こういうもんだと思ったのかなあ。
このトラさんなんか、実に気がいいおっさんで、結構世話になってるんだよ俺ら。」
「殿!フエイクニュース!殿が俺ら猫族を保護してくれてる。恩返ししタイガー。」
そっちのトラさん成分も入ってるのか、こいつ。
ギョロちゃんはただただこっちをにらんでる。尊敬のまなざしだと良いなあ。
「隣の村に人魚族がおりまして、お気に召したら連れて帰ってください。おーい、アリエルとウンディーヌ呼んできてくれ!」
「スンマセン。婚約者がいて、そっちはちょっと。。。。」
え?人魚?
アリエル?ウンディーヌ! ウヒヒヒ。猥「談」とは違った。
「村長、お主もワルよのう。グフフフ。」
「オラ、アリエルだぁ。」
「ウンディーヌ、どぅええええす。」
ウヒ?グフ?
あああああ、やっぱり半魚人だった。やっぱり半魚人。やっぱ。
アリエルは鯛系の赤い顔半魚人。ウンディーヌは青魚系半魚人。人魚族じゃなくて魚人族だろ。
魚面人身だから、エロ自体は可能だろうが、オカシラ付きの舟盛り状態で誘惑されてもなあ。女体盛りプレイか活き造りかわからん。異世界というよりは異次元の遊びになりそうなんで遠慮しておく。
まあ、たしかに獣面人身の獣人のルールには合ってる。変なとことで律儀な異世界ルールだな。
俺が期待すると大体斜め方向のおちだけど、まあまあの線で収まって、大惨事までには至らないっていうのも異世界ルール?。
「スンマセン、人魚族のみなさん。村長さんにはお話したんですが、隣の伯爵家から婚約者がきてるんで、その、そっちは、ご遠慮します。スンマセン、ありがとうございます。」
サヨナラ。魚人のする女体盛り。
「あー、それよりも、うーん、人魚族の得意分野って何でしょう?
ここにいるガジロウさんは河童で、水関係がお得意。で今日来てもらいました。トラさんは猫獣人で接近戦とか狩りが得意な種族で、ご本人たちもそうです。
代官さんは文字通り代官。行政の専門家です。俺の代理で来てもらうこともあるでしょう。
うちの村では、万能選手というのはいません。何か一つ得意があれば、どうぞお越しください。
スンマセン、今すぐでなくていいんで。
あっ、ところで、そのう、スンマセン。人魚族の皆さんは、海で漁とかは?その、お得意ですか?」
「先祖の言い伝えではワタスタチは海の魔物から逃げてきて陸に上がったんだそうだす。今でも海は、とんと。苦手で。はぁ。」
「あっ、スンマセン。そうだったんですね。そうか。
でも、まあ、他にあったら、ホント、今すぐでなくていいんで。大体の場合は、自分の得意って他の人たちと関わらないと気が付かなかったりしますから。
スンマセーン、お待ちしてます。」
逃げ帰るように、新しい村へ戻る。トラさんとガジさんは置いてきた。
お読みくださりありがとうございます。




