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異世界召喚!4日目にしてすでに詰む

第五話 4日目


 今朝は若い騎士の人に起こされる。毎回違う人なんで名前も覚えられない。朝飯前に兵舎の脇に集合して、広場を走り込み。今朝はまず、鎧の着け方を習う。結構複雑な結び方だ。一度では覚えられない。


 今日から朝練も鎧を着けて走る。ガチャガチャと鎧が当たり、脇が痛い。


 鎧を調整するとか、わきに綿を当てるとかの発想はないようだ。筋肉痛のほかに脇も痛い。女の勇者の二人はそんなに痛くなさそう。あとで調節するような布を貰おう。


 魔物と対決中に鎧無しで斬られる事を考えたら、鎧に慣れておいたほうがいいのはわかる。わかるけど、重い。痛い。簡単に言うと、鉄板を身に着けているわけだから当然だけど。




 朝飯後、昨日とおなじように剣術の稽古をする。こちらは鎧なし。全身筋肉痛の上に脇がすれて痛いので木剣振るだけで痛い。


 団長さんは初回だけ。あとは別のおっさんが教官につく。俺だけ素振り。罰ゲームだよこれ。体育の時間に見学するより恥ずかしい。



 昼飯はマナー講座の時間を兼ねた。基本的には異世界も食事のマナーは簡単なものだし、そう変わらないので助かった。




 午後はまた座学だ。世界の説明が続く。この惑星も球体という認識はあるらしいが、大きな海を越える航海術はまだ開発されていないので、ここの大陸以外は謎なんだそうだ。




 3時から魔法の練習。

「本来世界にある魔力を、自分を通して凝縮させ、発現させる。」んだそうだ。

それぞれに適性があり、ネーチャンは火炎系、おばちゃんは雷系だが、魔力強いとレベル低い魔法なら適性外でもできるらしい。




 俺は生活魔法だけ。




 しかも水(LV1 チョロチョロ垂れる程度 )と回復(LV1 小さな傷の治りが早い)だけ。



 魔法使いの先生からあからさまに失望される。特殊スキル・ギフトの類は 発見されなかった。



 レベルの高い回復魔法が使えれば、おばちゃん勇者とともに行動する手もあるだろうし、後方職の方がむしろ前衛よりは安全かもしれないが、このレベルでは同伴も難しいだろう。




 元の世界では仕事辞めたりくびになったりしたけど、これほどの悲しさは無かった。どうせ次もあるさと思って今までテキトーに生きてきた。なかなか見つからない時期もあったけど、条件下げれば、次は確かに、あった。今までは。




 しかし異世界で何のスキルもなく、ただ召喚されてきた異世界人では、どうやって生きていけばいいのだろうか?おばちゃん勇者のお情けにすがって従者として生きていくか?ネーちゃん勇者のほうは望み薄だな。


 今までの知識を生かして異世界の賢者チートも考えたが、文化が違いすぎて、転移もの王道のせっけんの製造と丁寧に手を洗いましょう以外は何の役にも立たなそうだ。


 火縄銃でも実用化できればいいんだが、火薬の製造を俺たち転移者は誰も知らなかった。まさに絵に描いた餅だ。


 火薬と鉄製の円筒を工業化できればなんとかなりそうだがその肝心の工業力が無い。


 火薬はホームセンターにある材料で簡単にできるらしいがやり方が分からない。黒色火薬は木炭混ぜるから黒い。それ以外の硝酸なんとかが分かんない。こっちの世界で何と呼ぶか通訳の指輪も訳せないってことはこっちにはその化合物の概念すらないんだろうな。

 あと、それより製法が簡単と思われるアンホ爆薬は「アン」モニアと「ホ」を混ぜるんだと思うがその「ホ」がわからんし、そもそもアンモニアの工業的な作り方とかも不明なんで火薬開発は無理だ。





 今のうちに何とか生きる手を考えないといけない。考えても答えは出ない。


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