異世界召喚!空飛ぶ領主。
前回までのあらすじ
異世界に巻き込まれ召喚され、村の領主になった。しかし領地半減の処分がくだった。
新領地を見に行くのにいろいろ支度をするのに時間がかかってたら、まだ出かけないうちに代官さんがまた戻ってきた。
「キョータ殿、王都からの役人が正式に国王の代替わりと伯爵家の代替わり、領地半減を言い渡しに来るそうです。キッサ家の使いが先回りして教えてくれました。
それと、先日お話ししたお嬢様がたの私物を引き取ってまいりました。」
「スンマセン。うちはさっき、役人さんが来ました。」
伯爵家と新興男爵では扱いが違うんだろうか?
「そうですか。
まずは、お嬢様の荷物積んできましたんで、荷馬車ごとさしあげます。お受け取りください。
それと、この者たちは先日お嬢様が話していた者たちです。声を掛けましたところ、思ったよりも希望者が多かったので、まずはお嬢様が指名した人間を連れてまいりました。
あとの者はサトーさまのご許可があればと思い、キッサ領内でお返事をお待ちしています。」
伯爵も雇い人を減らすだろうということで、行き場のないメイドや女中さんも8人来て、今までのお付きの2人を足すと10人に増えた。
「スンマセン。領主してます。代官さんやお嬢様のこれと思う人ならば、歓迎いたします。他の人も呼んで構いません。よろしくお願いします。」
伯爵孫娘たちの私物として金銀財宝ガッツリ持ってきた。金銀プラチナ含む金属の地金ならなんぼでも出せるが、細工はできないし宝石も難しい。
使い道ないけど伯爵の孫娘たちが経済的に困ったら、彼女たちの一時しのぎにはなるだろう。あ、今はだめよ。高級品を貴族がたたき売ってるから大暴落してるんでね。
それと代官さんが退職金代わりに麦と荷馬車を貰ってきた。
「これはお嬢様たちの分とは別です。私が持っていてもあまり役に立ちそうにありませんので献上いたします。」
「スンマセン。遠慮なく。」
荷馬車アンド馬、むちゃくちゃ増えてねえか?馬獣人たちに管理お願いしとく。
あと、代官さんのほうでこれはと思った伯爵家臣に声を掛けたら、何人か来たいそうだ。下見からもどったら、また考えよう。向こうの状況わかんないし。これだけ人が増えると内政外交の専門家が増えないと回らなくなってきた。
しかもさらに、王都邸の購入を勧められる。
「いくら参内しなくてよい特権を持つ辺境貴族でも、王都邸を持って定期的に参内しないと、ますます損な決定をされてしまいます。」
「スンマセン。王都いったことすらないですし、維持管理無理っぽいんすけど?」
「何なら伯爵王都邸の一部を買い取ってくださってもよいと王都に向かった重臣たちから手紙が来ております。
お嬢様たちとの結婚同様、今なら戦後のどさくさで、借金のかたに差し押さえの形で無料でお分けできます。借用書もこちらで用意いたすと連絡が来ております。」
「え?スンマセン。王都邸って維持費どのくらいするんですか???それと、重臣の人たちには何をお礼にすればいいんですか?」
「こう言ったら失礼ですが、馬小屋と倉庫とある程度の敷地なら無料で差し上げられますし、王都にはごく少ない家臣で充分でしょう。
王都に領主が常駐し、側室を侍らせ、さらにそれを支える使用人を大量に雇うなら、もちろんそれなりの出費がかかります。
しかしキョータ殿のこの村での生活を拝見している限りではそのような暮らしはなさらないでしょう?」
「はははっ。スンマセン。側室どころか、キャシーさんケイティさんと結婚すらままならないですねー。現金ほとんどないんすよ。ホント。」
「それは恥ずかしながら当家も同じです。戦費に使い過ぎました。」
外交官というか連絡係を王都に一人、館を管理する者を何人か伯爵の家臣の中から雇ってくださればそれでいい。いわば結納金がわりと、家臣団の失業対策だそうだ。ならいいか。
代官さんとキャシーさんケイティさんと相談した結果、原案通りで頼む。
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いよいよ下見に旅立ちの日だ。見送りに来た村人たちを前に。飛行クラブの連中と村の広場に立つ。
「さぁ!今度こそ本当の旅立ちだぜ!」
とおもいきや、ひょっこり、としか言いようのない形で、御者のヘンリクさんが仲間を連れてきてくれた。
「こんにちは。離宮の町からここまで一緒だった御者仲間に相談したらみんなで行こうという話になりまして。しばらく逗留させていただいてもいいですか?」
「「「「「よろしくお願いします。」」」」」
さらに荷馬車5台と御者が10人増えた。ハンス君他、元兵士も10人ついてきた。
「「「「「よろしくお願いします。」」」」」
今、うちの村には荷馬車いったい何台あるんだ?ちょうどいい機会なのでみんなに紹介して村人になってもらう。村人も何人いるんだろ?引っ越し前には確認しておきたいよね。
「スンマセン、ハンス君、都はどうなってるの?国は?」
「ハッ!近衛騎兵団は本来なら王様を護る部隊ですが、その戦力を買われて先鋒として戦い、大打撃を受けまして、ほぼ壊滅。
第一兵団が王様を護り、王様と一緒に討ち死に。わたしたち第三兵団も連戦ですり減らされ、誰が生き延びたかわかりません。」
「スンマセン、つらいこと聞いちゃって。」
「ハッ!事実ですので。かまいません。」
「スンマセン、皆さん、そういう事情だそうです。彼らをよろしくお願いします。それと兵士さんたち、分かんないことは代官さんとか他の人に聞いちゃってね。俺ら引っ越す予定だから。 じゃあ行ってきます。」
今度こそ、見送られて、飛行クラブのモブに吊られて飛ぶ。俺、モブ4人、天狗の善人坊さん。6人の旅だ。
「知らないところの下見に行くなら、空からもだいじだろ」
と善人坊さんも来てくれたのには助かった。
とりあえずどこまでも荒れ地がひろがっている。
「新領地」じゃないけど、気分的にはそう。
半減された領地なんだけど、今までは、はじまりの村に精一杯で他まで見れなかった。必要なかったし。
はじまりの村に近いところの村は全部絶えたと聞いてたし。
戻るぶんにはジャンプで飛んでこれるんで、ともかく見てくることにする。
ずーっと荒れ地。天狗さんにかなり上空から見てもらっても、ずーっと荒れ地。ところどころポツんと丈の低い木が生えてる程度。ほぼ土と石。ほぼ砂漠。はじまりの村あたりと変わんない。
俺も飛べるが師匠の天狗や飛行クラブのモブのほうが飛べるし、大体天狗さんはめちゃくちゃ目がいい。お世話になります。話題もなく皆無言で飛ぶ。俺は引っ張られてるだけ。飽きてきた。
上空からは、だけど、モンスターすらあんまし見つからない。ワイバーンに襲われたらやばいなと思っていたが、あれ以来見かけない。
大体、村人たちの感覚でいう徒歩半日おきぐらいに廃村がある。現代日本の感覚でいうと恐ろしく離れている。家はぼろ、俺が新しく作ったほうが早い。井戸も枯れてるし俺たちには必要ない。木も枯れてるし、畑は荒れてる。
村があって井戸があったくらいだから水脈が通じているか、あるいは低くて大雨が降ると水がたまる地形なんだろうか。寄る意味がないから、上空からゆっくり眺め、ただただ上空を通過するだけ。
砂漠の際の荒れ地がうちの領地だから、砂漠を目印に移動する。
暗くなりかけたら水魔法で6人が泊まれる大きさの溶岩の砦作る。あんまし小さいと余熱であついから、かなり大きめに作る。暖かくて丁度良い。
みんなで砦に一泊したら、俺が村にジャンプして、回復魔法がけと水やり済ませて朝飯と昼の弁当を貰ってくる。晩飯の材料も貰う。
そしたら偵察隊の砦までジャンプして合流、朝飯済んだらまた飛ぶ。
ただ50キロ飛ぶだけなら一日か二日で飛べそうな距離だが、旧領地新領地、いろいろ観察しながら飛んでいるからそれほど距離は伸びない。
多分、新領地についただろうと思われるが、よく分からない。境い目とされていた地図の川と思われる川があった。
そこから二日飛び続け、道中に「何もない」ということだけが分かって、戻ってきた。海まではいかなかった。戻るのはジャンプで一瞬。
全くなにごともおきなかった。
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