異世界召喚! 再び離宮へ派遣団
ここまでのあらすじ 異世界に巻き込まれ領主にしてもらった俺は、畑に水やりの日々。水魔法に上達して色々な液体を出せるようになった。
離宮に派遣したニコアさんやヌドウさんたちが無事に戻ってきた。惜しい。もう少し後で派遣したなら酒やらなにやら売りながらいけたのに。まあ仕方がない。
戻りは俺たちの予想より全然早い。10日以上早いんじゃないか?しかも出発時は村の通常ルックの革の貫頭衣だったのがみんな布の服になってる。
「領主さま、戻りました。」
「スンマセンでした。お疲れ様。休んだらあとでいろいろ教えて。」
「いえ急ぎなんでこのままご報告していいですか?」
ニコアさんがそこまで言うのは珍しいな。
「俺は構わないよ?どうしたの?」
「お金節約したいので荷馬車で寝て、宿屋には泊まらず、急ぎまくりました。」
「オー、さすが村の中では若手の名判断 (村の中では)
で? どうした?やけに早かったなあ。」
王都や離宮のある街でいろいろなものを買い占めているので、離宮のある街へ向かう分には荷馬車の需要があり、馬車隊に参加して雇われ馬車としてむしろお金をもらって、よその荷物を運んだとのこと。飯も出た。
たくましいなあ。
「戦争が始まるかもしれないと聞いて、まずは領主さまにお知らせしなくてはと、急いで引き上げてきて、王都は回れませんでした。
この恰好ですが、革の衣は簡易的な革鎧として驚くほど高く売れまして、布の古着と交換してきました。
古着のほうは逆に暴落してました。
多分ですけど、戦争が始まったから手許にあるものを換金しておこうということでしょうね。
女ものも何着かありますんであとで分配してください。
帰りは村へ持っていく荷物があるから、雇われ馬車仕事はできませんでした。ですが行きで稼いだお金もあるし、保存食も手付かずだったので、馬が可能な限り急がせました。
預かったお金で離宮の町を見ようと思いましたが、急いで知らせることを優先しました。聞いた話ですが物価がものすごく上がってきているそうです。」
「え?なんで戦争始まるかもって?」
「国境近くに王国の軍隊が集結しています。物価はバンバン上がっています。特に食べるものは何でも値上がりしてますね。これは戦争前の準備を始めたに違いありません。」
わー。この世界では常識なのね。
で、入手したものは20キロの鳥のえさ10袋ほかにあるだけの種 足して300キロくらい。とりあえずこれを使い尽くすまでは、飢える心配がないな。
ペットフードもかなり。まあ犬獣人も猫獣人も魔物の肉で満足してるんだけど、あれば好評なペットフード。
あとは朝顔の種、イチゴとブドウの苗、各種ハーブの種を持ってきてくれた。
なんで朝顔なんだよと思ったが仕方がない。異世界に朝顔ないのか。増やして鉢植えにしたら売り物になるかなあ?
80キロの種が今まで通りにすぐに実って収穫できれば、今の人数なら1-2年は食える。
それまでに麦を開拓して安定しないとまずい。
今のところ食料は獣人たちが取ってくる魔物、猫草で皆満腹できてる。
さらに、この前からは俺と河童の魔法で、重湯、野菜ジュース、牛乳ほか液体ならだせる。つまり、俺と河童さえいれば飲み物限定だけどだせるから飢えることは多分なくなった。しかしこの方法は色々無理がある。
村人が働かなくなって、その後、俺が倒れたら?そこまで行かなくても何らかの理由で魔力失ったら?そこで詰み。俺が来るよりも前の村よりもっとひどくなるだろう。そうさせるわけにはいかない。
今は綱渡りでも、この先俺がいなくても村が栄える仕組みを作らなきゃなんない。しかもどういう仕組みが出来上がれば村が栄えるかは全くわからないと来たもんだ。
考え事をしているとニコアさんが声をかけてきた。
「あのう….
まずかったでしょうか?」
「スンマセン、名判断でした。助かった。ありがとう。村長の初仕事としては大出来だっただろう?お疲れ様。こちらも万が一に備えて防戦の準備しないと。」
「あのう、お許しあれば、もう一度行ってきます。旅費は行きの賃仕事でただで往復できますし、離宮の役人とも親しくなりまして、また取りに来いということでした。」
「スンマセン、ちょっと考えさせて。待ってて。」
麦は食うだけではない。戦争が始まったのなら、ますます麦は値上がりする。
そもそもというか、俺がドワーフと友好関係になったこと、河童のおかげでいろいろ出せるようになったことから、必死でお金集める必要がなくなった。
それも村人と相談だな
今やかなりあいまいになっちゃってるけど、麦は村のもの、あるいはそれぞれの個人所有だし。俺が水やりはしたけど。
俺の持ち物はホームセンターから持ってきたものだけだ猫草。オーツ麦は俺の。いよいよオーツ麦を売るか?
「スンマセン、俺では判断が付かない。寄り合いを開こう。隠居のンゴバさんちに行こう。サラ婆さんとヌドウさん呼んできてくれ。」
ンゴバさんちで最初からニコアさんの話をしてもらう。
「スンマセン、ニコアさん名判断でした。ありがとう。助かった。
で、今、集まってもらったのは、村の防備の強化の点と、再度離宮派遣するかどうか、です。
考えを聞かせてもらいたい。
まずは離宮派遣の件から。」
「隠居のくせに最初にいわせてもらう。
そんなもん決まってる。戦争で物価が上がってる、荷馬車動かすだけで金になるって考えはなかったが、それなら使わない手はない。領主さまのお考えは?」
「うーん、荷馬車隊出したいんだけど、治安大丈夫かなあ?荷馬車隊に万が一のことがあったら大変だ。で、判断付かず、皆の意見聞こうと思って。じゃあ、休息取ったらまた出かけてもらいましょう。でもお金は余ってる状態になっちゃったんで、売りに行くんじゃなくて逆になんか買い付けてくる方向で?」
「では荷馬車を倍にしましょう。6台出して行きは賃仕事して、よほどのことがない限り、今度は離宮の町でいろいろ勉強して来てもらいましょう。」
ニコアさんが手を挙げる。こういうところは世界共通なのか。
「隊列組んでいきますから、治安はむしろここらよりもいいです。帰りも荷馬車隊の野営地に寄せさせてもらいまして、防備はかなりのもんでした。砦になる前の村のうちで寝てたほうが危なかったくらいです。
あれで襲われたら仕方ないです。行けます。
危なそうなら途中からでも引き返しますから、行かせてください。」
「スンマセン、ご隠居もニコアさんも名案だと思います。じゃあニコアさん大変だろうけど、今度の倍出そうか?6台、10人くらい?」
「そのくらいで行けると思います。」
「なんか問題あるかなあ?サラ婆さんどう思う?」
「えんでねえかな?馬車も増やしてあるだけ出したら?賃馬車やめて酒と油と革の服詰めるだけ積んで売りながら行く。献上品には酒と油持ってく。革の服は要らないだろうあっちでは。2台分は離宮まで荷を残す。」
「スンマセン。すげえいい、そうしよう。じゃあニコアさん、8台、誰を連れてくかは任す。馬獣人含めてニコアさんが行く人選ぶ。できれば別の人連れてってほしいけど、慣れてるほうがいいっていうのもあるだろ?そこらへんも任すわ。向こうの状況が俺はわかんないから。飛行クラブから誰か頼んでもいいよ。
えーっと、次もあるだろうから、次もその次もずっと、命優先。買い物は判断付かなかったら見てくるだけ。判断付いたら買う。それでいい?
売り物は離宮に近づくに連れ値上がりしてるだろうけど、あんまし欲を出さず、最初は荷を軽くしてとにかく損しないことだけを考える。あとは任す。
献上品は相手見て途中で渡すなり離宮で渡すなり、ニコアさん判断。それも任す。
あ、市通るときに代官さんに一台分酒と油献上してね。あとから酒と油は市にも出すから。」
「じゃあ明日出ます。」
「え?休まないの?」
「こういうもんは時期が大切なんです。今なら儲けられます。」
「じゃあそれで。あっ、今回の派遣は村の仕事だから、日当出さないと。」
「いえー。行きの賃馬車でたんまり稼ぎまして、村の用事で出かけて儲かりましたから、払わなきゃならないのはこっちです。」
抜け目ねえなこいつら。。。。。。
儲けるとなったら、着てる服まで売っぱらってきやがったし。
再度、派遣する。
馬も含めて遠征組には特に念入りに治癒魔法かけてやり、水まきして湯を浴びて寝る。完全回復したんで今からでも行きますと言っていたが、明るくなってからと頼み込んだ。
ンゴバさんも引き留めた。
「夜間の外出はこの面々なら心配ないとは思う。
だが、村長が不在の間に起きたこともあるから今夜は引き継ぎして、出るなら明日だ。」
今日も水やりして、風呂桶妄想しながらシャワー浴びて寝た。風呂桶だよ。つかりてえ。
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