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異世界召喚! 領主生活開始151日目  女勇者

 女勇者が村に来た。例のキツイ転移者だ。


「ワイバーン討伐に来た。」


 そんだけ。

 従者を多数引き連れ大えばり。


 楽士まで引き連れてきた。

 あっちで流行していた曲を弾いてくれたのが唯一ありがたかった。女勇者が教えたそうだ。


 離宮にいたころとは大違いだが黙っておく。そういえばこのオネーチャンは切れやすいやつだったな。

 うーんと下手に出ておく。


「スンマセン。ちょっと前だけどワイバーン出たには出たけど、獣人たちが襲って食っちゃった。」

 あれいつだっけかな?


「え?倒した?食べた?アンタ、獣人とつるんでんの?相変わらずなのねえ?」


 革の貫頭衣に革のサンダル、いろんな人種や獣人が原始人みたいな格好して、蟻山みたいな砦に住んでるんで笑われる。いわないけど、難攻不落の要塞だぞここ。


「見ての通り、食うもんがねえんだよここらは。みやこの状況教えてよ。なんも情報がはいらない。来る難民も情報持ってないんだよ。」


 聞いたら、おばちゃん勇者は病死したそうだ。強かったのにな。腹痛で数日苦しんで亡くなったそうだ、何かに当たったか、がんか?毒殺かもしれない。過労死かも?


 まわりに誰かいなかったのか?俺が治癒魔法かけ続けていれば助かったかもだなあ。しかし、俺が出ていくときおばちゃんは俺を引き留めなかった。あの時点で縁が切れたんだから俺がすまながる必要はないのかもしれない。


 でも、俺を含めてもたった三人しかいない同郷のひとが亡くなったのは切ない。



 ひとりで感傷に浸っていたら、女勇者からワイバーン遺体を売ることを強要される。日本の現金で。遺体と言っても食べちゃったから頭の骨しかないが、それでいいという。「実績」にするらしい。


「ホームセンターの売り上げ金があるから現金100万円で買いなよ。」


 そんな紙っ切れ何にもならねえじゃんか。とことん嫌な女だ。黙ってるけどね。


 肺に水送れば勇者一行ぐらい倒せると思うが、あとあとが面倒なのでやめておく。


 でも、ただでワイバーンの遺体を持っていかれるのは癪なので、取引を持ち掛ける。


「見ての通り餓死寸前なんだよこっちは。ホームセンターの売り上げくれれるんなら、売り物のえさ貰いに行っていいか?まだ残ってるだろ?」


「いいけど?あるけど?なんにつかうの?」


「食うんだよ。ペットフード。」


フン、と、鼻で笑われた。


「まだ離宮の街の兵舎にあるから取りに行きなよ。紹介状も書いとくよ。」


「スンマセンね。助かります。ありがとう。イチゴとかブドウとかの苗も貰えないかな見ての通り麦しかないんだよここ。」


粘ってみる。


 そちらもOK出た。離宮が管理している果樹園からも何か持って行っていいとも、獣の皮に書いてくれた。


100万円も「なんか印刷してある紙」として使い道あるかもしれないので、交渉する。


「あーじゃあ、金庫に残ってるの全部上げるよ。どのくらいあるのかなあ?


あ、そうだ。ところで、王都からの巡検も兼ねている。村の暮らしぶりを見せてよ。」


「えっ? 王様のお役人なら、好きなとこ入っていって見てかまいませんよ?」


「そんなわけにいくか。おっさんが案内しなよ。」


 そうかあ。村の人たちっていうと、ンゴバさんちかなあ。獣人や難民は動き読めないからなあ。


「スンマセーン。こんちわー。ンゴバさん。勇者さまが村の人の暮らし見たいって。」


 爺さん一家は、あんまし肉が続いてたんで、野草がゆ食べてた。


「ああ、何のおもてなしもできませんが、ちょうど野草がゆ食べてるところです。よろしかったら一口だけでもどうですか?」


「邪魔したな。村の食べ物を減らしては悪い。村の暮らしぶりを見せてもらうだけでよい。」


「いえいえ、領主さまが変わられてから、かゆを腹いっぱい食べられるようになりました。王様にもよろしくお伝えください。」


 おかゆ食べてるところを見せ(ちょうど肉に飽きたから)

 大げさに困窮している旨を話し(これは本当)

 食料を送ってもらうように懇願しておく。


あうんの呼吸とはこのことだ。



「スンマセン。以前貰ったペットフードは食べつくして、鳥のえさ土に撒いたら出てきた草で食ってるんだよ、」


 村長と俺でぺこぺこせびると、さっきの許可と日本円のほかに金貨10枚貰えた。俺も村人同様せこくなってきた。


「邪魔したな。」

こんな村に居てもつまんないんで帰る態度が露骨。居座られるよりはいい。いや、いたらシャワーくらい浴びさせてやってもいいけど。


 出て行った。うっかりかわざとか書付けも持っていこうしやがる。あわてて後を追いかけて書付け貰っとく。骨は、くれてやった。加工すると武器になるらしいがそんな技術が村には無いからただ捨ててあっただけのもんが金貨と猫草と運が良ければ果樹の苗に化けるんだから大儲けといえよう。


 村長と金貨10枚について相談する。

「取っといてもしょうがないです。将来のためにのためにいま使っちまいましょう。」


「そう思って相談したんだ。活きた使い道って、なにを買えばいいの?」


「いま使っちまいましょうと申し上げておいてなんなんですが、食べ物はとりあえず目先の分はご領主様の草で足りてる、農具もひととおりはある、服も革なら余ってるくらい。思いつかないですなあ。風呂桶っておっしやってましたよねえ。のこぎりとカンナぐらいですかねえ、生きた使い道って言えるかどうかですが。」


とりあえず市に行って塩を売ったついでに考えることにしよう。


5日あけるので水やり多めにしておく。いいのかな?それで。

いつもは家の中から遠隔だけど、いつもより多くまかなきゃなんないから足の指含む全部の指20本から水出す。


 出せる水の量が馬鹿みたいに増える。俺が留守の間は村人の中で水魔法使えるやつらに何とかしてもらう。ため池にも堀にも水あるし、なんとかなるだろう。 公衆シャワー場にも温湯まく。思いついて、各家の鍋にもお湯を入れる。水から沸かすと薪使うからね。


 色々疲れたんだけど、いつものようにみんなに治癒魔法かけて水やりしてシャワー浴びて、寝た。




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