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異世界召喚! 無能勇者が今後について自問自答する

 異世界に巻き込まれ召喚されたおれは、なかばお情け・なかば追放の形で辺境の村の領主にしてもらった。

 他の貴族が攻めてきたので撃退したが、はじめての殺人にめげる。殺された人間の無念怨念をかぎつけた魔王がやってきたので便宜を図ってもらった。


 魔王に改めて問われ、自問自答開始。

 今後、どうするべか。魔王と話した翌日、自問自答する。

 考えるだけでなく、言語化しよう。魔物紙に書いて考える。順不同に思いつくまま書いたり消したり、項目を移しながら。たしか、研修でKJ法というのをやったことがある。ずいぶん前でもう記憶が定かでないけど、細かいことを色々出して言って最終的にくくっていくやりかただったと思う。


 だらだら書いたのをまとめていく。


 まず俺は何がしたいのか。

 

 この異世界で生き延びる。出来れば家族で生き延びる。さらにもし可能なら重臣、家臣、獣人や領民も生き延びれる体制を作りたいが、まずは家族だ。奥さんと俺。拡げて天狗と河童含む古参獣人。全員、とならない場合は順位つくのは仕方がない。


 そうなってしまった時に俺に他人を切る決断ができるかどうかは置いて、今日の決めとしてはそう決めておく。


 で、さらに可能なら、少しはましな暮らしがしたい。それは今、結構できている。同時代のよその家からは目がくらむような大栄達だろう。まあ、まだ不潔だし不便だけどな。生き延びること、そこはぶれない。それ以上はさほど望んでいない。でも、もうちょっと清潔で快適な暮らしもしたい。


 欲を言えばハーレムだ。一応、札には書いては見た。これはもう後回し。生き延びるほうを優先したい。変にモテた場合がまずいんだよこっちの世界は。残念だが優先順位の問題。奥さんが率いる家臣団は敵に回せません。実質は婿みたいなもんだもんなあ。


 で、生き延びるためには何ができるか。できないか。

まず、できないこと。


1.貴族の付き合い。これは全く無理。婚姻政策も含む。俺にはできない。キッサと婚姻関係結べただけでいい。三バカ貴族も遠縁の親類だったらしい。もう、そこまで。

 貴族だから他に遠縁も居るんだろうけど身内感は皆無だから親戚付き合いはしない。現キッサ家なんて装甲バスに機関銃で討ち取っちゃったし。いまんとこ婚姻政策もしない。

 ほかの貴族付き合いはジェームスに任せっきり。三バカ以外の貴族はお互いに住む世界が違うし、軽蔑し合ってるからともかく無理。三バカ貴族だってそれほど期待はしてない。メシおごって馬鹿話して、ごくごくまれにジェームスがその話の中から役に立ちそうな話を拾うくらい。ごくごくごくまれに。


2.難民移民全員の救済。これも無理。しませんし、できません。今は難民学校作って、成績順に編入認めている。出来が悪い奴はずーっと学生兼機動隊兼援軍ポジ。住まいと飯と仕事は与えてますんで、他領よりは超絶好待遇のようですが、身内とは思いません。思わないようにしてる。きりがない。


 そもそも、誰かを救おうとして村を作り始めたんじゃなかった。これは改めて確認した。

 異世界で与えられた村に来てみたら、俺を含むみんなが餓死しそうだった。必死でやってるうちになぜかこうなっちゃっただけ。


できること。


 大前提として各種液体魔法と宇宙空母ムサシを基本として。


 1.まずは鉄道だ。諸問題の源でもあるんだが、一方で、今さらやめますとも言えない。


 国王のヒステリックな「鉄道を敷け」命令もあり、貴族連中は妨害をやめた。俺は国鉄末期の悲惨な状況からの平成の第三セクターの不振を知っている。むしろ貴族が反対してじわじわ幹線しか作れない状況のほうが助かるんだがなあ。ドローカル線ひいても黒字になる予感がしない。鉄道を通せばいいってもんじゃないんですよ。


 でも、原価は安いし魔物よけの塀の意味もあるからって、ほいほい鉄道敷くしかねえな。今のペースより展開を早くすることはない。けれども、さぼりつつ、じわじわ進めよう。俺が寿命でお亡くなりになるまで拡張でいいだろ、これ。


 2.内政。教育はまあまあ回っている。数年で小学生並みの授業を領内に無料でほぼ全員に普及させた。それでも国内最高水準らしい。

 スキルや能力に合わせ適材適所が進んでいる。耕作地を求めて難民移民がおしかけてるが、俺が大酋長というのだけは徹底してるから、 治安もまあいい。領民はほぼ平等に食えてるからな。

 農政は俺の開墾と灌漑で万年豊作。獣人が協力的で魔物を狩ってくれる。


 今後も俺が泥と水と油を出せる限りはまあ、いけるだろうし、そうする。液体魔法が枯れたら終わりだけどな。そのために水路ひいたり井戸掘ったり。

 河童と天狗と獣人には感謝しかない。もっと厚遇しよう。


 あ、忘れないうちに宇宙戦艦ムサシに石炭のとれる炭鉱を調査してもらおう。そうすれば俺が居なくなっても蒸気機関だけは作動する。



 3.外交。対国王は順調すぎて禍根が残りそう。もう少し距離を置けないかな。かといってボルケイノとサハラサキューの三バカ以外のほかの貴族様とはどうにも馬が合わない。獣人と荒れ野にいたほうがはるかに居心地が良いな。三バカは完全に俺の配下か少なくとも中高の後輩ぐらいみたいになっちゃってるからな、他の貴族とは別格すぎる。

 貴族付き合いはできない。国王とは付き合う。

 理想としては俺らが独立するか、それに近い形でさらに辺境に半独立領貰うか、他国と通商するかだけど、どれも今すぐ手に負えるもんじゃないからこれは将来の課題。


 4.外交の手段としての私兵。増え続ける獣人たちと装甲バスと機関銃。俺の溶岩と油。国内最強だろう。

 秘密兵器として宇宙戦艦と宇宙空母があり宇宙フアイターに勝てる武器はこの星には無いのではないか。まあまともな戦争に使う気はないけれど。


 歩兵は難民の研修期間としてお願いしていて、正式な領民はよほどのことがない限り出陣しなくていい。まあ、これもこの調子で行くしかないな。



 5.家政。一応大貴族の部類になったんだから、奥さんには贅沢をさせたいんだが、もとが貧乏貴族の出だからなかなか贅沢をしてくれない。今さら成金遊びしてもなあ。

 おれ、ゴールド出せるし、カワサキ村の事実上の支配者らしい。だから、たいがいのことできるんだけど異世界でどうしてもやりたいことっていうと無いんだよなあ。あ、カワサキ村の名物に金箔酒出しました。別に味は変わらないから、一度のんだら俺はいいかな。


 奥さんがいるし最悪「自分でだって出来ること」に金払う意味が分かんないのよ。や、その異世界くる前は素人童貞でしたが、こっちでは逆に玄人童貞です。


 三バカも貧乏過ぎてあてにならん。こういうのは王都のしきたりに詳しいジェームスさんとかヘンリクさんに聞くしかねえんだよな。でも貴族との付き合いないなら贅沢も要らんのよね。よその貴族にナメられるのもかなわんけど、ねたまれるのもっとかなわん。

 お世継ぎ問題があるけど、奥さんたちは充分出産可能年齢のようだし、まあ先送り。


 さて、俺は何をしたいんだろう?しいて言えば、米の飯が食いたい。

 海に出て船遊びはしてみたいな。あと、宇宙空母ムサシから全球マップのかなり詳細なやつが送られてきている。装甲バスか小型の連絡艇でぐるっと旅をしてみたいなあ。領主の仕事をしながら暇を見て二泊三日位を繰り返せば、そんなに領内の混乱もないだろう。せっかく宇宙戦艦が遊んでるんだから恒星間探索に出てもらってもいいかもな。


 技術進歩したらスクーターとか、中型のバイクとかも乗ってみたい。原付は乗っていたからABSとかいろいろ進歩してからだな。これもはるか先。しかもムサシに作らせるのではなくドワーフ含む人類の手で成し遂げたい。


 結局は現状維持。プラスするなら飯の問題と「比較的安全な冒険・観光」だな。我ながら夢がない。


 あー、こういうの、ムサシに作ってもらったタブレットにメモっとけばよかったな、と思いつつ寝落ち。


 ま、やりたいことロードマップというか、すべき曼荼羅はできました。


お読みくださりありがとうございます。


誤字の指摘いただき幸いです。引き続きお願いします。

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