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異世界召喚! 魔王に世話になる失格勇者。

ここまでのあらすじ


異世界に巻き込まれ召喚されたおれは、なかばお情け・なかば追放の形で辺境の村の領主にしてもらった。


他の貴族が攻めてきたので撃退したが、はじめての殺人にめげる。殺された人間の無念怨念をかぎつけた魔王までやってきた。

 魔王がやってきて、ひれ伏せというから、美容院を建てたりテーマパーク作ったりした。

 そしたら、変にうちの領内が気に入ったらしい。いつも、とまではいかないが大体広場で飲んでる。


 こうなるのが嫌で、美容院やテーマパークはうちの領から離して他の貴族の領内に建てた。しかし、魔王は何故かうちの町にいる。あっちは分身の術か何か使っててうまく回してるようだ。休業との報告は聞かない。

 厳密にはどっちが本体かはわからないけれど、たぶん、こっちで高笑いしてるほうが本体なんだろう。


 只人や獣人には遠慮があるんだろうか、河童や天狗をつかまえては高笑いしている。


 「ひれ伏せ。フーハハハ。なんかください。あ、ハンバーグとお酒追加で。」


 相変わらず瘴気が凄い。魔王本人にかからないように気をつけながらエリクサーでまわりを清める。


「あ、絶対に掛けないでください。フーハハハ。」


 邪気酔いというか、うざくなってきた。一気に清めたろか。


「ここでものけものか。フーハハハ。」


「え?スンマセン?なに?」


「こうやって瘴気邪気を垂れ流していると、のけものになるのよ。」


 やけにしんみりしてきたな。


「じゃあ浄化しましょう。ほいいーっと。」


 エリクサーかけて浄化してやる。悩み無用。


「熱い熱い。やめろ。熱いです。痛いです。まじめに話してるんだから!聞く!

同意しなくていいから聞くだけは聞く!聞いてください。熱い。痛い。おい!」


「スンマセン。瘴気邪気を垂れ流していると、のけものになるっていうから。なんとか邪気を払おうと。」


「払っちゃダメ!ひれ伏すの。それと、のけものの話!

瘴気邪気関係ない!痛い痛い。また溶けてきた。」


「邪気を払えば解決するかなと。聖域なき抜本的構造改革。ほいほいいーっと。」


「アー!聖域には俺住めないの。熱いからやめてください。痛い。痛いです。フー。わざとですか?わざとですね。ひれふしてください。」


「あ、スンマセン。なんかお役に立てないですかねえ。

 どうにかならんかなあ。


 そうだ、お願いしたところに邪気瘴気撒いてきてもらえます?

 正直、困ってるんですよ。」


「悩め。苦しめ。フーハハハ。困れ、困れ。」


「オイ、そういう事言うとエリクサーで完全浄化するぞ。人が何とか助け船だそうってときに。あ?やるか?やってみるか?お前こそ聞くだけは聞けよ? あーん?なめとんのか?

マジ引っ込みつかなくなってきたぞ。コラ。」


「伺います。フーハハハ。お困りなんですね?」


「あのさあ。うちらとしては、魔王さんがダメなんじゃなくて、邪気をまき散らされるのがきびしい、そこはわかります?」


「フーハハハ。悩め、苦しめ。」


「オイッ!」


「ハイッ。お話をうかがわせていただきます。」


 逆にひれ伏しやがった。土下座するかしないかの関係性しかないのかよこいつ。それも寂しい奴だな。


「スンマセン。

 俺も熱くなった。


 でさあ、うちの領内で邪気っていうのか瘴気っていうのかわかんないんですが、まき散らされるのがきびしい。

 なら、よそで、って話。」


「やはり、のけものか。」


「違う違う、そうじゃない。そうじゃないってば、話聞いてよ。うちの領内で邪気をまき散らされるのがきびしい。

 だから、こっちがお願いしたところで邪気を放出してよっていう。

 この町でくつろいでくれるぶんには構わんのよ。邪気瘴気抜きなら。

 この町に滞在。瘴気邪気吸う。こちらのお願いしたとこで、その瘴気邪気出す。いいすか?


 スンマセン。可能ですか?こっちがお願いしたところで邪気。」


「フーハハハ。その願いかなえてやろう。ひれふすがよい。」


「ハッハー。スンマセン。お世話になります。」


「あの、で、どちらへ伺えばいいのでしょう?遠い所よりは近いところがいいのですが。」


「スンマセン。今、地図を持ってきますね。いまただちにお願いしたいところがあるんです。」



§§§§§§  §§§§§§



「お待たせしました。これがその地図です。ウチはここ。」


「これはまた精妙極まりない地図だな。フーハハハ。」


「スンマセン。この星の外から眺めて、地図にしました。これはちょっとオモテに出せませんので、お渡しできないんですが、えーっと、魔王さんが邪気まき散らすと魔王さんを慕って魔人がやってきたり、魔物が出る、そういう理解でいいですか?」


「フーハハハ。余の徳をもってして、そうなるようだな。」


「あー、魔王業界的には『徳』になるんですね。なるほど。スンマセン、その、魔王パワー、魔王徳をですね、こっから、この辺にびゃーっと撒いてきてもらいたいんです。

 

 魔王様には事情をご説明しといたほうがいいでしょう。ただ、ここらに邪気瘴気まき散らしてそっちの人に迷惑かけようっていうんじゃないんです。


 俺は王様から鉄道しけしけって言われてるんです。」


「フーハハハ。悩め、苦しめ。」


「お前、ブレないなあ。そういうとこだぞ。

 ですから!浄化してもいいんだぞ?!その方が早いんだから。」


「はい。続きを伺いましょう。」


「や、スンマセン。

 で、いまいったあたりの貴族が反対してるから線路できないんですよ。

 で、ここらへんに魔物出してもらう。


 魔物出れば周りの貴族は困る。鉄道しいて壁代わりにして、魔物よけに使おうとする。ついでに魔物出たあたりの貴族の困りの念も魔王様に吸っていただく。で、だれもいないような荒野で思う存分吐き出して、また、うちで遊んでいただく。


 いかがですか?その線で。


 で、線路しけば魔物も好きにそこらで生きてくれればいいし、壁ができるから、

 人間も困らない、そう計画しております。



 魔王様、可能でしょうか?」


「フーハハハ。先ほども申したぞ。かなえてやろう。ひれふすがよい。」


「へへー。でも、さっきも言いましたが、やりすぎると領民も貴族も死んじゃいますから、ほどほどでお願いします。

 そうだな、俺と何人かもお供します。明日の朝からでどうでしょう?魔王様って、空飛べます?」


「フーハハハ。フーハハハ。」


 またごまかしやがった。飛べるのかな?疲れるオッサンだな。

 装甲バスも用意しておこう。最悪の場合は宇宙フアイター呼んで魔物を減らしてもらえばいいか。

 肉不足も解消するかも。


 うまくいけば一石二鳥も三鳥もいける。



§§§§§§  §§§§§§


§§§


 うまいこと魔王さんの毒も抜けた。よかった。スゲー邪気。魔力。瘴気。どんだけ溜め込んでたんだよ。さすが魔王。


 困り果てた鉄道反対派貴族からも鉄道を通してもよいという許可を得た。ほぼ陳情か懇願請願だけど、上からかぶせてくるのがいや。さんざん上目線で。相当もったいぶって。まあね、貴族領の近くに災厄級の魔物がガンガン出てるって聞いたらまともな当主なら慌てますよね。


 窓口のジェームスさんは大変だった。

「あー、すんません、なんか王様かさに無理やりみたいで。うちの殿が無茶を言っちゃったみたいで。

 殿には私からやめるようにご説明しますから。」


「いやいや。王命とあらば尊重せざるをえまい。

 むしろなるべく早く建ててもらって構わないぞ。」


「先にご許可頂いたとこから建ててたらお金なくなっちゃいまして。もうちょっとして借金のめど着いたら建てますから、ちょっと待ってください。見ての通りで酒勇者は鉄を買ってレールにしたり高架建てたりですっからかんです。」


 いつも通りの説明もジェームスさんに丸投げ。隣の部屋で聞いてた。オモシレー。笑いこらえるのに苦労する。

 何とか早く通してほしい貴族と、それほどは急がない俺たちの交渉だから、主導権は俺たちにある。


 欲しいものはたいがいうちで作っちゃうから、通商もせんでいいし、交渉することもあんまないんだけどね。貴族が通してって言って、こっちが通してやる。


「確認しましょう。わたしもそう詳しくはないので、存じ上げてる範囲でお話します。

 王立鉄道は大体こんな感じでしかれているようです。


 鉄道予定地から幅何百メートルかは国王領に編入されるときいています。その分の替え地は支給されるらしいです。

 国王領は道路は誰でも使用可能。道路も鉄道も関所は作るが道路は使用料は取らないんだそうです。

 国王領は国王領なので国軍が守備するようです。

 漏れ出て貴族領内に入った魔物や犯罪人は従来通り貴族の責任で処分すると、取り決めるらしいです。」


「ま、聞いた話ですが、わたしジェームスの知る限りざっとこんな感じのようです。むろん王家の役人様がまたご説明に上がります。聞いた話とは少し違ったらご容赦を。」


(おれか?俺じゃないぞ。俺より下っ端の役人が行くんだよな?しかしこれで懸案の鉄道問題が一気に解決か???)


 俺もジェームスさん通したんで直接会ってないから強気になった面もあり、意地になってしまった。我ながら人間が小さい。スンマセン、会ったこともない貴族様。


 魔王!よくやった!



 その後も魔王と定期的に国内旅行して荒れ野に毒をまいてもらう。


「フーハハハ。キョータは領内では何をしているのだ?」


「え?領内で?えーと、見てませんでした?


 そうですねえ。


 内政は奥さんの実家の伯爵家から引き抜いた家臣団が全部やってくれてて。


 私兵団もそうですね。獣人はともかく、人間の領軍奥さんの実家方式で初めてだんだん改良してます。まあね、本当にいざとなったら宇宙船から大石投げたらまず勝てる奴いないでしょここらに。」


「フハハハ。余なら勝てるぞ。」


「スンマセン。人で、ね。


 そうですねえ。教育は奥さんたち主導で全部やってくれてて。領民のほとんどはなんとかこの国の字が読める、足し算引き算掛け算割り算もこなせるようにはなりました。


 うーん。あとうち、移民が多いでしょ。ムラ社会が機能しないんですよね。だから識字率上げて役人が介入しないとならん面もあるんですけど。まあ、魔王さんにかかったら奪うがよい、とかになるんでしょうけどね。


 役人で収まらないと俺が両方の言い分を聞いて両方に謝って。


 あと、そうだ、開拓、灌漑、そこらへん俺が一手に引き受けちゃって。大がかりな輪作っていうか、畑作って水やって肥料まいて。


 俺は水と油と酒とその他色々出すくらいかなあ。それも河童に教わったんだし。


 領内から外にから出れば、コンクリと鉄だして線路ひいて。機関車とか難しいものはドワーフが作ってくれて。もっと難しいものは宇宙船が作ってくれて。何をしているんですかねえ?俺。


 あとなんだろう。あ、失格勇者の貴族関係。貴族の駆け引きも全くできないんで、王都のサトー館に丸投げしてますし。


 失格勇者、酒勇者、鉄道勇者、ドラゴンを治める者、いろいろいわれてますがねえ。今度は魔王の知人くらい言われかねないですね。ははは。


 ともかく、いろんな貴族たちの協力が得られて助かりました。魔王さまのおかげです。おせわになりました。引き続きこれからもよろしくお願いします。」


 泊りがけ、といっても一泊したら家にジャンプして休んで水やりしてまた旅に戻る変則旅行だ。魔王さんは癖は強いがそうそう無茶なおっさんではなさそう。


お読みくださりありがとうございます。


誤字の指摘いただき幸いです。引き続きお願いします。

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