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異世界召喚! 100回スペシャル 宇宙空母ムサシ大活躍

ここまでのあらすじ


異世界に巻き込まれ召喚された。領主にしてもらった。

他の貴族が攻めてきたので撃退したが、はじめての殺人にめげる。

 震える手でポーションを飲む。ちょっと落ち着く。生きるか死ぬか、殺すか殺されるかだったんだ。俺は生きている。俺は殺したけど殺されてない。

 

 ビビりが去って、怒りが増すって感じかな。たくさんのひとを殺したけど殺されるよりはましだ。俺が死ぬよりは他人が死んだほうがよい。


 なんで動員がかかった農民兵とか下っ端だけが死んだんだ?貴族と側近は逃げて助かってんの?頭来た。もうさっきからキテルんだけど、フザケンナ。敵とみなす。みなす前から敵だった。責任者に責任を取らす。つまり、もっと殺す。

あいつら殺さないと、いつか同じことになりそう。立ち直ったらまた攻めてくるよ。二度と攻め込まれないように、さらに追撃をしよう。


「スンマセン。敵はおおよそいなくなっちゃったみたいなんで、後始末、代官さん、頼む。

 ドーベルさん、犬獣人族にお使いを頼みたい。」


「一命にかえましても。」


「や、ドーベルさん、ありがとう。でも、ここで死んじゃダメ。今じゃない、いつか死んでくれと頼んだ時に死んでくれ。今死んじゃったら犬死だよ。犬獣人か、ごめん。そうじゃないんだ。

 代官さんに聞いて、今回攻めてきた貴族たちの領主館の全部に使いを頼む。


 扉に『明日の朝までに逃げろ。この家を壊す。鉄道卿。』

 そう、貼ってきてください。5人ひと班くらいで行って皆ポーションとエリクサー持ってね。警備がきつそうなら、警備の兵隊に手紙を投げつけて帰ってくればいいから。


手紙貼るか渡すかして生きて帰ってくるのが仕事。命令です。怪我無く帰ってください。お願いします。


君たちの仕事はそこまで、伝えるまでね。伝えるまで、伝えて無事帰ってくるまでのお使いが仕事です。相手が受け入れるか聞き入れないかとか、伝わったかどうかから先は俺の責任。」


数日後にドーベルさんたちが帰ってきたので、参戦した領主館には土をかぶせる。長―い堀を何本も掘ったから土は余ってる。生き埋めになっても周りの人が掘れば助かる程度に土をかぶせる。一般人まで巻き添えになってはかわいそうだから、溶岩だけは勘弁してやる。

 領主館の周りの畑にもかなりの土をかぶせる。来年の税収は激減だぞお前ら。


 こっちの損害はたまたま皆無で、目を射られた奴は治った。だから、このくらいで勘弁してやる。もしももっと損害が大きかったら、お前らんとこ全部溶岩と火山灰で埋めてやるとこだったぞ。全部だ。運がよかったな、貴族様。



 欲張りどもを撃退し強盗の親玉を成敗した頃、今度は役人じゃなくて王軍がやってくる。もう誰がきても驚かんよ。人間として大事な部分を失いつつある。


 「ご無事か?サトー殿。

おびただしい難民がいつもとは逆方向に逃れていましたが?」


「王立鉄道予定地に曲者が闖入したので、鉄道卿としては見過ごすことができずに何とか追い返しました。ボルケーノ造幣卿殿にも助力を頂きました。

 強盗の類でしたのでいったん警告した後、やむなく、その、お亡くなりになっていただきました。


責めは俺。ボルケーノ造幣卿殿は穏便に済まそうと声を枯らして両者を説得してくださったのですが、ボルケーノ殿の優しい思いは届きませんでした。

 避難民は強盗から逃れて、うちから遠ざかる方へ逃げたのでしょう。わたしにはわかりませんが。」


あのロックフォード卿が唖然としている。


「いやいや、天狗とエルフを従えるだけあって大変な力量ですな。」

「えっ?スンマセン。

今回は善人坊さんもビュルビュルさんも呼んでないです。人間同士の争いに巻き込みたくなかったから。思いもつかなかったな、それ。


河童もダンジョンもなしです。

ドワーフさんたちにはいつも通りに武具作ってもらいましたが、前には出してない。

こんなことなら、王様の言う通り早くに離宮や王都まで鉄道を通しておけばよかったです。」


「いやいや、鉄道のことはともかく。

今回は譴責のために王軍が遣わされました。」


(え?軍て?俺の目の前に200人いないんじゃないの?三バカの領兵より少なくね?

 うちはさっきの戦いで一人も減らず、専門の兵士だけで千よ?後ろで荷運びしたりして雇われてる狭義の軍属が千ちょっと。なんか儲かるかもってついてきちゃってる飯屋とか、ケバい若い女性とかまで入れたら総勢二千五百は居るよ?大丈夫なの?)


「あー、『サトーキョータ辺境伯 公式に厳重注意を申し渡す。以後の鉄道建設で誠意を見せよ 王。以上。』


 サトー殿、つまりは赦免ということです。」


 え?早くね?

 王軍編成して王都出ることを逆算したら、俺らが領地引っ込んだと同時くらいに出発してたでしょうが。ロックフォード将軍。数日前に役人北から、俺の公式謹慎期間数日?

 あー、だからの200か。役人の数日後に動かせる最大ね。ここまでの砦でも兵隊集めておしかければよかったのに、敗戦後そんなに砦にも軍隊置いてないのか。


 しかし、だ。これは俺たちが逆に護衛して戻してやらないといけないのでは?

 国王警備隊はただですら人数少ないのに、ここで200も使っちゃったら今の王様の守りどうなってんの?暗殺未遂あったばかりじゃん。


 とにかく頭を下げ、ロックフォード卿には宝剣の類のお土産を王様に献上してもらうよう渡す。あと犬人族の案内をつけ、帰りには俺が建てた砦を通るように頼んだ。水とお粥は置いとくから。

 彼らが出てから鉄道の運行も再開。今日は遅いから、錆び落とし兼試運転を徐行で一本出す。


 飯を食い、各地のため池に水と油を入れて回る。いいねえ、日常。こうじゃなくちゃ。


 風呂に入ってから気が付いた。

「いっけね!ロックフォードさんも汽車でいいじゃん。スンマセン。誰か獣人さんで起きてる人いる?」


「身の回りには誰か常にいるにゃん。」


「スンマセン。ニャルルさん、もう夜だけど、誰かロックフォードさんとこにお使いに行かせてくれる?」


「俺らは夜行性だにゃん。」


「ははは。そうだったな。明日、汽車を動かすんだよ。で、ロックフォードさんたちには始発列車に乗ってもらおう。始発は貸し切りね。スンマセン。今夜のうち連絡したら明日動きやすいだろ。誰かタノンマス。あと、鉄道会社にも別の組に連絡させて。」


 ポカが多いかも。この数日高架作りまくって油まきまくって、ロックフォードさんに挨拶までして、心底疲れた。人殺しもしたんだった。しかし高ぶりまくっていてろくすっぽねてない。さすがにやばそうだから自分で睡眠薬出して寝た。


〇 〇 〇 〇     〇 〇 〇 〇


 翌朝、またドーベルさんが飛び込んできた。

「殿!強盗貴族の次は龍が攻めてきました!」


 まだ眠剤効いてんのかな?悪夢?何がきても驚かないっていったけど、ドラゴンは驚くわ。


 国王警備隊と入れ替わりにドラゴン?俺のメンタルが持たん。異世界に龍いるのか?アースドラゴンとかワイバーンじゃなくて?


 もの凄く埃がたつ。龍かあ。空飛んでドラゴンブレスかまされたら、どんな城壁も役に立たんな。俺らの宇宙連絡機からガソリンの上位互換みたいなもんだ。


 あれ?


 あー、よく見たら龍じゃない。よかった。俺が作った宇宙空母だった。驚かすなってば。激動の日々でこんなもん作ったことすら忘れてた。何だよ今さら。


 宇宙空母に乗って兵頭さんたちが戻ってきた。埃さあ、放射性物質とかをまき散らしてねえだろうな?次回からは宇宙港作ってそっちにおりてもらおう。


「ワンツー。ワンツー。」

獣人のくせにピシッと行進してやってくる。恐ろしく統率が取れている。はぐれ獣人だったはずではないか?


 いつの間に教育したんだよ、女豹。兵頭さんの奥さんだ。兵頭ねえさん。オーイエー。サイコーさ。女豹って映画あったな。


「ワンツー。ワンツー。」


 地上の獣人村に戻りたいものは誰もいないそうだ。飯の都合で皆さん艦内に居住。艦内フードマシンが大好評らしい。ここでも飯か。


「ウラララア。宇宙からも見えたので下りてきた。何事が起きたのだ?」


「スンマセン。どっから話したらいいのかな。代官さん頼む。」


「殿のことをよく思わぬ貴族が攻めてきたので、撃退した。」


「あー、それで済むわけね。まあ、そうなんだけど。何千人も亡くなってんのよ。おそらく俺がほぼ全部ぶっ殺してんだけど。俺が。」


 俺の感傷とは関係なく、宇宙戦艦と宇宙空母の運用について話す。


「宇宙空母の艦載機ってどんなのがあるの?俺が作っといてスンマセン。

連絡がつかないから下りてきてくれたんだよねえ?


 全力で助けに来てくれたのは助かる。助かるんだけどさあ。

 艦載機を下にも置いといて、俺から連絡付けばもっと簡単じゃん。」


 この時代にしてはわが私兵は異常に連絡通信が発達している。おもに、俺が飛脚をしてるからな。通信兵兼伝令兼総大将兼砲台。しかし俺様のジャンプをもってしても移動している宇宙空母には飛べない。いま、気が付いた。


「お話し中失礼します。いつも世話になっております。艦内コンピューターです。宇宙戦艦には名前がつきましたが空母には名前を付けてらっしゃらない。

今。命名してください。」


「え?うーん。戦艦がヤマトだよなあ、空母だとナントカ龍?」


「では『ナントカ龍』とおよびください。」


「あ、そうじゃなくて。武蔵。ムサシでいいですか?」


「ムサシムサシですね。」


「ム、サ、シ。」


 融通利かねえな。


「はい、いつも世話になっております。貴信拝受しました。

登録変更されました。ムサシの艦内コンピューターです。」


 なんか言葉もこなれてねえな。これは通話してるうちにデータが増えて安定してくるだろう。


「先ほどのムサシ艦載機のお話ですが、ご許可と材料があればある程度の大きさまでなら艦内工場で作成できます。

現状所有しているは戦闘艇の宇宙ファイターと連絡艇がそれぞれ三隻づつです。」


「スンマセン。見ての通り埃が凄くて、次からは連絡艇の上り下りでいいかなと思って。」


「可能です。」


「連絡艇って、何人乗り?」

「現状搭載しているものは12人乗りですが、30人乗り100人乗り、さらに大きな貨物船も制作可能です。」

「じゃあ、製造は任すから、まずは12人乗り連絡艇をひとつ置いてける?直接連絡艇を空に飛ばすんじゃなくても、電波とかレーザーとかニュートリノ通信とか、何か通信できます?」


「はい。では連絡艇に話しかければわたしムサシ経由で兵頭様に連絡できるようにいたします。」


「あー、そりゃ助かるわ。あとさあ、12人乗り連絡艇三隻同士の通信て出来る?ムサシ経由でも構わないんだ。要は三か所において、ほぼ瞬時に連絡できれば。」

「無論可能です。」


 ヨシ!俺が全部伝令やらなくて済む体制が見えてきた。うまくいけば砲台もやらなくてもいいかも。宇宙戦艦も宇宙空母も過剰戦力だから、宇宙フアイターくらいで丁度よろしい。



 言われるがままに水炭素珪素チタンステンオリハルコン色々出す。小惑星採掘して精製するより効率いいらしい。


「あとさあ、連絡艇、50人乗りとして、納期どのくらい?」


「数日くらい頂ければ。出来上がった物からおろしますか?」


「あー、じゃあ、それで。材料足りなかったら言ってくれれば連絡艇に乗せて飛ばすから。あとさあ、小出しですまないんだけどいい?」


「なんでしょう?」


「まず、連絡に特化した端末、無線機。俺の言ってるの分かる?」


「はい。」


「あれ、なる早で10、いや20ください。スンマセン。」


「端末間通信もこちらに制御お任せでいいでしょうか?」


「そうだね。軌道上に通信用の衛星置いてくれもていいし、そういうのは任せるから、最適な方法で。変更ももちろん、あり。できる?」


「すべて可能です。」


「端末はこのくらいの大きさで。腕に巻き付けるタイプと手に持ってみるタイプ。あと立てかけて眺めるタイプ。

そうだな、収まる範囲での機能で充分です。まずは音声と動画のやり取りかな。データ通信。とりあえずお願いします。」

腕時計型、スマホ型、タブレットだ。


「そうだ。このサイズくらいだと持ちやすさと画面のおおきさが俺にはちょうどいい。」

 大事にとっておいたスマホを見せる。


「スンマセン、あと、艦内製作所拡張可能ならそれも。優先順位は丸投げ。最適化をお願いします。端末は試作品だから品質もまずはお試し。全部全部試作品にね。お試し。とりあえず。練習の習作。たたき台だから。

 すり合わせ用のサンプルだね。

 こちらが要求変更する時は柔軟に仕様改訂からご対応お願いします。」


「でしたら、まず製作機能の向上で製作所拡張からですね。」


「お願いします。緊急というわけではないので、そっちの効率優先でお願いします。

兵頭さんもそれでよろしく。


あー、兵頭さん心配させちゃってスンマセン。来てくれてスゲー助かった。」


「殿、分かりました。ご無事で何より。


 ものども、船に戻るぞ。ワンツーワンツー。休まないで進め。」


 宇宙空母ムサシ発進!ああ、埃が凄いな。



 宇宙スマホの腕時計型とスマホ型一つずつサンプルと50人乗り連絡艇が翌日ふってきた。数日かかるんじゃないの?


「ムサシです。殿、とりあえずのサンプルをお持ちしました。サンプルといっても通信機能も生きていますのでご感想をお願いします。


連絡艇はできた順に下ろしますので、こちらもご意見をお願いします。」


「スンマセン。ムサシさん。連絡用の端末助かるわ。聞こえてる?おれさあ、いっちゃわるいけど、こういうたたき台大好き。助かります。第一印象なんだけど、腕時計型に話せばいいの?音声デバイス?で、モニターがたのこっちは視覚デバイス?」


とりあえずのサンプル助かるわ。ムサシは流星号と名前つければよかったが、もう遅い。ここで万能スマホゲット!


「ムサシです。腕バンド型にも視覚情報出ますがなんせ画面が小さいでしょう。このカード型よりも大きく出来ますがホログラムのほうがいいですか?」



「スンマセン、まだ使いこなせてないです。あ、次の試作品の腕バンドは、こう、パカッと開けられるやつをひとつ出してもらえます? 

 あと、レンズがついてるタイプも一つ。あれはさすがに版権切れてるだろう。


 色々試してから、またお返事します。あと材料が足りないようならいくらでも出せるものは出しますので。ありがとう。」


 端末は直感的に扱えるようになっているがなんせ初めてのユーザーインターフエースだから戸惑う。チュートリアル機能をあとつけで通信で送ってくれた。


 俺が油と水と肥料を住民に提供して、ムサシがハイテクなもん作れば、もう、ほぼ無敵というか、少なくとも戦争には負けず餓死もせずといった感じかなあ。なろう小説だってこんなチート無いだろ。


 いけね、水とか肥料とか油とかやんなきゃ。


 ひと通りの仕事終わった。たかぶって眠れん。キャシーの寝台の横にタオル敷いて寝た。例の大量虐殺以来、どうにも眠れない。いつもは急に伝令が来たりなんなりするんで、俺と奥さんたちの寝室は別にしてる。


 同じ部屋、逆に眠れねえわ。


 いまさら俺の部屋に戻るのも変だから、どうにもならん。ひとり気まずく固まったまま朝を迎える。

お読みくださりありがとうございます。


誤字の指摘いただき幸いです。引き続きお願いします。

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