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その三十九 ガイドのお願い

都合でスタートが遅れました



ガイドがディーノと共に風呂から上がってきた


「どうだったかの?」


「えぇ、素晴らしいの一言でした。あれだけ無駄を省いた中に心を揺り動かす感動があるとは…」


「ほっほっ、それが侘び寂びじゃよ」


「ところでカツジ様、お願いがございます!是非カツジ様に今度建設する温泉宿を造って頂きたいのです!」


「ふむ、それは構わんが…宿を作るとなるとそれなりに工期が必要じゃぞ?」


「構いません、あの露天風呂の雰囲気そのままを私共の宿に…いや、宿ごと「和風」の宿にしたいのです!」


「そうか、じゃがガルドの家がまだ途中じゃてそれが終わってからでえぇかの?」


「はい!お願い致します!」


こうしてガイドからの大口依頼を受ける事になったのだった


「それではガルド様の件が終わりましたらご連絡下さい」


「うむ。それほど待たせんで連絡するからの。」


ガイドはディーノの運転する車で帰っていった


「師匠、これはまた大口の依頼が飛び込んで来ましたね」


「ほっほっほっ、実は既に予見しておったのじゃ」


「そうですか!流石師匠です!」


「ガイドの温泉好きは本物のようじゃったしの、であればこの露天風呂に飛び付かぬ筈がないわ」


「あ、師匠はそれを分かってて案内したんですね?」


「職人と言えど営業努力は必要じゃからのぅ」


勝治とガルドは上手く依頼が受けられた事に喜んだ


ーその日の午後ー


「ガルドや、あと少しで棟上げじゃ、よく頑張ったの。」


「師匠、今回のご指導で「日本家屋」の奥深さを知りました。今後はこの技術を世に広めたいですな」


「この地の建築もなかなかに奥が深かったぞぃ。やはり土地土地の風土に根付いたモノも尊重すべきだの」


「師匠の仰っていた「京都」という都市は素晴らしい所なんでしょうなぁ」


「うむ。古来より引き継いだ技術が数多く残る古都じゃよ。あれらから見たらワシの技術など児戯に等しいわの」


「…それほどですか…」


「うむ。やはり先人の匠は偉大だ、と言う事じゃろうのぅ」


「行ってみたいモンですな」


「術があればのぅ…」


勝治の顔が陰るのを垣間見たガルドは言葉をつぐんだ


ーブルルーン…キッ…ー


「親方、大師匠、ガイドさんを無事送ってきましたよ」


「うむ、ご苦労じゃったの」


「あれ?もう今日の作業は終了ですか?」


「ああ、これで骨組みは終わりだそうだ」


「次は何処をやるんです?」


「ふむ。次は屋根じゃな。雨が降れば柱が傷むでの」


勝治は防水シート等を用意して足場を伝って運んでいく


「昔は断熱材や防水シートなどなかったが建材もどんどん進化しておるからのぅ、住む人の快適性を一番に考えるならワシらも日々学ばんとな」


「なるほど、古き良き部分はそのままに新しき所もどんどん取り入れるのですな?」


「うむ、ガルドは本当に察しが良いの」


「ありがとうございます」


「では今日中に屋根を完成させるぞぃ」


三人は素晴らしい連携を見せて宣言通り夕方までに屋根を仕上げたのであった

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