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その三十八 また来ます


ー翌日ー


「ガイド殿、お世話になりました」


「またいつでもお越し下さい」


「ガイドさん、婆ちゃんの手押し車に不具合が出たらいつでも俺に言ってくれよな‼」


「ほっほっ、ではまた来るでな」


三人は車に乗り込みながらガイドに礼を言った


「あ、それで昨日のカツジ様が作られた露天風呂の件ですが…」


「アハハ、余程気になるみたいですな?」


「えぇ、温泉好きを自負しておりますから気になって気になって…」


「ふむ、では都合が合うのであれば今から見に来たらえぇ」


「!?本当ですか?おぃ!今から出掛けるから後は任せたぞ!」


(…そんなに気になってたんだ…)


「では此方に乗って下さいね」


「じゃあお言葉に甘えて…失礼致します」


「じゃあ出発しますよー」


ーキュルル…ブゥーン…ー


こうして勝治達はガイドを連れてディーノの自宅へと向かったのである


「…この馬車は…何と言うか静かですなぁ。乗り心地も格別ですし」


「だよなぁ、ミニバンって言うらしいぜ?」


「「ミニバン」?…カツジ様は色々と変わったモノをお持ちで」


ガイドはふと車窓に目をやるとその速度に驚く


「なっ⁉この馬車はどれだけ速く走っておるので?」


「え?んーと今90キロかな?普通の馬車の三倍位の速度だよ」


「何と!?それでこの静けさと乗り心地を…素晴らしい‼」


ガイドは子供の様にウインドウに張り付いて外を眺めている


そうこうしている内に車はディーノの家にたどり着いた


「ほぉ~、あれが露天風呂ですな?」


露天なので屋根は掛かっているが湯けむりは外に流れているので一発で分かる


「私共の建物とは趣が違いますな…これは何と言う建築様式なのですか?」


「ふむ。「和風」と言った所かの」


「成る程、昨日お聞きした「洋風」と「和風」、確かに違いがあります」


「基本「和」は侘び寂びを、「洋」は豪奢を好むからの。必然的に違いが出るんじゃろう」


「カツジ様、入らせて頂いても?」


「勿論じゃて。好きにするがえぇぞ」


「では失礼して…」


ガイドは入り口にある布を潜って中に入る


「ほぉ…これは…」


入り口を抜けると脱衣場があったのだがガイドの宿とは構成が違っていた


勝治の脱衣場は木製の棚が設けられ藤製の籠が置かれている


(ここに衣服を入れるのか?)


ガイドは服を脱ぐと曇りガラスの引き戸を開けた


ーカラカラカラ…ー


「おおっ‼」


岩に囲まれ湯けむりの立つ湯船、脇には洗い場があるが3つ程蛇口がついたその場所には管?がついている


「どうですかぁ?ガイドさん」


振り向くとディーノが入ってきていた


「いやぁ、実に興味深いですよ。ところであの管は何ですか?」


「ああ、あれはシャワーですよ」


「「シャワー」?」


「いいですか、見てて下さいよ」


ーキュッ、…シャー…ー


「おぉ!水が滝の様に!」


「このシャワーはこうやって自分の好きな部分にお湯を当てられますよ」


「成る程!それで管状なのか!」


「その下の鉄管は「カラン」と言って蛇口を捻るとお湯が出ます」


「何と!手桶で瓶から掬わなくても良いとは…」


ガイドの目は露天風呂の良さに釘付けとなったのだった

本日分終了です。


この物語は全46話構成ですので明日全て投稿します。(予定)

次の話はどれにしようか悩み中…

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