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その三十六 慰安旅行へゴー!

本日分スタートです


ー翌朝ー


「師匠!これは?」


「ほっほっ、「ミニバン」じゃよ」


勝治は今回の旅行の為にミニバンを発現していた

軽トラでは二人しか乗れないし快適とは言えないからだ


「ほぇ~、これが大師匠が言ってた「普通車」ですか?」


「まぁその一種じゃよ。基本大人数でワイワイ行くのに最適な車じゃな」


「あ!最初は俺が運転します!」


ディーノがサッと運転席に陣取った


「これこれ、荷物も積んでおらんのに乗り込んでどうするんじゃ?ほっほっ」


ー数分後ー


「じゃあ出発しま~す!」


ーブゥーン…ー


「おぉ~‼この「ミニバン」という車は静かですなぁ‼」


「うむ、この車は快適性を増しておるからのぅ。軽トラはあくまでも仕事車じゃよ」


「師匠、この横にある箱は何ですか?」


「これはのう、こうして開けると…」


「⁉おお~‼」


勝治が箱の蓋を開けると小さいシンクが現れる


「こっちはの…冷蔵庫じゃ」


「「冷蔵庫」?おおっ⁉ヒンヤリしてますな!」


「ここに食べ物や飲み物を入れておくと冷たくなって長く保存出来るんじゃよ」


「なるほど、便利なモノですな」


「今座っとる座席も畳むとベッドになるぞぃ?」


「…もう部屋ですな」


「うむ」


「この車を師匠の国ではどう使っていたんですか?」


「うーむ、主にキャンプじゃの」


「「キャンプ」?」


「ふむ。この世界ではないだろうのぅ…人々が大自然に触れる為に移動して寝泊まりするんじゃよ」


「…それは旅…ではないので?」


「うむ、こちらでは目的地があろう?例えば「村から町へ」とかじゃな。

その道中で寝泊まりが必要になる場合もあるじゃろうがキャンプは目的地が「自然豊かな場所」なんじゃよ」


「…何でわざわざ野っ原で寝泊まりを?」


「うーむ、それが癒されると言っておったの。」


「…獣や野盗に襲われるかも知れないのに…ですか?」


「おぉ、そうか。ワシの国ではその類いの被害が殆どなかったんじゃよ」


「…平和な世界だったんですねぇ…」


「まぁそうだのぅ」


ガルドも深く突っ込むのを止め勝治もスルーした

想像もつかない事を突き詰めても実際目の当たりにしなければ分からないモノなのだ


「親方、大師匠、そろそろ目的地に到着しますよ‼」


丁度良いタイミングでディーノが声を掛けた


「…おぉ~、なかなかに良い所の様だのぅ」


「確かに佇まいが素晴らしいですね、師匠」


ディーノの知り合いが営んでいるという温泉宿は山の裾野にある洋館風の建物だった


良い宿は面構えからして良い宿だと分かる

これが勝治の持論だがこの宿は正にその持論に当てはまる


ディーノは玄関前にミニバンを横付けする


「カツジ様、ガルド様、ようこそおいで下さいました。私が当宿の主、ガイドと申します」


「これはご丁寧にどうも。ディーノがお世話になっている様で…」


「あっはっは、ディーノさんは私の母に見事な手押し車をお譲り頂いてからのご縁でしてな」


「手押し車?…なるほど、では師匠にもご縁がありますな」


「と言うと?」


「ディーノが紹介した手押し車は全てこの師匠がお作りになられたモノなんですよ」


「おぉ…まさかカツジ様が手押し車の産みの親とは…露知らず申し訳ありません」


「ほっほっ、今はマージ商会に任せておるし当時はワシも寝たきりだったでの、知らんのは当たり前じゃよ」


「…は?えっ!?カツジ様は寝たきりだったのですか!?」


ガイドは勝治の体を見て驚いている


「そうなのだ、師匠は俺とディーノに大工の技を仕込む為に一念発起されて見事復活なされたのだよ」


「は~…それは並大抵のご努力ではなかったのでしょうな?」


「ほっほっ、ワシはただただ鍛えただけじゃよ」


「そんな…ご謙遜を」


今の勝治からは寝たきりだったとは思えない…というかはっきり言って「マッチョ」だ

太い腕、太い足、引き締まった体。

ここからどうして寝たきりを想像出来ようか?と言わんばかりの恵体である


ガイドは顔を引き攣らせながら勝治達を部屋へと案内したのだった

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