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その二十五 マージの渇望(一)


…あの「軽トラ」という荷馬車は是非にでも欲しい!


マージは一目見た時から軽トラの利便性を察知していた


(あれがあれば輸送に革命が起きるかも知れない…)


小さな車体にあれだけの丸太を積んで事も無げに運搬するあの力…

馬であれば2頭立てでなければ運べない重量を軽々と…


マージの脳内算盤は高速で莫大な利益を弾き出していた

そして勝治への交渉材料を模索して即座に答えを見いだす


「良し!この案でいこう!」


マージは自分の太腿をバンッと叩いて立ち上がった


ー数日後ー


「あれ?マージさんじゃねぇか、大師匠に用事かい?」


庭先で丸太の皮を剥いでいたディーノが訊ねる


「えぇ、カツジさんは…あれは?」


マージはふと家の隣の建物と更に隣にある湯気の立つ囲いに目を止めた


「あはは、ありゃ「トレーニングルーム」と「温泉」だよ、知りたきゃ大師匠に聞いてみなよ」


またまた金の匂いに敏感に反応するマージセンサーだが一先ず心を静めて目下の目的を果たそうと家のドアをノックする


ーコンコンー


「お邪魔します、カツジさん」


「おぉ、マージか。こんな家に良くおいでになったの」


勝治はマージに椅子を勧めた


「して何用かの?」


「はい、実はあの「軽トラ」を是非とも私に譲って頂きたくて参上しました」


「ほぉ、やはりマージは鼻が利くのぅ。あれに商機を見たか」


「これは…ご明察です。あの道具があれば物流に革命が起きると見ました」


「…流石じゃて。1台あれば馬車の数十倍は一度に運べるぞぃ?」


「…数十倍?ですか?」


「うむ。あれは「トラック」という乗り物の小型版での。元の「トラック」なら何トンも運べるのじゃ」


「…トン?」


「ワシの国の重さの単位じゃ。そうさのぅ…理解させるには現物を見るのが早かろうて」


勝治はマージを連れて家を出ると少し歩いて開けた場所まで歩いていく


「まぁこの辺ならえぇじゃろ。ほいっと!」


勝治は10tトラックを発現する


「!!!!?????」


マージは目の前に現れた巨大な鉄の塊に驚愕し、勝治の謎の力を見せつけられて失神した


「…お…おい…おぃ、マージ‼大丈夫かの?」


「…?っはっ!ここは…?」


「ワハハ、何を寝惚けておるんじゃ?ここはディーノの家じゃよ」


「さっきのは…夢じゃなかったのか…?」


「ワハハ、マージとワシらだけの「秘密」じゃぞ?」


「は、はいっ‼勿論他言はしませんよ‼」


勝治の謎の力が漏洩すれば国の争いになるやもと即座に理解したマージは直ぐ様同意する


「マージはやはり賢いのぅ」


「あの…それであれは…?」


「おぉ、あれが「トラック」と言うモノじゃよ」


マージの目の前には家にも匹敵する鉄の塊が鎮座している


「これで…荷物を運ぶんですね?」


「そうじゃよ、これなら一度に大量の荷物が馬車より速く運べるのじゃよ」


マージの目がドルマークになるのに時間は掛からなかった

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