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その十五 手押し車フィーバー


「こりゃ凄いわぃ!近頃億劫で仕方なかったがコレがあれば隣村迄も行けそうじゃ!」


サージャの祖母は水を得た魚の様に辺りを歩いて感嘆の声をあげる


「最近家から出なかったお婆ちゃんがあんなに喜んで…」


サージャも元気を取り戻した祖母の姿に涙する


「ハージ婆さん、その道具は何かの?」


その光景を見ていたお隣のドルン爺が興味津々で訊ねる


「おぉドルン爺さん、これはディーノのトコにいるカツジ爺が作った「手押し車」っちゅう道具じゃそうだよ。

これを杖代わりに使うと楽に歩けるんじゃて!いっぺん試してみたらえぇ」


「…こりゃ本当にえぇのう!ワシも欲しいの!」


「ディーノに頼んでおけば作って貰えるってさ」


「良し!早速ディーノに頼もう!」


こうして村中の老人達に手押し車の便利さは瞬く間に広まりディーノに注文が殺到する事態となった


ー夕刻ー


「じ、爺さん!大変だ!」


「何じゃ?ディーノ、藪から棒に…」


「今日だけで五件も手押し車の依頼を受けちまった!

この調子じゃ明後日辺りにゃ村中の年寄りから依頼受けそうだぜ⁉」


「年寄りのネットワークを舐めるでないぞ?そんなのは既に想定済みじゃ。ほれ!」


カツジは廉価版手押し車を既に10台用意していた


「爺さんの用意周到さにも驚いたぜ…こりゃ一儲けも二儲けも出来そうだな!」


「あまり儲けを考えんじゃないぞぃ?」


「へへっ安く捌いてもちゃんと利益出てるよ。」


実質材料費ゼロなのだし当然である


「これを町に持っていけばもっと売れるし爺さんの使ってるヤツも貴族とかに売れば相当な高値になるぜ?」


「アハハ、ディーノは金に目が眩み易いのぅ。

これはあくまでも老人達の利便性を良くする道具じゃ、アコギな商売はするなよ?」


「勿論さ!年寄り連中が元気になれば村も活気づくしな!」


「その通りじゃて」


ディーノの目論見は苦労せずに達成する


手押し車を押して町迄行った老人からその素晴らしさが町中の老人達に広まり

然程間を置かずに貴族達にも噂が広まって注文が殺到する事となる


勝治は手押し車の発現に忙殺される事となったが自身が寝たきりだった辛さを鑑みて

世のため人の為に尽力したのであった


こうして勝治は大工の腕よりも先に手押し車を作る名工として世間に知られる事となったのである


「爺さん!こんなに儲かったぜ!これなら左団扇だよ!」


「これ!ディーノ!人は働く有り難みを忘れてはならんぞ?」


「師匠の仰る通りだ!あぶく銭は所詮身に付かねぇモンだ。この金は俺が預かっておくからな!」


「…酷ぇ…ま、でもこれは爺さんの金だしな、俺があてにしちゃ罰が当たるぜ!」


「ふむ。ディーノは清廉な心根の持ち主で良かったわ」


「はっ!俺ぁ自分で稼いで一人前になってやるよ!」


「良い心掛けじゃ!今日は豪勢な料理と旨い酒で乾杯しようではないか!」


「やったー!」


ディーノの心意気に触れた勝治とガルドは清々しい酒盛りを楽しんだ

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