その十一 現役復帰の為に
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ディーノの師匠、ガルドが引っ越してきた翌日から勝治は1つの目標を掲げた
「脱!寝たきり&祈!現役復帰」
である。
こちらに飛ばされてから勝治はそれなりに筋力をつけようと努力はしてきた
だがガルドに慕われた事で具体的な目標が生まれたのだ
「ワシは復帰して弟子の家を建てるんじゃ!」
「かぁ~‼爺さん、いきなり無理したって体力はそんなにすぐには戻らねーぜ?」
「ディーノか。人間は気合いと根性でどうにかなるんじゃ‼」
「師匠!無理をされると体に響きますよ!」
ヨタヨタとルームランナーを歩く勝治をディーノとガルドが引き留める
「ワシの体はワシが一番良く知っておるわ!お前達はさっさと仕事に行け!先方を待たせるなど職人の名折れじゃぞ⁉」
ディーノ達は後ろ髪引かれる思いで現場に向かった
「さて、邪魔者は消えたし更に励むぞぃっ!」
勝治は自らに課したトレーニングメニューを黙々とこなすのだった
ー建築中の現場にてー
「親方ぁ、爺さん大丈夫ですかねぇ?」
「馬鹿野郎!師匠の決意は本物だぞ?それを疑っちゃならねぇんだよ!」
「はぁ~…また「職人気質」ってヤツですか?昔の人間って何でこうアナログなんだろうなぁ…」
ーボカリッ‼ー
「痛ってー‼」
「だからお前はいつまで経っても半人前なんだよ!アナログだかアナグマだか知らねぇが人間ってのは気合い次第でどうとでもなるんだよ!」
「…へぃへぃ」
ガルドは師匠である勝治の身を案じながら復帰を確信していた
「命懸け」この言葉を理解した眼を持った男の決断を同じ理解者であるガルドが止める訳にはいかないのだ
「親方ぁ、そろそろ昼休憩終わりっすよ。」
「おう!」
ガルドはそう応えて仕事に戻るのだった
ーディーノの家ー
…はぁはぁ…鈍ったこの体はそうそう早くは戻らんか…
勝治は荒い息を吐きつつベッドに横たわった
「さて…ひと休みしたら図面を引くか。ワシの腕を振るえる立派な日本家屋のな」
為す事を決めた男に休むという文字はなくなる
「恐らくじゃがここでは木材の仕入れが難しいのじゃろ…いざとなればワシが捻り出してでも…」
ぶつぶつと呟きながら勝治は図面を引く
ディーノ達が仕事を終えて帰宅した時、勝治が泡を吹いてぐったりしているのを発見する迄勝治は全力を尽くしたのだった
。。。
「全く…倒れる迄気合い入れるとか頭おかしいんじゃねーの?爺さん」
「…すまん」
「師匠っ!一時はどうなる事かと思っておりましたぞ⁉死んでは花実も咲きません!どうかご自愛下さい!」
「う、うむ。」
「ささっ、今宵は私が作った料理で精をつけて下さい!」
「親方が作った料理か…まぁいいや!頂きまーす!」
「。。。ガルドよ…」
「はい!師匠!」
「今後は2度と作った料理を振る舞うなよ?」
「…はい…」
勝治はガルドに厳命すると代わりの料理を発現させたのだった




