神様と彼女
初投稿
文章読みづらくてすみません。
「あぁぁー。もうまた死んだ!!」
彼女は髪をグシャグシャにしながら悔しそうに声を上げた。
せっかくの美しい髪が台無しになる。
しかし当の本人はそんな些細なことを気にするほど繊細な神経の持ち主では無かった。
とにかく彼女の心は今回で何度目か数えることも面倒になるほど繰返している勝負にまたしても敗れたことへの怒りでいっぱいなのである。
「うむ。そろそろあきらめてはどうかのぅ?」
「え。嫌よ。誰があんたみたいな性悪と夫婦になるもんですか。」
そう答える彼女は薄いガラス玉のような空間の中であけらっかんと答える。
ガラス玉の外側は光すらも飲み込むような闇に包まれており質問をした者の姿は見えない。
対照的に球体の中の少女は淡い光につつまれうっすら輝いている。
彼女に声はさらに続けて問いかけた。
「そうか。だが彼はそろそろ限界のようだぞ?奴はお前のような図太い神経を持たない普通の人間だ。魂の形が歪んできておる。ってお前の方がひどい目に遭っておるのにダメージが無いとは…頑丈だのぅ。どんな魂じゃ!鉄か!」
「おー!じゃあ次の転生先はドイツで!鉄の心で生き抜くぜ。オクトーバーフェストでビール飲みまくるぜ!」
「思考回路が全くわからん…。ちょっと待て、お前の寿命は18年しで尽きるようにしておる。何度目かの転生のときにうっかり未成年飲酒で捕まったのを忘れたのか?」
「いやドイツ、親に同伴なら14から飲酒OKだし。公共の場は16も良いし。そんなことより神様の奥さん未成年飲酒の前科があるのってまずいっしょ!さあさあそろそろ私たちをこの転生地獄から解き放ちなさいよ。」
「うむぅ。ここまで来たら後には引けんのじゃ。それにこのままではそなたは地獄行き…そなたの霊力だと地獄のもの達の苦労とクレームが予想されるしのぅ。」
すでに長年連れ添った夫婦のような会話を繰り広げる両者。
こんな二人(?)の関係の始まりは彼女の最初の人生に遡る。
少女は神の声を聞く巫女として産まれ、神と言葉を交わし民草の信仰を司る存在であった。
巫女は神の伴侶となり生涯を捧げて役目を全うする。
それがその当時彼女が生きていた世界では当たり前であり、常識であった。そんな中で…
「すみませーん。神様。私、どうしても幼なじみと結婚したいので、今日で巫女やめまーす。お世話になりました!」
巫女であった彼女は神の前でそう答えたのである。