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元非人の少年は世界を変える  作者: サンタルチア
一刃 神州第一魔法・魔術学園入学騒動
6/7

『満目の絶望』

前回よりは確実に短いです。

「───は」


妾は目覚めると真っ白な空間にいた。

おかしいな。【亜空間】にこんな空間あったっけ?


『違うぞ。これはワタシの空間───所謂アナタの精神世界、とでも言っておきましょうか?來那沙弥』

「え?」


気付いたら目の前に少女の姿があった。

雪のような白い肌そして白い髪。眼は右目は橙で左目は黒い、オッドアイと言うやつなのだろう。

背丈は妾と同じくらいで何処か近寄り難い雰囲気がある。


「汝は誰だ?」

『?何を言ってるの?一ヶ月間アナタの右腰にずっといるではありませんこと?』


右腰?こいつは何を言っ……て…あ。


「もしかして[暁月夜]か?」

『もしかしなくともワタシは[暁月夜]です事。相棒クン?』


こ、この迫力(プレッシャー)は?!


『うふふ……どうやらまだ迫力(プレッシャー)があるようですこと?こんなか弱い乙女ですのに……』

「…グッ……か弱い乙女ではなく強者としての出で立ちが隠しきれてないぞ[暁月夜]」

『───戯けが、何を言っている。こんな人から離れたモノに早々と扱われる代物とでも思っておるのか?』

「人からは随分と昔っから離れてるぞ」


妾がそう言うと[暁月夜]はふんっと鼻で妾を嘲笑った。


「まぁ、そんな事はどうでもいい。結局は何がやりたかったんだ?」

『アナタにそれを伝える程今のワタシは機嫌が良くない。あヤツらに散々やられたからな』


そう言ってはぁ…っと溜息をつく[暁月夜]は心底呆れているような感じだった。

あヤツらって楓達のことか?

という事は妾の意識が落ちていた時に入れ替わりに[暁月夜]が妾の体を乗っ取ったという事か。

……でも楓達は体を乗っ取った[暁月夜]に勝ったということか?


楓達って一体何者なんだ?


暫く自問していると不意に光が差してきた。


『もう目覚めの様だな』

「そうらしいけど……[暁月夜]はこれからも意思疎通が可能、という事になったのか?」

『それを決めるのはアナタの覚悟次第だな』

「はいはい、そうですか。分かりましたよ」

『む?随分と投げやりな返しだな』

「こっちもこっちで疲れてるんだよ。じゃあな」


すると辺りが光を帯び、妾は意識を落とした。



────────────



「なぁ沙弥ちゃん。どうか『満目の絶望(デサペア)』に入ってくれないか?」

「……何で?」


はいどうも。今年で十三歳になります。來那沙弥です。


只今犯罪組織に勧誘されています。


汝達も妾と年齢そこまで変わらないのに勉強大丈夫かなって思ったけど大丈夫らしい。


「で?何で妾を誘おうと思ったの?」

「それは……楓、説明頼む」

「任されたよ。沙弥、君は……非人だね?」

「ッ!………はぁ、あぁそうだよ。妾は多分──否絶対帝国に一人しかいない非人だ」


名前があるから元非人だと思うけどね。身分証もきちんとあるし。


「そんな身分を持っていると国にから狙われる筈だ……だから『満目の絶望(こっち)』に引きいれれば向こうも手を出しづらいんだよ」


なるほど……じゃあ入りますか………とはまだならいよ。


「本音は?妾には『真偽確認』という概念があるから嘘をつけないぞ」

「───入ってくれないと依凪に半殺しにされる……」


あ、そりゃ妾も見逃せないな。

妾は比較的にイケメン正義派ですから。


「そんな事なら仕方が無い。妾も『満目の絶望(デサペア)』に加入しよう」

「本当に?!やったぁ〜これで普段から沙弥に抱きつける〜」


喜ぶとこやっぱりそこですかい。


「あ、じゃあ取り敢えず仲間の証をつけるから……脱いで?」


瞬間バッと楓から距離を置いた。


「もしかして楓ってそっち系なの?」

「ち、違うよ!仲間の証は皆背中に付ける…………って、え?」

「え?」

「……失礼するけど沙弥、君って男?」

「何を言っているんだ?妾は列記とした男だぞ?」

「「「「「…そ…ろ?」」」」」

「え?何だって?」

「「「「「嘘だろ〜〜!?」」」」」



結果的に背中に六番目の意味───ζ(ゼータ)の文字が刻まれた。



──────────────



「……ってそう言えば今何時くらいだ?」


今まで気にしてなかったけど……割とヤバい時間かもしれない……。


「えっと……八時半くらいかな?」

「八時半?!ヤバい!後30分しかないじゃん!」


焦っている妾を見てどうしたのか尋ねられたので学園の試験を受けなければならない事を伝えた。


「へぇ……学園ね…実技の方は大丈夫そうだけど筆記の方はいける?」

「筆記?勉強なんか本一回読んで高等部までの範囲は全部覚えましたよ?」

「「「「「…………(やばい、コイツ…マジの天才だ……)」」」」」


五人は一致団結でそう思った。


「後30分でどうやって行こう?」

「───あ、それなら依凪の【魔術】:空間飛躍を使えば学園付近へ跳べるよ」

「何それ?」

「要するにワープ…いや、テレポートだな」


楓の提案に焔の説明を聞いてなるほど理解した。


「じゃあ…依凪、空間飛躍をお願い」

「うん。但し条件がある」

「───その条件とは?」

「───【麒麟児】の観察、そしてこれは決定事項……」

「そ、それは?」

「私の事をこれからお姉ちゃんって呼んで。そして何時でも抱きつく許可を」

「……分かりました……」


学園の試験のためだ。仕方がない。


「ふふっ…じゃあ頑張ってね?」

「俺達の事は他言無用で頼む」

「たまに僕達の噂も耳にすると思うよ」

「沙弥ちゃん〜また今度ね〜」

「応援しているわよ」


仲間から御礼の言葉を貰い妾の気持ちは久しぶり冴え渡っていた。


「うん!じゃあ頑張ってくるよ!」


そう言って妾の周りに魔法陣が出現し、術式が作動した


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