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はちみつとこおり2


新しい生活は、とても大変です。何故なら、まず、新しい全ての物事に対応しなければならないからです。ゆっくりのんびりしていると、あっさりと置いていかれてしまいます。


「アイレちゃんって、色々な事知ってるんだね!」


学校での生活が始まって、ひと月ほど経とうとしていました。少女は無事、同学年の人達と馴染む事ができ、折角の学園生活をひとりぽっちで過ごす事にはならないようでした。


「そうかな?褒めてくれてありがとう」


少女はにこやかに微笑みます。そうすると、周囲に集まっていた同級生達が、ほう、と溜息を吐きます。少女は、学年の中で一番と言っても良いほどの人気者になっていました。


見目が良く、明るく、性格も優しい。困っている人を助け、でもはっきりと物を言う。学業の成績は全て良く、でもそれを鼻に掛けない。そんな少女が、人気者になってしまうのは、必然だったのでしょう。


おまけに、少女の周りにいると心が穏やかになるのです。人によっては『悩み事が解決した』、『幸運になった』と言うありがたい御利益のような物を受けているそうです。


――兎に角、周囲の同級生達にとって、少女は憧れの存在であり、安らぎの場所だったのでした。


×


「はぁー、やっとゆっくりできる」


寮の自室に着き、少女は息を吐きました。


元々、少女はあまり人と関わらないような森の奥に住んで居ました。別に、人混みが嫌いだとか、内心で邪魔に思っているなどでは無いのです。ただ、


「ほんの少しでもいいから、ひとりでいる時間も欲しいよね」


ただ、それだけだったのです。


×


学校生活が始まって、ひとつと半分、月が過ぎました。


少女は、悩んでおりました。学業の成績には一切問題はなく、友人関係も良好です。しかし、少し、困った事が出来てしまいました。


「――ペアの相手が見つからない!」


これは、由々しき自体です。


周囲の同級生達は皆、ペアを組んでいます。来月から『ペア制』で組んだ相手と共に『模擬戦闘』をしなければならないと言うのに。


少女は少し焦っていました。簡単にペアの相手が見つかるだろうと、今まで思っていたからです。少女に、ペアの相手が見つからなかった理由はただひとつ。


『非常に優秀過ぎて、同級生で苦手を補い合えるような相手が居なかったから』


でした。


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