幽霊男と怠惰な魔女2
世界設定の説明
--出来れば、私の事を忘れないで欲しい
「……あんな人、忘れられる訳ないと思うんですが」
幽霊男の心からの言葉は、少女の耳にきちんと届いておりました。
さて、と少女は正面に向き直し、一歩を踏み出したのでした。
×
少女が通う事となったこの学校は、魔術や武術を学ぶところでした。(勿論、そのつもりで少女も来ました。)
詳細は省きますが、実は、少女はこの世界には滅多にいないと言われている魔女でした。
魔女達が使うものは、『魔術』ではなく、『魔法』です。例えるのならば、魔術が『数学』で、魔法は『生活の動作』です。何も知らない一般人には分からなくとも、原理や仕組み、動作が全く違うのです。
ぽやっとした少女の事を心配した家族が、少女を危険な目には合わせたくないという思いで、
「面倒くさい」だの「嫌です」だのという怠惰な少女を無視して、入学の手続きをしたのでした。
「……あ、」
学校の中で、あの亡霊のような男を見つけました。
「こんにちは。また会いましたね」
少女は、驚いたように目を見開く幽霊男に、そう少しだけ微笑んで告げました。
この作品はプロトタイプであり、正規のものではありません。