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――……――霊夢検知――……――
……――対処完了・観察継続―……
――!terminated-TERM――……――
……――EXO-DIFINITION…――……
――XX――未知接続検知……――
一見すると、意味の通じていそうな――
その実、さして意味の無い文字列が行過ぎていく。
『成る程、さう遣つてヒトを煙に巻くのだな』、何て感想を抱かれても仕方ないが――
実際問題、この辺りの深さで壁面に浮いて出る様な情報は、既に意味が失われている場合が多い。
要するに、『対処済みの事象』が大半を占めている訳だ――
「……微妙な面倒事頼まれたなぁ……」
というか。ジンでもシオでも無いけど。
あんまり買被らないで貰いたい……そんな事を思うアウル。
= = = = = =
――はっきり言って、だ。
自分に出来る事は少ない。
勿論『異世界再開拓ユニット』として、『一般』以上の『可能』な事はあるが――
それを完全な意味合いの『万能』と言われてしまうと――古い言い方に成るが、『もにょる』。
そりゃあ、こんな風にして――『世界』の『バックドア』抜けて『通用口』歩いたりする事は出来ますよ、ええ。
でもそれって、『一個人』というか、『一個体』の権限に過ぎない訳で――
それの権限を持たないヒトを勝手に連れ込んだりは出来ない訳で……
……端的に言ってしまうと、『バックヤードの通行権限がある』。ただし『それを承認する権限は無い』。
――基本部分としては、その程度なのだ、自分の『権限』は。
――え? 似た様な所を、ジンを案内してた、って?
いや、逆に考えて下さいよ……あっちが入って来たんですよ……
……というか、あのヒトに絡んだ状況下で『権限』が如何のとか、考えてる暇が無いですよ……
本来なら率先して守らなきゃイカンだろう連中の方から、権限枉げてやがるし――まあ、前からだが……
――まあ、あれだ、アレは『普通外』だと考えてください、ですよ。
四方八方から意味分からん絡まれ方してるのまで含めて――
――あんなんを担当するメニューになんか成りたくなかったよぅ……ョョョ……
……って、まあ、いいや。今更だし……
『私』は『権限』とか的には『普通』、とだけ認識して貰えれば良いんだし――ね?
= = = = = =
――だから、正直。
自分の『権限』上で追っかけ辛いヒトの『捜索』を頼まれると、非常に困るのだが……
「――あー……やっぱり、この辺りでも一回、ダンジョンに出てるよ……
――さっきみたく、えらい遠い位置に行って無きゃいいんだけどなあ……」
こんな風に、『表』『裏』を往来する手の方は、『足跡』追っかける私にとっては大分追い辛い。
……でもなあ、頼まれた相手が相手だし、その対象も対象だもんなあ……
「――うーむ……この位置からだと――あー、ダメかな……『小部屋』入って周辺漁るか……」
『通用口』を出た先が、微妙に面倒なダンジョンなのを確認し、情報の塊である『壁』に沿って少し歩く。
完全に密接、とは行かないだろうが――
付近であれだけ大きな存在が挙動していたのなら、痕跡の一つも残っているだろう。
情報の並びが、ある程度意味を成している辺りまで来て――其処に干渉する。
そうすると――そこに扉が一つ出来上がる。
「……この手の事を『表』でも出来るクラスなら、幾らでも手助けのしようがあるのになあ……」
言いながら入ると其処は――自分の感性に合わせて構築された、まさに『小部屋』。
……文字列だと想像し辛いでしょうが、『レトロな調度で構築された漫画喫茶の小部屋』を御想像を。
――出来ましたか? いや、出来て無くても進めるけど……
「……この辺りの感性とか、ジンからなんだろうけどなあ……なんでこんなごちゃついてんだか……」
本来を考えるなら、正にインジケータとかで構成された『宇宙船コックピット』とかのが楽なのは確定なのに。
――無駄に落ち着くんだよな、この方が……よっこらせ。
「……時間尺圧縮・情報収集開始。
対象痕跡の自動追尾と――『今』界と『前』界の対象比較を並列」
眼前に光の珠が浮かび上がり、情報が錯綜し始める。
「……さてさて。序でですから……こっからどうなっていくのかも、見ましょうかね」
――どうなっていくのか?
――思わず呟いた言葉に、笑みが漏れる。
「――分からない。分かる訳が無い――でも――それ故に――」
自分の中に湧き上がる、その言葉を――声には出さずに言祝いだ。
……まあ、少しはあれだ――展望とかは見通せればいいなあ、とは、思うけどもね……




