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私はそのまま腕をぐいぐい引っ張って寝室に連れて行った。ユキも私の家によく来ていたからそういう予感からか少し抵抗を見せたけど、それでも無理に押し込むようにして扉を閉めた。


「大丈夫だよ心配しなくても。言うことちゃんと聞けば痛いことはしないから」


痛い前提かあ、と自分でもおかしく思った。目の前で私より体格のいいくせにしおらしくしているユキを見て、少しそそられる。


「じゃ、じっとしててね」


私はぐいっと押し倒すと、引き出しから手錠を取り出して手首を掴んだ。


「や、やだっ…離してよ!ねえ、本当にやめて」


じたばた暴れまわるせいで上手く狙いが定まらなかったが、左側の頬のあたりを勢いよく叩くと少し抵抗を緩めてくれた。その隙に右手首をベッドの脚と手錠で繋いでおく。


「外してよ、馬鹿!」


ユキが私の胸を思いっきり蹴った。なんとか倒れずには済んだもののユキの本気蹴りはかなり痛い。でも、よく考えたら馬鹿って言われる筋合いは無いじゃないか。なんだそれ。元凶は自分のくせに。脚も縛ってやるべきだな、予定してなかったけど。一応私の寝室にはその手の道具は一通り揃っている。ベッドの下に隠していたロープを引きずり出し、二度目の蹴りを食らわそうとする足首を掴んで膝下あたりから全部ぐるぐる巻きにした。縛っている間も足先をバタバタさせていたが、上から体重で抑えつけてなんとか制御できた。


「さて、ほんと急で悪いねえびっくりしたでしょ?」

「ひ、ひどいよいきなり!私が悪かったのはわかるけどいくらなんでも乱暴することないじゃん、脚まで縛って…もう反省するから、帰してよ」

「脚縛るのはユキが私に蹴り入れたからでしょ、かなり痛かったからねあれ。私、ユキと違ってそんなに屈強じゃないから。あんなに大胆に他人に迷惑かけても平気でいられるほど、ね」


私はまだ拘束されていない左手をとると、ぐいっと捻じ曲げた。それでもまだパンチを食らわそうと無理に動かしているせいで変な方向に曲がり、余計に痛がっている。自分で自分を痛めつけてるなんて、マゾか。


「いった!!やっ、やめてやめて」

「だから言うことちゃんときいとけばよかったのに。じっとしててって言ったのに。ほら、そんなにひねったら大好きな悠くんにも触れなくなっちゃうんじゃない?それとも腕はなくてもキスぐらいできるからいっそ全部の関節外してそれから切り落としちゃおうか?」

「そ、そんな…」


かなり真面目なトーンで言ったからか本当にそうするように思ったのだろう、彼女はほとんど動こうとしなくなった。本気で言うわけないじゃん、私そういう趣味無いし。私はそのまま彼女の体をぐるりと回転させ、うつぶせにさせる。


「体格いいわけじゃないけど、力がないわけでもないからね、ふふ」


そう耳元に囁く。ユキが眉をひそめるのがなんとなくわかった。抵抗しないので、服の中に手を突っ込む。ひぃ、と小さく悲鳴をあげて震える彼女の体をまさぐり、余計なところをいじるのも面倒だったのでそのままブラの下の胸を掴んで乳首を摘んだ。声は我慢しているらしいけどきっと感じるんだろう、すぐに私の指を押し返すように勃ってきた。すごくかわいい…このまま犯しても良いなあ、と一瞬思ったがもっといい案があるのでさらに話しかける。


「今日は許してあげるよ、大人しくなってくれたし、反省はしてるみたいだし。でもあいつとは別れないと駄目だよ、わかってると思うけど」

「…はぁっ!?なにそれ!!」

「だってさあ、おかしいでしょ?ユキとあいつがくっついてるせいでみんな迷惑してるんだし。これからユキは自分ちに戻って、あいつを呼んでちゃんと別れたいって言うんだよ。それから私んちに帰っておいで」

「悠くんと別れるなんてできないよ…!」


まあ、そう言うとは思ってたけど。私はポケットから小型ナイフを取り出す。


「これから24時間、時間をあげるね。明日の4時半以内に帰ってこなかったら次はもっと恐ろしいことをするから…ほんとに血の出ることだよ?でも余裕でしょ、ぱっと行ってぱっと戻ってくればいいわけだし。いくらダラダラしたって明日には私んちに帰ることになるよねえ、きっと」

「てことは今日中に話つけるの!?考えられない…」

「まあ、そうだろうね。ユキは今日電車に乗って来ただろうけど、それでも私の思ってた時間より5分も遅れるような人なんだから、そりゃ今日中なんて想像もつかないだろうねえ」


私はそこで彼女の首に頭を埋めて、できるだけ優しい優しい声でこう言った。


「もうこれで一緒にいれる夜も最後なんだから、お別れの挨拶ぐらいちゃんとしてくるんだよ」

「…な、なにそれ」

「んな恥ずかしがることでもないじゃん。もう長いんだしするべきこともするでしょ」

「それは…リナちゃんには関係ないでしょ」

「まあ、せいぜい堪能しといで」


そっとユキの綺麗な黒髪を撫でて、脚のロープと手錠を外してあげた。


「どういう理由つけて出てきたかは知らないけど、怪しまれない程度の時間に呼ぶんだよ?いくら早く会いたくても別れたくっても急いで帰って待ちきれずに電話して誰の仕業だなんてことになったらそれこそ大迷惑だからね」

「わかってるよ…ロープの痕ついちゃってるし、こんなの見せられないからすぐには呼べない」

「でもうちには泊めてやらないよ。自分ちであいつとお泊りしな」


―――――じゃないと、今夜ユキがあいつとヤってる様子が撮れないからね。


「泊まりたくもないよ、もう」

「また必ずおいでー、待ってるから。あはははは」


憂鬱そうなユキの背中を優越感に浸りつつ見送った。この日のために、二人が実家に帰ってる間に設置しといた隠しカメラ…バレてなくてよかった。あと、一番の友達だからって合鍵くれたユキにも感謝!ほーんと同性って便利ね。楽しみだなぁ、どんなエロい顔するんだろ、ユキ…

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