予想外の、再びガベス
★タタウィーン~ガベス再び
メドニンで乗り換えたかったけど、便がないのでガベスで乗り換えることに。
で、再びガベスのバスステーションに到着。
乗り換えのルアージュは他に客がいないので集まるまで動かないという。
すぐにでも移動したいのに・・・。
ステーションの外に停まっている車に聞くと
「走ってもいいよ。でも君しか客がいないから19D」
はぁ。ダメか・・・待つしかないと戻りかけると正面からアディルが歩いてきた。
お互いびっくり。
でもなんか予感がしたんだよね。ガベスで乗り換えたら会いそうだって。
だからメドニンにしたかったんだけど(笑)
で、そのまま捕まって(笑)、
「せっかく会ったんだから今日はガベスにいなよ。ウチに泊まればいいじゃん!」とこれまた再びアディルの家へ。
前回と同じくビーチでヤシの木のお酒を飲んで、前回と同じカフェへ。
同じくシーシャをして、夜の街を散歩。
土曜日だからなのか?新宿のようにすごい人出だ。
レストランも人で賑わっている。女性も沢山いて日本と変わらない。
タタウィーンに比べたら大都会だ(笑)
それからバイクで走ったりして遊んだ。
50CCにヘルメットなしで2ケツしてフルスロットルで直線を走ると超気持ちいい。
ケバブサンドとワインを買って腹ごしらえをしてるところに、アディルの友達が大きなピザの宅配を持ってきて、一緒に食べた。
食べていると他の友達も通りかかってまた一緒に。
イスラムって付き合いが広くて濃くていいなぁ。
朝起きると、アディルのお母さんがカフェオレとバゲットの残り、クッキーを出してくれた。
質素な朝食で、申し訳ない気持ちになってしまった。
この家には父親がいない。で、息子がこんなじゃ(笑)
アディルは定職を持ってないようだし。
彼の部屋もベッドに洋服、ラジカセしかない。他の部屋も生活に必要な最低限しかない感じだ。
お母さんはとても痩せていて、今の家長である息子にも強くものを言えないような印象だった。
お母さんに、泊めて貰ったお礼にホテル代くらい渡したかったけど、そのチャンスもないまま外出。
このバッドボーイに渡したらそのまま自分のポケットに入れちゃうだろうし。
まずはポリスに向かう。
ツーリストと一緒にいる許可のようなものをもらうとかなんとか。
モロッコでも自称ガイドが旅行者と一緒にいるところを見つかれば罰金だから、似たような制度があるのかも。
それから町にでた。今日は市のたつ日で、日用品が道沿いに延々と売られている。
欲しいものは・・・何もないなぁ。
「例のパームワインを飲みに行こう!今日はビーチじゃなくて、パームワインを作ってるとこのバーだよ。」
以前ペットボトルを持って林の中から調達してきた、あの白いお酒ね。
もちろん行くさね!
アディルについて林の中をしばらく進むと、唐突に小さな広場にでた。
ここが隠れ家バーだ!秘密の基地みたいでワクワクしちゃうな。
台の上に大きな木の板を載せただけのテーブルに、そこら辺にあるものを椅子にして、男たちが数人既に座っている。
各自ペットボトルでお酒を買って小さなグラスで飲みながら、カードやアラブ式マージャン?みたいなゲームをしている。
こんな場所に女が、それもアジア人で旅行者、が入り込んでしまって迷惑じゃなかろうか。
みな中年と言える年齢層のようで、アディル一人が若い。
いいのかなぁと思いつつ、アディルに促されて丸太に座る。
お酒を買ってグラスをもらって、みんなの仲間に入れてもらった。
おじさん達、英語はできないけどみんな親切でフレンドリーだった。
各自おつまみも持ってきている。
みんなが、ざくろやチョコレート、コーラのグミやナッツなんかをくれた。
一人のおじさんはアーティストっぽい人で、私の似顔絵を書いてくれたり、ザクロでオブジェを作ったり、リンゴをバスケットのようにカットしてくれた。
「紹介するよ。彼がこのお酒を造ってる、ここの主だよ。」
頭がハゲててお腹でっぷりの、とってもかわいいおじさんがきた。
このおじさんもニコニコしてて、優しいジェントルマンだった。
いいところだなぁ。ここのあったかいアトモスフィアにリラックスマックスだった。
アラブの女の子だったら絶対ここにはこれない(こない?)だろうけど、こんな時ツーリストでよかったって思う。
しばらくみんなに遊んでもらって、肌寒くなってきたのでバーを後にした。
アディルの家に戻って着替えた。「クスクスを食べよう」と言ってたけど、ルビア(豆のトマト煮)を持ってきた。
「ガスの調子が悪くて」と言ってたけど、きっと材料がないんだろう。
ルビアはあたたかったし。ガランとしたキッチンだったもの。なんか悪いなあ。
ここでの遊び代は勿論私が全部出してるけど。
お酒でもお茶でも安いからいいけど、毎日こんなことしてたらダメだよね~。
ママにもっとたくさんご飯たべさせてあげないと。
ツーリストつかまえて人のお金で一緒に遊びまわってるだけじゃだめだよアディル。
それよりも、家の為に少しお金ちょーだいと言われた方が、見直しちゃうんだけど。
村の友達を訪問。
アラブ人といってもアフリカ大陸だからなのか、色んなタイプの人がいる。
アディルはアラブなのか南米なのかなんだか国籍不明のようなルックスだけど、この友達はまさにアフリカン。
でっぷりとした貫禄で、タイコたたいたら似合いそう。
村は、なんにもない。ほんとに村だな。
夜は、前回夜に散歩した繁華街にでた。大通りのビルで、入り口に大きな布がかかった怪しい建物へ。
看板など目印は何も無い。入ると、バーだった(苦笑)
飲んでばっかりだな・・・。
2階にあがってビールの小瓶をみんなで頼む。
下は若い男の子達のグループがいくつか。勿論女性は皆無。
なんだか退屈で、早々に家へ戻ってもらう。
着替えて寝る準備をしていると、アディルが騒々しく部屋に来た。
「今何時だと思う!?まだ9時半だよ?寝るには早すぎるよ!」
「もういいよ。もう着替えたし、ゆっくり寝るよ」
「だめだ!」
と言うが早いか、ママのマントを持ってきて私をす巻にして有無を言わさず外へ連行。
ほどなく友達の車がやってきた。でも乗用車にぴったり5人乗ってる。
「詰めろ!」
無理やり後ろに乗り込み、私もす巻のまま引きずりこまれる。
ハタから見たら、誘拐でしょこの光景。
車内は皆が大きな声でワイワイ話すので大騒ぎ。
何しゃべってるのか全然わかんないけど。
でもなんだか楽しい(笑)狭い車内でみんなナチュラルハイでなんかワーワー言ってる。
しばらくグルグルドライブをして、ちょっとこじゃれたカフェへ。
だけど、風貌が紳士淑女じゃないからか、大騒ぎしながら店になだれ込んだからか、す巻の外国人がいるからか、多分それ全部が理由で、座ったものの相手にされなかった(笑)
みんなは意外とすんなり諦めて(笑)、またしてもドンチャンドライブでノリノリ。
お酒も酔っ払ってないし、モロッコみたいに吸いすぎで歯がボロボロでもないのにみんな超楽しそう。健全だなぁ・・・
そして車はアディルの家の前で止まり、やっと寝ることができた。




