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タタウィーンにて、ハマム体験や関西のおばちゃんに遭遇

★メドニン~タタウィーン

そして、タタウィーンへ。

そう、この地名はスター・ウォーズにでてくるタタウィーン星のタタウィーンだ。

実際ここを含めこの国で沢山のロケが行われた。

タタウィーン人が住んでいる家という設定のクサールが沢山あるのだ。

バスステーションに着くと、タクシーの運転手が吹っかけてくる。

「タタウィーン観光全部まわって17D!」20を渡すと違う70だと言う。

そんならいいよと、とにかく街中のホテルへ行ってもらう。

入り口が小さくてわかりづらかったけど、小奇麗なホテルだ。

おばちゃんは、英語が全く通じない。まいった。

でも悪いのはフランス語もアラビア語もわからない自分の方。


自力でクサールに向かうには、キャミオネットというライトバンのようなタクシーで行くのが一般的らしい。

もちろんタクシーより断然安い。

キャミオネット乗り場を探しつつ歩いていると、道の脇に立っていた男の子が「ハイ」と英語で話しかけてきた。

笑顔が素敵だった。ハーイと返しつつそのまま歩く。

彼が追っかけてて「コーヒー飲む?」って言うからクサールウレドスルタンにキャミオネットで行きたいんだというと付き合ってくれることになった。

今のところ、スース以外一人旅のツーリストに全く出会わないので、英語がわかる人に出会うと本当に助かる。

わかると言っても彼はほんとにカタコトだけど、なんとか単語を並べて意思疎通ができる。

乗り場といっても道に止まっているキャミオネットのどれかがそっちに行く、というもので、彼が聞いてくれた。

「まだスルタン行きは出ないからそれまでコーヒー飲んでよう」と近くのカフェへ。

旅の中では一日にこうやって何度もカフェに入るけど、地元の人が一緒だとほんと楽だ。

女一人でオヤジ度や地元度の高いカフェはちょっと考えてしまうから、入る店もツーリスト向けやちょっと高めの小奇麗なところになってしまう。

えいやっとオヤジカフェに入ってしまって場違いだと一斉にジロジロ見られることになる。

特にここのようにツアー客しか泊まらないような町だと個人の旅人が気軽に入れるところもほんとに限られる。


キャミオネットに乗ってクサールへ。一人1.1D。

やっぱりタクシーツアーにしなくてよかった。

彼、モハメッドは気の利く青年で私の写真を沢山撮ってくれた。でもそのおかげで後で見ると全部自分が入っていて使えないのばかりになってしまった(笑)

帰りのキャミオネットで、ドライバーの青年がその手は?と私のヘナをした手について聞いてきた。

モハメッドが「僕達結婚したんだ!」と答えると「え!マジ?ほんとなの!?」「そう!マリアージュ!」と二人でもっともらしく答えた。

からかってごめんね、ドライバーさん。

町に戻って食堂でご飯を食べる。彼はお金ないみたいなので全部おごる。

向こうの人は大抵家で家族と食べるもんだし。

大した金額じゃないし、ガイド代としてじゃ安いもんだ。

それに一人より誰かと食べる方が楽しいに決まってる!


食事が終わると「ハマム知ってる?入りたい?」「うん!大好き!入りたい!」

まだチュニジアに来てハマムに入ってなかった。

モハメッドは懇切丁寧にハマムの入り方、マナーを身振り手振りを交えて教えてくれた。

そして、入浴用の荷物を持って、ハマムへ連れていってもらった。

モハメッドが入り口で女の人たちに頼んでくれたおかげで、中でもみんな親切に面倒をみてくれた。

出てから服を着て、化粧水をつけていると、おばあさんが少し離れたところでじっとこっちを見ているのに気が付いた。

興味しんしんなんだろう。あのアジア人は顔に何付けてるんだろうと。

ニッコリ微笑んでどうぞとボトルを差し出すと、私の真似をしておばあさんも顔にピタピタ叩きこんだ。

かわいいなぁ。家に帰って家族に話すんだろうな。

アジア人が持ってたへんな水を顔に付けたって。


ハマムを出るとモハメッドが迎えにきてくれて、ホテルに戻って一旦別れた。

荷物を置いて洗濯。

待ち合わせの時間にホテルの下のカフェに行くと、ちょび髭の陽気なおじさんがいた。

このおじさんは個人客をつかまえてガイドをしているらしい。

個人旅行が多い日本人は上客らしく、今まで客となった日本人の名前を並べては

「皆とっても僕のツアーを楽しんで感謝してくれたよ」

と猛烈な売り込み。

オモシロおじさんのつもりらしいが、残念ながら全然面白くない。

マシンガントークをする人は苦手だ。

まいったなぁと思っていると、時間を大分過ぎてやっとモハメッドが来た。

モハメッドは自分の家へ連れて行ってくれた。

「家族に紹介するよ」と連れて行かれた部屋には驚いたことに数人のおばあさんが。

どういう家族構成なのかわからないけど、おばあさん達は皆ベルベルのタトゥーをしていてとても素敵だった。

これだけならんでいると圧巻だな。言葉がわからなくて本当に残念だ。

たくさんの人が一堂に会せるような広いリビングでTVをつけ、アラブミュージックのチャンネルを見た。

妹さんがお茶とチーズを持ってきてくれた。

これまで撮った写真をみたり、仕事の話をしたりした。

夜は退屈かもと思ってたから、思いがけず地元民の家を垣間見れて楽しかった。

しばらくすると、妹さんがオレンジジュースとクッキーを持ってきてくれた。

またしても見知らぬ旅人に精一杯の歓待をしてくれるイスラムのメンタリティに感じ入る。


翌朝、約束の時間より早くホテルを出て、銀行で両替する。

今のところ、どこの銀行も円でOKだ。

念のためいくらか米ドルも持っていたけど、全部円でもよかったかも。

昨日のハマムの直後から、私のアレルギー性鼻炎が何かに触れて、ティッシュが手放せない。

鼻炎薬を飲んだのでボーっとしていたが、約束の時間になってホテル下に行く。

今日はハッタダに連れて行ってもらうことになっている。

でもまたしてもモハメッドはいない。

カフェで待ったらまた昨日のガイドに会いそうなので、一人でブラブラした。

ルアージュが沢山停車してる通りで「シェニニ?」と声がかかったので、乗ることにした。


大きな山の谷間の古い村で、せっせと登るとなかなかいい眺め。

砂漠名物ローズドサハラがバカみたいに山積みになっている。

1個1Dって書いてあるけど、こんなにおいてあるとそれでも買おうとする人はいない。

そもそも店番もいない。きっと誰かが手に取ったら何処かから飛んでくるんだろう。

乾いた山と山の間に挟まっている平面のような青空とプリップリの雲のコントラストが美しい。

ニワトリやネコもいる。小さな女の子達がいてこっちをみてニコニコしていたので

「サラムアリコ~」と挨拶するとびっくりして「ムスリマ?」と聞いてきた。


駐車場にはツアーの4WDがオニのように停まっている。みんな白人のツアー客だ。

今は旅行者でごった返しているけど夜は照明もなくて人もいなくて別世界なんだろうな。

そこで、なんと関西のおばちゃん3人組に出会った。

ま、まさかこんなマニアックな場所で日本人に会うとは。

服装や髪型からして典型的な関西のおばさま達は、気さくに私と話してくれた。

すごいなー。なんでチュニジアをチョイスしたんだろう。

旅行行こうって考えてチュニジアが思い浮かぶってすごいな。

その位今のところ、日本人を全く見てないもん。


一通り見終わってしまうと、あとは帰るしかない。

下に戻って、ドライバーのお兄さんに何時に出るの?と聞くとわからないという。

「じゃ行くとき声かけてね」

と言ってカフェに入った。お兄さんは

「OK」

と言ってカフェの前でお昼寝の体勢。

ミントティでも飲んでいよう。

「テ・ア・ラ・メンテ スィル・ヴ・プレ」

と初めてフランス語で言ってみる。

めでたく一度で通じておじさんがニコニコして日本の運動部で使うような大きなヤカンからグラスに注いでくれた。

しまった。こういうカフェでは面倒なティーは作り置きのこれになってしまう。

カフェ=エスプレッソマシーンなのだ。

ま、いいやとチビチビ飲みながら、外を眺めてすごす。

一人旅の人は見あたらないなあ。

団体ツーリストはダーっと来てダーっと去っていく。


ドライバーが行くよーと呼びに来てくれたので、町に戻った。

ルアージュ乗り場からホテルに戻る途中、例のちょび髭ガイドに遭遇してしまった。

こんな小さな町なのにモハメッドに会わないので、彼の車でラガールまで連れて行ってもらって明日のバスの時間をチェックした。

そのまま近くの砂漠に連れて行ってもらった。

と言っても、だだっ広い砂っ原なんだけど。

サラサラの砂の上を裸足で歩くのは気持ちいい♪

これはこれでよかったけど、やかましいガイドの彼には閉口。

モハメッドとだったら良かったのに。

モハメッドの笑顔と静かな話し方は癒される。

つくづく、誰かと一緒にどこかへ行くのって、何処へ行くかより誰と行くかが肝心だと思った。

ちょび髭ガイドにいくばくかのガイド代を払って、再び町をブラブラ。

アラビア語の看板の写真を撮っていたら、誰かが後ろから目隠しをしてきた。

モハメッドだった。

こんなレトロなことされたの幼稚園以来じゃないだろうか(笑)

「ハムドゥリッラー。探したよ。神に感謝。」


「また遅刻したでしょ。こないから一人で出かけたよ」

「いや、君が朝早く出て行ったって聞いたから、いないのかと」

「両替に行っただけだよ。ホテルに戻ったし、約束の時間に降りたよ」

「そうだったんだ。シェニニに行ったの?」

何故知っている(笑)町でどんだけ聞き込みしてるんだよ。刑事かあんたは。

どうやら町中私を探し回っていたらしい。

とりあえずお茶でもと町の中心のカフェに行った。

ローズウォーターとショコラカフェを頼んでくれた。

雨が降り出したので屋内に場所を移す。結構この季節は雨が多いんだなぁ。


しばらくすると雨もやんだので、町を散歩。

さすが地元民は色々な所を通ってくれる。

スーパーマーケットも自分じゃたどり着けなった。

私が鼻炎でくしゃみをしてるので、途中のよろずやでミントキャンディを買ってくれた。

これがおいしかった♪

一緒に買ってくれたグリーンのティッシュもメントールの香りがするものだった。秀逸。

どちらもお土産に買えばよかったと今でも思い出すと残念に思う。

またしても雨が降り出したので帰ることに。

宿が安ければもう1泊して明日ハッタダに行ってもいいのだけど、ここは個人ツーリストは結構大変。

ホテルが高いし、町は時間を潰せるようなところがないし、ラガールから町まで遠くてタクシー必須だし。


朝の8時にモハメッドと約束したのに、またしても下に降りてもいなかった。

これで3回目。

こんな時間にルーズな人も珍しいけど、そのあと必死になるんだから初めから時間守ればいいのに。

カフェオレを飲んでしばらく待つ。

こない。

仕方ないので荷物を持って町の中へ。

最後に入ろうと思っていた「ガゼルの角」というこの町の名物スイーツを食べにお店に入る。

きっと食べてるうちにモハメッドがホテルからこちらに向かってくるに違いないとふんで、甘いお菓子とレモネードで朝食。

案の定、少しして窓の外を真剣な顔で小走りにやってくるモハメッド(笑)

タクシーでラガールまで一緒に行く。ラガールのカフェで、時間までお茶する。

帰りのタクシー代をあげる。

英語で書いた手紙をくれた。ルアージュに荷物を乗せて、お別れ。

面倒見てくれてありがとう。それでは、さようなら。

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