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中継地点のガベスにて予想外に楽しむ

★スース~ガベス

早朝、まだ薄暗いうちに宿を出る。

広場に出ると、カフェはもう開いているし人は歩いてるしで淋しくない。

広場は夕べモルディが片付けをしていた時と同じように、柔らかい照明に包まれていた。

入り口で振り返ってしばし眺め、なんとなくしたくなって礼をした。

たとえ再びここに戻っても、もう同じことは二度と起こらない。

沢山の人からもらった思い出を大切にしよう。かなりおセンチになって駅に向かった。


駅は人がいっぱい。この街は、朝が早いんだな。

列車は15分程遅れて発車。12時過ぎにガベスに到着した。

町は埃っぽく、モロッコを思い出す。

迷いながらもなんとかユースホステルにたどり着く。

3人部屋に一人。なかなかキレイなユースだ。


ここから先はバスになるので、先にバスステーションを確認しに行く。

日差しが強い。もう南部に入ったのだと実感する。

帽子、スースで強風の日に失くしちゃったんだよね。


なんとかバスステーションを見つける。が、売り場は全てアラビア語表示でお手上げ。

オフィスの人も英語わかんないみたい。

すぐに乗るなら行き先言えばなんとかなるけど、明日○○へ行くバスは何時と何時ですかなんて聞けない。

見回しても英語わかりそうな人・・・あ、若そうで悪そうな(笑)兄ちゃんとすれ違う。

あっと思って焦って声をかける。やっぱ英語通じるじゃーん。彼に時間を聞いてもらった。助かった。

そのまま、彼はカレーシュに乗らない?と案内してくれた。

あれ?この人ガイドだったのかしらん。

だったらまんまと飛んで火に入る・・・てやつだね。はは。

カレーシュには乗りたかったのでそのままついていく。

「オレにまかせて。安くしてあげるから」

大抵そういうけど、実はふっかけてピンハネするんだよね。

馴染みらしいカレーシュのおじさんと何やら話して戻ってくる。

やはりガイドブックに載ってる価格より少し高い金額だ。

わかってるけどここは知らない振りでガイドしてもらおう。

一人で乗るより案内してもらった方が楽しそうだし。


走り出すと、彼は途中すれ違ったナツメヤシを積んだ馬車を止めて両手に一杯貰って戻ってきた。

まだ熟していないナツメヤシだ。こんな若くて硬いの食べられるの?

「食べてみて!おいしいよ!」

かじってみると、シャリっと音がして、ほんのり甘い果汁が口の中に広がった。

「おいしい!!!」

「だろーっ!?よかった!沢山食べて!」

果肉がシャキシャキして、甘くておいしい。あーラッキーだな。新しい食べものを知っただけでその日一日嬉しい。

途中でワニなんかのいる動物園に寄って、帰りは運転席に座って手綱を握らせてもらった。

いやー年を忘れてはしゃいだ(笑)


それから彼、アディルがバイクを調達してきてそれで町を走って銀行に連れて行ってもらい、両替した。

「ビーチで楽しもう。」とリンゴと梨を買った。

それから商店でダノンのヨーグルトと、何故か空のペットボトルを調達。

それを持って、バイク見ててねと林の中に消えてしまった。

しばらくしてもどってくると、ペットボトルはカルピスウォーターのような液体で満たされていた。

ヤシの木から作ったお酒だった。「パームワインだよ」

ペットボトルの大で3D。レストランなんかじゃ飲めないらしい。

それから彼の友達がチュニジアワインとチーズを持ってきた。

みんなで乾杯してピクニックになった。

初めてのそのお酒は、軽い発泡酒で酸味のある、地酒って感じだ。

おいしい。いくらでも飲める(笑)

アルコール度はビールほどもないんじゃないかな。

ダノンは、スプーンがないなあと言うと、

「チュニジアではこうするんだ」

と、そのまま激しくシェイクして、フタを少しだけ開けて飲んだ。

なるほどね!


陽が落ちると、ビーチ沿いの大きなカフェに入った。

奥のスペースは女性連れのスペースのような感じ。

みんなでシーシャ(水パイプ)をまわしながら、TVで流れているアラブポップスを解説してもらった。

流されているのはエジプト、レバノン、チュニジア、アルジェリア、ヨルダン、アラブ全土の歌手たち。

この人たちは国が違ってもアラブ語という共通言語で繋がっているんだ。

いいなぁ。日本語は、日本だけだ。

隣のテーブルでは20才位の男女が合コン?をしている。

もちろん健全にジュースでだけど。

ジャマルもその友達も

「アラブの女の子はブラーブラーブラーであれ欲しい、これ欲しいっていうばっかりでさ。それにすぐ乗り換えるんだ!」

そんなの世界共通だよ(笑)どこでもそういう女は沢山いるのね。


それからジャマルの家に行ってみんなでルビア(豆のトマト煮)を食べた。

彼の家は町から少し離れている村の中で、痩せた小柄なお母さんと、妹がいた。

村は何もなくて、星空がきれいだった。

友達がバイクを取りに行ったけど中々戻ってこないので、タクシーで帰ることに。

呼んだタクシーの運ちゃんはアディルの友達で、音楽をガンガンかけて手拍子しながらノリノリでユースへ(笑)

バイバーイと別れてからドアを開けようとすると開かない。焦る。

ドアの右はもう私の部屋なのに。

左の部屋の人が窓を開けたまま音楽をガンガン流している。

窓から「開けて~」とお願いする。

おじさんが笑って開けてくれた。どうも建付けが悪かっただけのようなんだけど。

普段なら、夜の12時過ぎて音楽ガンガンなんて迷惑そのものだけど、今夜だけは助かったな。

本日も無事楽しく終了しました。

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