腐れ縁との別れ、再び砂漠へ
★ジェルバ~ドゥーズへ
ジェルバは日本で言えば沖縄みたいなところで、雰囲気もどこか開放的。
ジェルバ名物ののかごを買いに、陶器市場へ。
前回来た時に、ヨーロピアンツーリストに4Dでいいから買ってくれと言うのを聞いていたので、5Dで買ってあげようと思う。
やっぱり色の刺繍の入ったやつにしようかなぁ。
シンプルなのもいいけど、モロッコではシンプルなのが多かったから、ジェルバってはっきりわかるのがいいな。
お店のお兄ちゃんにいくら?って聞いたら、
「6D」って言うから、アラビッシュで
「5Dね!」と言って成立。
後でカフェに行く約束をして、隣の陶器売り場へ。
ラクダマジックのポットを買いたかったんだ。これも5Dを3Dにして購入。
その後カフェでお兄ちゃんにディレクトをごちそうになり、歩いて海へ。海はビーチはなかった。
ベルベルスークを散策。こんなところがあるなんて知らなかったなぁ。
翌日、1時を過ぎてホテルを出る。遅かったけど、特に何も言われず。
1時のバスに乗るつもりだったけど、ルアージュでガベス経由で再びドゥーズを目指す。
ひょんなことから砂漠ツアーに参加することになったのだ。
ルアージュはフェリー待ちで、島を出るのに結構な時間がかかった。
隣に座った男がホテルのレセプションをしているという人だった。
昨夜のホテルは英語が全然通じなかったのに、彼はよく話せるので感心。
ガベスに着いたはいいけど、ドゥーズ行きの客が集まらず、時間だけが過ぎていく。
すっかり陽も落ちてしまったし、こんな時間にアディルもバス亭になんか来ないだろうと思い、バスの外で体を伸ばした。
やっぱり油断したらいけなかった。奴と私はやはり縁があるんだろうか。
暗闇の向こうでじっとこちらを見て、ゆっくり近づいてくるその影は、まぎれもなく、アディルだった。
ああ、神様。
ジェルバではニアミスだったけど、偶然会ってしまうのは、これで3度目。
こんなことってあるんだろうか。
「飲んでいたけど、友達を迎えに来たんだ。」そうです。
どうして電話くれなかったんだと言われて困っているところにドライバーがきて、私がジェルバから来て砂漠に行くことをペラペラとしゃべってしまった。
あーまったくもう!
今回だけは、というよりもう彼に引っ張られるのはやめることに決めている。
何故か彼は砂漠へは行きたがらない。
アディルを振り切ってドゥーズ行きを敢行するしかない。
今夜は泊まって行け、いや泊まらない、とやっているうちにふとバスを見ると、さっき電話代をせびりに来たちょっと頭のおかしい女が私のサックの口を開けようとしている。
「何をしているの!」とルアージュから引っ張り出す。
周りの人達も見てて何も言わないなんて!
ここは怒っていることをアピールしておこう。
とりあえず、キレたツーリストになって、周りに怒っていることを認識してもらった。
それから、アディルにもはっきりガベスには泊まらないと言った。
アディルは楽しい奴だ。
人を引っ張りまわして驚かせて、目いっぱい楽しませてくれる。
でも、もう違和感を感じ始めてしまった。
例えば私がパンを買ったのを見れば、すぐさまサンドイッチ屋に行って私の好きなハリッサやツナを挟んでもらってハイと渡してくれる。
一事が万事その調子。
頼もしいけど、初めはそれでいいけど。ありがたいけど。
私は一度見せてもらったら、次は何でも自分でやってみたい人間なのだ。
だから、もう今は、自分のペースを守りたい。
ありがとう。さよなら。
バスが走り始めると、若い男が話しかけてきた。
ドゥーズのホテルで働いているという。
「あいつには気を付けろ。アディルは危ない男だ。」と言う。
揉めてたろ?俺が助けてやるから。
いやいや、大丈夫です。そもそも揉めてないし。
私の荷物をいじっていたその女も助手席に乗っていることが、私をイラつかせた。
なんでみんなその女をかばうねん。なんで乗せるねん。
若い男はイライラしている私に親切にしてくれた。
夜だからホテルまでバスに行ってもらうように運転手に言ってくれたり、気遣ってくれた。
ほんと、その節は不機嫌ですみませんでした。




