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致されなかった夜の共同作業

エリスの夜ご飯もお腹いっぱい食べた一同は次の予定について話し合う・・・はずだったのだが、ルートスが予定外の話を始めた。

「今日明日と予定していたマッピングなんだが、今日今を持って中止とする。」

「・・・は?」

ラズリは意表をつかれた声を出し、エリスは意外と思ったがこれ以上危険な目にも合わないことに少し安堵していた。

シャナとリリィエスト、そしてケータの三人は黙ってルートスの続きを促した。

中止の理由をこれから話そうとするルートスを遮るようにラズリが駄々をこね始める。

「なんでよ、これからじゃない!これから・・・エリスとリリィとの夜の共同作業が始まるっていうのに!!」

力強くそう言い切るラズリにまたか、とため息をつくルートス。

安定のエリスの動揺に加えケータはラズリの発した言葉に引っかかったようだ。

「よ、夜の共同作業ってなんかエロイ響きっすね。」

「単純にお風呂入ったり寝たりを一緒にしたいだけでしょ?変な含みを持たせないの。」

男子学生らしく反応するケータをシャナは冷静につっこんでいく。

「まあ、アホのラズリは置いておいてだな・・・メンバーの内二人がテストで大惨事、それに加えラズリの暴走の原因でもある久しぶりのゲームプレイ、その他諸々・・・・・加えてテスト疲れで正直マッピングがめんどくさくなってきたってのも含め、一旦中止にする。」

周りをよく見てるんだなぁと感心するリリィエストと、最後は完全にルートスの私情ねとあきれるシャナ。

そんな二人の心の内を知る由もなく、ルートスは続ける。

「こんな状態で続けてもどっかでケガするだけだ、いろいろとな。それに、追試か再試か知らんけどそんなもん目の前にして頭唸らせてゲームやってもつまんねーだろ?」

「あう・・・」

「あははは~・・・」

エリスとケータの図星を見事についた。

「だったらちゃんとクリアしてからまたやろうぜ。息抜きならいくらでも付き合ってやるからよ。」

「「ル、ルートスさん・・・」」

完璧なアニキを見せたルートスに尊敬のまなざしで見つめるケータとエリス。

ラズリはそんな二人、主にエリスの反応を見て言い返すことができなくなってしまう。

その様子をみたルートスは残りの二人の同意を求めるべくシャナとリリィエストに視線を向ける。

シャナは小さく頷き、その様子を見たリリィエストはルートスに視線を向けられるとコクコクと頷いた。

「んじゃ、満場一致ってことで帰るか。」

ルートスの一言をきっかけとして後片付けを各々始めていく。

その中でケータが一つこれから起こる事実にいまさら気が付いた。

「ちょっと待って・・・っていうことは俺この後勉強尽くしってことじゃないっすか!?」

「今更気が付いたの?後でビシバシ見てあげるから感謝なさい。」

「い、嫌っすぅ~~~!!!」

ケータの叫びが森の中を駆け巡り、静まり返っていた森の生き物は何事かと飛び跳ね鳥たちは鳴きながら羽ばたいていくのであった。


馬車に皆が乗り込みルートスが操縦して森を出発する。

いまだ諦めきれず涙をこぼすラズリはリリィエストに慰められえており、そんなラズリを片手間にリリィエストはエリスと談笑していた。

この森に来るときには見られなかったエリスの緊張のない自然な笑顔を見てシャナは口元を緩ませる。

ケータと言えば、いまだ暗記ができておらずシャナにつかまりっぱなしであった。

ルートスは行きとは違うものの変わらず仲の良い後ろの五人の会話を聞き流しながら、あくびで生じた涙を目に蓄えて先を進んで行く。


帰りの森でも草原でもモンスターに出会うことはなく、平和に帰還することができたフライブルの六人は馬車の発着場を出てギルド本部に向かう。

その間続々とすれ違う冒険者たちにルートスは違和感を覚える。

シャナもそれは感じたようで、開拓がすすんだ南門の外にある草原地帯に行くために南門付近で冒険者とすれ違うことは多い。

だがいまだ開拓の進んでいない北側と西側では頻繁に冒険者とすれ違うことはなかった。

それゆえ北門か馬車にしか続かないこの道でこんなにも冒険者に出会うのには違和感を覚えざるを得なかった。

いまだ暗記で頭を悩ませるケータと、両手でエリスとリリィエストと手をつないで軽く召されそうなラズリを除く二人がその異変に気が付いたのだった。

ギルド本部についた六人、その内のシャナとルートスはギルドに集まる人だかりに面を食らった。

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